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うえおか康彦活動日誌

山口県議会議員上岡康彦の活動日誌

平成 21年 9月定例会 

平成 21年 9月定例会 - 09月28日-02号
△日程第二議案第一号から第二十三号まで
◆(上岡康彦君) 公明党の上岡康彦でございます。公明党県議団を代表して質問させていただきます。
 質問に入る前に、一言申し上げます。
 八月三十日に行われました第四十五回衆議院総選挙により、民主党中心の新政権が誕生いたしました。我々公明党に対しても、さまざま厳しい御指摘も、また、温かい励ましもたくさんちょうだいしたところであります。
 ここで、改めて、公明党県議団四名は、「大衆とともに」の立党の原点を胸に、さらに県民の皆様の御期待にこたえられるよう、公明党らしく頑張ってまいりますと一言決意を申し述べさせていただきまして、通告に従い質問に移ります。
 初めに、新政権における県政運営についてお伺いいたします。
 世界経済を百年に一度の危機に突き落としたアメリカ大手証券リーマン・ブラザーズの破綻から一年が経過しました。
 景気は最悪期を脱したものの、いまだ雇用情勢は厳しく、自立的な景気回復のかぎを握る個人消費も低水準であり、本格的な景気回復にはなお道半ばであります。今後とも切れ目のない景気対策の継続が欠かせない現状にあります。
 しかし、こうした現状を考慮せず、ひたすら自党のマニフェスト具体化を最優先するような民主党中心の政権の動向には、早くも景気失速を懸念する声が各所から出始めております。
 鳩山政権は、総額十六兆八千億円とされるマニフェスト実現の財源確保のために、予算の無駄排除や埋蔵金の活用、租税特別措置・各種控除の廃止などを挙げておりますが、まずは手っ取り早いターゲットとして、今年度、補正予算で計上した基金の凍結にねらいをつけたものと考えられます。まことに拙速としか言いようがありません。補正予算に盛り込まれた事業が、現状の景気を下支えしていることは、各種経済指標でも明らかであります。
 しかも、総額四兆三千億円の基金については、約六割が既に地方自治体や関係団体へ執行済みと見られております。九月七日付の読売新聞では、「財源確保ありきでの強引な打ち切りは慎むべき」、同じく十日付では、民主党のブレーンとされる元財務官榊原英資・早稲田大学教授からでさえ、「このままでは何年かたつと鳩山不況と呼ばれる可能性がある」とも警告されています。
 さらに、鳩山首相は、来年度予算編成の手法にも異議を唱え、各省庁が準備していた概算要求の白紙化、ゼロベースでの見直しを主張。各省庁には十月半ばをめどに、新たな概算要求の再提出を求めるようでありますが、これでは年内中の予算編成は難しいとの見通しが強まっております。国の予算編成のおくれは、ただでさえ財政事情が厳しい地方自治体にとって、深刻な状況に陥る可能性が極めて高いと言わざるを得ません。
 新政権の発足とともに、今後、民主党のマニフェストに示された政策・制度への変更が進められることになります。しかし、平成二十一年度予算及び平成二十一年度第一次補正予算において成立した経済危機対策事業、例えば地域活性化・公共投資臨時交付金、地域活性化・経済危機対策臨時交付金、経済対策関連として自治体に交付される十五の基金創設などが、新政権によって関係事業を中止せざるを得ない事態になれば、地方自治の混乱を招くだけでなく、地域雇用情勢にも大きな打撃を与えることになります。
 したがいまして、政府に対して、政策の見直し、税制の改革、制度の変更に当たっては、平成二十一年度予算及び同年度第一次補正予算によって、地方自治体の進めてきた施策や事業について、財源問題で執行に支障が生ずることのないよう、行われることを強く求めるものであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、政権交代という大きな節目を迎え、新たな政府のかじ取りが、そのまま山口県の財政にも、また、県民生活にも直接影響を与えることになります。
 新政権の政権公約には、高速道路の無料化や暫定税率の廃止、あるいは「子ども手当」の支給などが掲げられており、これらの政策は、県政運営にも影響を及ぼすと考えられますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、災害対策についてお尋ねいたします。
 私は、これまで何度も防災関連の質問をしてまいりましたが、今なお土石流の残した深いつめ跡が生々しい国道二百六十二号線を通るたびに、はかり知れない自然の脅威の大きさをまざまざと見せつけられ、一層防災体制の強化を急がねばならないとの思いを強めております。
 七月二十一日、私の地元周南市でも、朝からかなりの雨が降っておりました。激しく降り続く雨を自宅のベランダから見ながら、何だかきょうは嫌な感じだな、こんな日に何も起こらなければいいがと不安に思った瞬間を今でもはっきりと覚えています。
 しかし、悪い予感が的中し、その日の朝から作業着に長靴を履き、冠水した道路をひざまで水につかりながら、床上・床下浸水したお宅へお手伝いに行ったり、土砂災害危険区域に指定されている山へ上って、今にも崩落しそうな岩の現場視察に行ったり、はんらんした河川により流出した田畑の現状確認に行ったり、雨の降り続く夜、近くの公民館に自主避難された方々の激励に行ったり、一体何人の方々から不安や悲しみのお声を聞いたことでしょうか。
 特に、今回の集中豪雨災害により十四人もの犠牲者を出し、最も被害の大きかった防府市では、災害時における住民への情報提供の重要性が浮き彫りになりました。と同時に、水害や土砂災害に備えた避難勧告や避難指示について、具体的な発令基準を設けていない全国の自治体が六割にも上ることが判明いたしました。まことにゆゆしき事実であります。
 しかも、今回の防府市の対応のように、発令の基準が職員の現場確認や経験に頼る面も多く、初動態勢の遅延や自治体の判断ミスが多くの住民の生死を分かち、最悪なケースでは、犠牲者をさらに増加させてしまうような事態も引き起しかねません。
 そのような事態にならないよう、避難勧告等判断マニュアル、災害時要援護者支援マニュアル、避難所運営マニュアルなど、住民を災害から守るために欠くことのできない各種マニュアルの整備が重要と考えます。
 私は、これまでも被害を最小限にとどめる観点から、事後の百策ではなく、事前の一策、つまり災害が起こる前にこそ、マニュアルの整備であったり、危険区域の点検などをすべきと訴えてまいりました。
 しかしながら、県内の市町のマニュアル策定状況を見ると、依然として未整備の自治体が多いことが、今回明らかとなりました。これまでの県議会からの発信が、各自治体には届いていなかったのかと思うと、非常に残念であります。
 また、今回の災害において、マニュアルが十分機能しなかったのではないかとの指摘もあり、大規模災害時に、真に実効性のある各種マニュアルを整備することは、喫緊の課題となっております。
 そこで、お伺いいたします。私は、未整備の市町において、マニュアル策定のノウハウがないのであれば、県からの策定支援が必要なのではないかと考えます。そこで、県は、各市町が、実効性のある各種マニュアルを早期に整備するために、今後、どのように取り組まれるのか、お尋ねいたします。
 次に、新型インフルエンザ対策についてお伺いいたします。
 厚生労働省は、六月十九日、新型インフルエンザ対策に関して「医療の確保や検疫、学校・保育施設への臨時休業要請などに関する運用指針」を改定いたしました。これは、ことしの秋冬に想定される国内感染の第二波を見越しての対応であり、入院措置をやめ、すべての医療機関で受診できることに変更し、多くの人が受診する一方で、持病で免疫力の弱まった高齢者や妊婦、乳幼児らのハイリスク者への対応を強化することを目的とするものです。
 しかし、感染経路や感染の実態がつかみ切れていない状態のうちに、予想よりも早く流行の兆しがあらわれ、夏休み中の小・中・高校でも、部活動や課外活動を通して集団感染した学校も相次いで判明しました。
 九月十七日には、気管支ぜんそくの持病を持つ横浜の小学六年生の男児が、未成年者では初めて、新型インフルエンザが原因で死亡したと報道されておりましたが、今後、山口県内の学校現場でも流行が懸念されるところであります。
 八月二十八日、厚生労働省は、新型インフルエンザの今後の患者数の推計を初めて公表しました。それによりますと、国民の二割が発症すると想定した場合、ピーク時には一日に約七十六万人が発症し、約四万六千人が入院すると想定されています。本県においても、八月下旬には定点患者数が一人を超えたため、新型インフルエンザ流行開始と判断されますが、十月上旬から中旬にかけて、感染のピーク時期を迎えると考えられている今、まさに感染拡大を防ぐ正念場であり、全医療機関による診療体制の構築も急がねばなりません。
 ところが、今月七日、共同通信のまとめにより、小児や妊婦、透析患者といったハイリスク者が感染して重症化した場合に、その患者を受け入れて専門的治療ができる医療機関の数について、四十七都道府県のうち、山口県を含む二十七都府県が把握できていないという、新型インフルエンザの医療提供体制の把握が大幅におくれているという残念な実態が報道されました。
 私が県の担当者に確認したところ、山口県では、一部の医療圏においては、受け入れ可能な病床数まで確認できているが、一部の医療圏においては調整中ということであり、少し安心したところではあります。私は、最も大切なことは、感染によって重症化するリスクのある人をいかに守るかということであると思います。
 政府の新型インフルエンザ対策本部の専門家、諮問委員会で委員長を務めておられる自治医科大の尾身茂教授は、「今回の新型インフルエンザとの戦いの成否は、死亡者を減らすことだ」と述べられ、今後の対策では、死亡者を減らすことに重点を置くべきとの考えを示されております。
 そうした中、厚生労働省では、新型インフルエンザワクチン接種について、死亡者や重症者の発生をできる限り減らすこと、及び、そのために必要な医療を確保することをその目的とし、接種の優先順位について、第一順位にインフルエンザ患者の診療に従事する医療従事者約百万人、第二順位に妊婦及び基礎疾患を有する者約一千万人、第三順位に一歳以上就学前の小児約六百万人、第四順位に一歳未満の乳児の両親約二百万人とし、さらに優先接種が望ましい者として、小・中・高生約一千四百万人、六十五歳以上の高齢者約二千百万人としており、新型インフルエンザ対策は、妊婦、基礎疾患を有する方、乳幼児などへ配慮することとしております。
 県としても、こうした国の方針のもと、県内での蔓延を最小限にとどめるとともに、重症者、死亡者を出さないよう、しっかりと事前の対策を講じなければなりません。
 そこで、お尋ねいたします。県として速やかに対応すべき課題は、第一に妊婦や透析患者などの基礎疾患を持っている人などへの医療体制の確保、第二に重症患者の増加に対応できる病床の確保と考えますが、今後、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 次に、観光振興についてお尋ねいたします。
 世界的な景気の低迷などにより、観光を取り巻く環境は大変厳しい状況にあります。
 昨年七月から九月まで実施されましたデスティネーションキャンペーンでは、七百五十万人を超える観光客を記録し、全国に向けて山口県を売り込むことができました。
 今後は、この成果をしっかり生かしながら、一層の観光客誘致に向けて、県全体で取り組んでいくことが大変重要であると考えております。
 こうした中、県では、去る九月十四日、県内の年間観光客三千万人構想の実現に向けたアクションプランの最終案を、県観光審議会に提出し、意見を聴取されたところであり、十月には策定・公表される予定と聞いております。
 私もかつて、平成二十年九月の議会で、年間観光客三千万人構想実現に向けた観光施策の取り組みについて質問をいたしましたが、御案内のとおり、このアクションプランは、「住み良さ日本一元気県づくり加速化プラン」の重点事業として、平成二十四年には、山口県への年間観光客数三千万人を目指すという取り組みであります。
 県観光審議会に提出されたアクションプランの最終案によれば、昨年夏に実施したデスティネーションキャンペーンの成果や課題等を踏まえ、戦略的な情報発信や誘客など三つの視点から、十の戦略、二十三のアクションを設定し、テーマ性のある滞在型観光エリアの形成や外国人向け観光ウエブサイトの構築など、七十を超える取り組み例により、現状の二割増しで三千万人の誘客を目指すとされており、知事の強い意気込みが感じ取れます。
 二十一世紀のリーディング産業と言われる観光は、すそ野が広く、その振興を図ることは、地域経済はもとより、さまざまな分野において活性化が図られるものと期待されているところであります。
 しかしながら、観光面においても、地域間の競争が激しく、他の地域との競争に打ち勝っていくためには、本県の独自性を打ち出していくことが重要であり、そうした観点からの取り組みを、日本だけでなく、観光客の増加が見込まれる東アジア諸国にも情報発信するなどにより、国内外からの年間観光客三千万人が実現できれば、本県の活性化にとって、大きな効果をもたらすものと考えております。
 そこで、お尋ねいたしますが、本年十月に策定予定の「山口県年間観光客三千万人構想実現アクションプラン」では、本県の独自性を打ち出すために、どのような観点から取り組まれようとしているのか、お伺いいたします。
 次に、農地の利用集積の加速化についてお尋ねいたします。
 農地法は、戦後間もない昭和二十七年に制定されましたが、制定以来の抜本的な改正で、平成の農地改革とも言われる農地法並びに農業経営基盤強化促進法等の改正法案が、本年六月十七日に可決、成立し、年内には施行される運びとなっております。
 今回の改正により、農地制度の基本は、従来の所有から利用に大きく転換いたしましたが、これは御案内のとおり、我が国農業の規模拡大が遅々として進まず、あるいは拡大しても面的な集積が進まない状況を打破し、農地の利用集積を加速化させることを目指したものであります。
 本県は、県土の七割が条件の不利な中山間地域であり、全国平均に比べ一人当たりの耕地面積は狭隘で、その上、農地を守る農家の減少・高齢化も著しく進んでいるため、作業効率向上のため、農地の規模拡大や利用の集積を進めることは、全国以上に大きな課題となっております。
 本県においては、認定農業者や集落営農法人などの、いわゆる担い手を育成するとともに、その担い手への農地集積を目指して取り組みを進められており、加速化プランにおいても、認定農業者等が担う水田耕作面積の割合を六○%以上という具体的な目標を掲げられておられますが、集落営農法人の数も、随分とふえてきておりますが、まだまだ十分でなく、担い手への農地集積も、残念ながら計画どおり順調に進んでいる状況ではないようであります。その意味からも、私は、農地の面的集積を加速化し、農業の経営基盤を強化する観点から、今後、面的集積を進めていくための国からの支援も必要ではないかと思っています。
 農家の皆様は、先祖代々守ってきた自分の農地に強い思い入れがあり、農地の資産保有意識も強く、また不在者地主が増加しているなど、農地の利用集積を阻害する要因は数多くあり、そうたやすく進まない事情もよく理解できます。
 しかし、本県農業・農村の置かれた厳しい現状を考えたとき、私は、集落営農の法人化を加速化し、その担い手に農地の利用集積を図っていかなければ、山口県の農業は、今後徐々に廃れていってしまうだけではないかと大変不安に感じております。
 そこで、お尋ねいたしますが、政権は交代しても、今回の農地法等の改正を契機に、本県においては、担い手への農地の利用集積をさらに加速化する必要があると考えますが、今後、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 次に、学力向上対策についてお尋ねいたします。
 文部科学省は、八月二十七日、小学六年生と中学校三年生を対象として、四月に実施した平成二十一年度全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストの結果を公表いたしました。あわせて、その結果については、過去二回と同様、知識の活用力に課題があるとの分析結果も発表しております。
 この全国学力テストについては、全員対象がよいのか、本当に実効性はあるのか、かかる経費も含めて、賛否両論さまざまな意見がありますが、どうやら十一年度からは調査対象を一部の学校に絞る、抽出方式へと大幅に縮小される見通しです。
 ただ、この調査で一番大切なことは、調査対象の多寡ではありません。その調査の目的として明確に記載されているように、児童生徒の学力や学習状況をきめ細かく把握・分析することにより、教育及び教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることなどにあるのです。
 ですから、児童生徒の学力向上という結果には、必ず教育力の向上という裏づけがあるのです。さらに、教育力向上へのエネルギーは、聖職に仕える方の熱い情熱であると私は考えております。
 先般、県教委から平成二十一年度の学力・学習状況調査の結果について、概要が公表されました。教科に関する結果分析、生活習慣や学習環境に関する分析など、児童生徒に対する分析については、よくまとまっているなと感じました。しかし、反対に残念だと感じたのは、学校や県・市町教育委員会側の今後の対応について、さらに踏み込んだ記述がなかったことであります。
 私は、何のための調査なのかという目的意識が、教える立場の側にはっきりと自覚され、また、その自覚のもとで課題が検証され、具体的な改善策を打つことが重要であると考えております。そうすれば、調査の実効性を疑うようなへんぱな疑問を投げかけられるようなことはないと私は思うのであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、今回の全国学力・学習状況調査の結果をどのように受けとめられ、今後、どのように児童生徒の学力向上に取り組まれるのか、お伺いいたします。
 最後に、交通死亡事故抑止対策についてお尋ねいたします。
 県民の安全・安心に関して、最も身近に感ずるものの一つとして、交通事故の問題があります。交通事故をめぐりましては、古くには「交通戦争」という言葉もありましたし、「輪禍」という言葉もあります。中でも、最も悲惨であるのが、交通事故により人がお亡くなりになることではないかと私は考えています。
 昨年一年間の山口県内における交通事故による死者の数は九十一人と、一昨年の百十五人から二十四人減少し、昭和二十六年以来の最小の数を記録したところであります。
 こうした結果を受け、県警察では、交通死亡事故のさらなる減少のため、昨年の交通死亡事故の原因を多角的に分析し、高齢者が被害者となる事故や、高齢ドライバーによる事故などが多発したことなどをとらえ、本年の交通死亡事故の抑止に向けた諸対策に、日夜取り組んでおられるところであります。
 現在のところ、こうした取り組みが功を奏し、県内の交通事故件数、負傷者数、ともに昨年に比べ減少しているとのことであります。ところが、交通事故死者数に目を向けてみますと、全国的には減少傾向にある中、昨年の同時期と比べて、九月二十八日現在で七人の増加という結果になっております。
 もちろん、私は、交通事故というものは、偶然、必然、その他さまざまな要因が複雑に絡み合って発生するものであり、単純に数字の増減のみをもって、必要以上に一喜一憂するべきでないと考えておりますが、やはり県民の安全・安心に直結する重要な部分でありますし、人の命に関することでありますので、でき得る限りの対策は打つ必要がある、また、打たねばならないものであると考えております。
 そうした意味から、微増とはいえ、増加傾向にある交通事故による死者数を減らし、昭和二十六年以来の最低を記録した昨年の数を一人でも下回るよう、交通死亡事故の発生を抑止していただきたいと思うのであります。
 そこで、警察本部長にお尋ねいたします。
 今月二十一日からは、高齢者の交通事故防止を中心とした「平成二十一年秋の全国交通安全運動」に、まさに県民全体で取り組んでいるさなかでございます。
 今後、まだまだ日没時間も早まってまいりますし、秋の行楽時期や年末を迎えるに当たり、悲惨な交通死亡事故の発生を防ぐため、いかなる方針で臨まれるのか、お伺いいたしまして、代表質問を終わります。
 御静聴ありがとうございました。(拍手)
◎知事(二井関成君) 上岡議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、新政権における県政運営についてのお尋ねであります。
 さきの総選挙に際し、民主党が示されたマニフェストでは、今後の地方行政に大きな影響を与える政策も多数盛り込まれておりますことから、私は、こうした政策の実行に際しては、国民生活や地方の立場に立った議論を尽くしていくことが必要であると考えております。
 具体的には、「子ども手当」の支給や公立高校の実質無償化、農家への戸別補償や後期高齢者医療制度の廃止等、地方に関係の深い施策につきましては、その実施手法や財源措置によっては、地方に新たな負担や大きな混乱等が生ずることが懸念されます。このため、具体的な制度設計等に向けては、地方の意見をしっかりと反映をしていくことが必要であります。
 また、たとえマニフェストに掲げられた政策でありましても、例えば、地球温暖化対策としてのCO2二五%削減や高速道路の無料化、また、ダムの建設中止など、国民的なコンセンサスが必要なものについては、これに固執することなく、さまざまな角度から議論を行い、国民の理解を求めていくことが必要と考えております。
 したがいまして、そのためにも、新政権におかれては、マニフェストの内容に至った検討経緯等について、個別具体的に明らかにしていただきたいと思いますし、私は、そのことがこれらの問題を議論する出発点でなければならないと考えております。
 また、新政権では、マニフェストの政策を実施するために、明年度予算に係る概算要求基準を白紙に戻し、これにかわる新たな基本方針を策定することとされております。したがいまして、県といたしましては、国の政策との整合を図る観点から、関連する全事業について、ゼロベースで見直す必要があると考えております。
 いずれにいたしましても、民主党のマニフェストでは、地域主権を確立し、地方への大幅な権限移譲や地方財政の拡充等を進めるとされておりますので、新政権においては、その方向で個別の政策を検討していただくよう、強く願っているところであります。
 また、明年度の予算編成が差し迫った時期でありますので、地方に大きな影響を及ぼす政策の具体的内容や財源を明確にする地方財政対策を早期に示されるよう、早急に求めてまいる考えであります。
 次に、災害対策に関し、避難勧告等発令判断マニュアル等の整備についてであります。
 私は、防災の基本は、みずからの安全はみずから守ることにありますことから、今回の災害を踏まえ、住民の被害を最小限に食いとめるためには、早期の避難が何よりも重要であり、その早期避難を促す、的確な避難勧告等の発令と避難情報の伝達や、災害時要援護者を初めとする住民の避難体制の整備が不可欠なものであると考えております。
 このため、県におきましては、平成十八年二月に策定した「避難勧告等発令・伝達体制の整備に係る基本指針」等に基づき、市町に対して、例えば地域において危険度を示す、時間雨量や河川水位、海岸潮位等の客観的な判断基準の具体例もお示しをした上で、県議会での御質問・御要望も受けながら、避難勧告等発令判断マニュアル等の早期策定を要請してまいりました。
 しかしながら、現在、各市町のマニュアル策定状況は、避難勧告等発令判断マニュアルについて、過半の市町が未策定であります。策定済みのマニュアルにも、基準内容に具体性を欠くものが見られるなど、その取り組みは不十分な状況にあります。
 こうした中で、県といたしましては、今回の災害を受けて、避難勧告等発令判断マニュアルにつきましては、改めて、未策定の市町に対し、早期に策定するように求めたところであります。
 また、策定済みの市町に対しましても、マニュアルの実効性を確保する観点から、気象情報や雨量・水位等の客観的基準を盛り込んだものとするなど、現在の判断基準の再点検の実施を強く要請したところであります。
 今後、その策定の進捗状況を把握しながら、市町とも個別協議を行い、また先進事例の紹介を行うなど、各市町の状況に応じた、きめ細かな指導・助言を行っていくことにいたしております。
 さらに、市町におけるマニュアル策定の取り組みが不十分な要因として、防災担当部局の組織に課題があるとも考えられますことから、現在、「消防・防災連携推進検討委員会」において、今後の市町の防災対応力の向上を図るため、消防との連携など、その組織体制の強化について検討を進めております。
 私としては、こうした取り組みを通じ、市町において、実効性ある各種マニュアルの早期策定や、的確な避難勧告等の発令、住民の避難支援体制の整備が確実に実施されるように、市町との緊密な連携のもと、本県の防災体制の一層の充実強化に全力で取り組んでまいります。
 次に、新型インフルエンザ対策についてのお尋ねにお答えいたします。
 新型インフルエンザの感染のさらなる拡大に伴いまして、罹患によるリスクが高いとされている慢性の呼吸器疾患、腎機能障害などの基礎疾患を有する方や妊婦、さらには小児に対して、適切な医療を提供するとともに、増加が見込まれる重症患者に対して、入院医療体制を確保することが大きな課題となっております。
 まず、基礎疾患を有する方等に対する医療体制につきましては、早期からの抗ウイルス薬の投与や、重症化するおそれがある場合の早期入院の実施などの従前からの対応に加え、対策の一層の充実強化が必要であると考えております。
 具体的には、このたび新たに設置した、医療関係者等からなる「新型インフルエンザ対策協議会」において、透析患者や妊婦、小児について、院内での感染を防止し、適切な医療を提供するため、それぞれの特性に応じた、外来受診から入院治療に至るルールを確立したところであります。今後、市町や関係団体と連携しながら、さまざまな機会を通じて、県民や医療関係者に対し、その徹底を図ってまいります。
 また、十月以降に予定されているワクチンの接種につきましても、こうした重症化のリスクが高い方々へ円滑な実施ができるよう、ワクチンの流通量の確保や広報の実施など、適切に対応してまいります。
 次に、重症患者の増加に対応できる病床についてでありますが、このたび、国が公表した「流行のシナリオ」に基づき試算した、本県における流行ピーク時の入院患者の見込み数に対して、入院可能病床や人工呼吸器は、県全体としては、おおむね確保されております。
 しかしながら、重症肺炎や脳症等の患者に対しましては、その症状に応じて、高度な入院医療の提供が必要でありますことから、人工呼吸器による呼吸管理や集中治療など、適切な医療が提供できるよう、各保健医療圏ごとの対策を進めております。
 また、救急搬送につきましても、医療機関や消防機関などの関係者で、医療機関に係る情報を共有するなど連携を図ることにより、重症患者を適切かつ迅速に搬送できるよう努めてまいります。
 私は、県民の安心・安全を確保するため、医師会、医療機関等との協力を得ながら、新型インフルエンザ対策に全力で取り組んでまいります。
 次に、観光振興についてであります。
 人口減少が進む中、観光振興は、交流人口の拡大により、山口県の元気を創出していく上での重要な戦略であります。
 このため、県では、現在策定中の年間観光客三千万人を目指したアクションプランにおいて、昨年実施したデスティネーションキャンペーンの成果や課題を踏まえながら、本県独自の観点からの観光施策の構築を進めております。
 まず、昨年のデスティネーションキャンペーンでは、産業観光ツアーやエコツアーなど、本県の魅力ある観光資源の付加価値を高め、地域発の旅行商品づくりを進める「地旅づくり」の取り組みが進みました。
 こうした取り組みを、地域住民の創意と工夫により、競争力のある、山口ならではの旅づくりに生かしていくため、地旅やスロー・ツーリズムなどの関係者と連携して、参加体験メニューの開発やストーリー性の付与等により素材の付加価値をさらに高め、地域と一体となった観光地づくりを進めてまいります。
 また、「山口どこでも紙芝居」など、県民の積極的なおもてなしの取り組みが進みました一方で、県民の参加意識がおもてなしの面にとどまり、さらに幅広い観光への参加が求められております。
 このため、本年度から開始した「ぐるるん!山口」県内周遊観光キャンペーンを通じて、県民の皆様に対して、県内観光地のしゅんの情報や民間事業者等による優待サービスを提供し、県民の皆様に県内観光地に出かけていただくことにより、その魅力を再認識いただきますとともに、県民による本県のPRを促進していくなど、県民総参加の観光振興を進めてまいります。
 さらに、平成二十二年の伝統的工芸品全国大会、また、平成二十三年の山口国体、二十四年の全国植樹祭は、全国に本県の魅力を発信する絶好の機会でありますので、これらの開催にあわせて、観光施設の割引等の特典が受けられる「ワンスモア山口チケット」を発行するなど、リピーターの増加を図る仕組みづくりを進め、その後の日本ジャンボリーや世界スカウトジャンボリーに生かしてまいります。
 私は、魅力ある観光資源を生かした「やまぐちの地旅づくり」など、本県独自の観点に立った取り組みを初め、アクションプランに基づく諸施策を、着実かつ計画的に実施をし、年間観光客三千万人を目指してまいりたいと考えております。
 次に、農地の利用集積の加速化についてであります。
 私は、中山間地域が多く、水田農業が中心の本県農業の持続的発展を図るためには、農地を効率的に利用する集落営農を基本に農政を進めることが重要であると考えております。したがいまして、これまで集落営農法人等の担い手を積極的に育成するとともに、やまぐち農林振興公社を中心に、農地保有合理化事業等により、担い手への農地の利用集積を進めてまいりました。
 こうした取り組みにより、現在、県下各地で、全国的にも上位となる、百五十四の特定農業法人等が設立をされ、農地の利用集積による効率的な農業経営が展開をされております。
 その一方で、今後、昭和一けた世代の引退等により、農業者の急激な減少が見込まれ、担い手を中心とした農業構造を早急に確立する必要がありますことから、加速化プランにおいて、平成二十四年度までに六割以上の農地を担い手へ集積することを目標に、お示しの所有から利用への転換を基本とする農地制度の見直しの趣旨も踏まえながら、その取り組みを一層加速化することといたしております。
 具体的には、まず、今回の農業経営基盤強化促進法の改正により、新たに、農地所有者の委任に基づき、分散した農地を取りまとめて担い手に再配分する「農地利用集積円滑化団体」を、すべての市町に創設することとされましたことから、現在、その早期立ち上げを、各市町に対して指導しているところであります。
 また、この組織において、国の関連事業も活用して、農地情報の地図化を行いますとともに、地域の実情に精通したコーディネーターを配置し、不在地主を含む多数の農地所有者と、担い手とを適切に結びつけるなど、効率的な農地の集積を進めることにいたしております。
 あわせて、これまで進めてきた農地の受け手となる集落営農法人等の設立と規模拡大を一層加速化するため、重点的な技術・経営指導や機械・施設等の整備、雇用による新たな人材の確保など、引き続き、組織の発展段階に応じたきめ細かな支援に努めてまいります。
 私は、新政権下におきましても、本県農業・農村の実情に即した農地の利用集積が円滑に進むよう、必要な措置を適時適切に国に要望いたしますとともに、市町・農業団体と緊密に連携をしながら、本県食料自給率の向上につながる、担い手を中心とした農地の有効利用に向けて、全力で取り組んでまいります。
 以上でございます。
◎教育長(藤井俊彦君) 学力向上対策についてのお尋ねにお答えいたします。
 このたびの全国学力・学習状況調査の結果につきましては、平均正答率を全国と比べてみますと、小中学校ともに、過去三年間で最も高い結果でありました。児童生徒の努力や各学校の取り組み、家庭との連携など、これまでの成果があらわれ始めたものと受けとめております。
 しかし、県全体としては、中学校は全国平均を上回っておりますが、小学校は平均に近づいているものの、依然下回っている状況であります。
 こうした中、三年間の調査結果の分析や、市町教委からのヒアリング等の結果、課題としては、割合の計算などの基礎・基本の定着、生活場面での活用、自分の考えを表現する力などの育成、学習意欲の向上、さらには、子供の状況に応じた学習指導などが見られますことから、引き続き、学力向上対策を強化していかなければならないと考えております。
 このため、県教委といたしましては、まず、各学校が市町教委と一体となって、それぞれの課題と改善策を明らかにし、学校全体で目標に向かって組織的・計画的に進める取り組みを支援いたしますとともに、引き続き、全国平均を下回るなどの課題のある学校につきましては、市町教委と連携して、重点的に指導をしてまいります。
 また、授業改善につきましては、基礎・基本の定着、活用する力の育成、学習意欲の向上など、それぞれの課題に応じて学習内容の一層の充実を図りますとともに、繰り返し学習、補充学習、習熟度に応じた少人数指導等の指導方法の工夫改善にも、これまで以上の取り組みを図ってまいります。
 さらに、三十五人学級化の一層の推進、学力向上等支援員、理科支援員等の効果的な配置などにより、きめ細かな指導体制の充実や、活用する力の育成を図るための「やまぐち学習支援プログラム」の拡充、また、効果的な実践事例の情報提供などを、積極的に進めてまいります。
 また、家庭との連携につきましては、各学校ごとに、課題などを家庭と共有いたしますとともに、指針を作成して、生活リズムや計画的な家庭学習の確立など、一体となって取り組みを進めてまいります。
 県教委といたしましては、今後とも、市町教委や学校・家庭・地域社会と一層連携を密にして、子供たちのさらなる学力向上に向け、全力で取り組んでまいります。
 以上でございます。
◎警察本部長(御手洗伸太郎君) 交通死亡事故抑止対策についてお答えを申し上げます。
 議員お示しのとおり、本県におきましては、現在、交通事故全体は減少傾向にありますものの、死者数のみが前年比増加するとともに、例年秋口以降、高齢者の重大事故が多発する傾向にございます。
 また、本年、これまでの事故を分析いたしますと、全死者数の約五四%を高齢者が占めていること、自転車利用者及び歩行者の死亡事故の大半を高齢者が占めていることなどの特徴が見られるところでございます。
 こうした情勢を踏まえ、今後、県警察といたしましては、高齢者対策を中心として、各種交通事故防止対策に鋭意取り組んでまいる方針であります。
 具体的には、例えば、高齢者の安全意識の高揚を図るため、一部地域において実施している、老人クラブを母体とする地域リーダー等による戸別訪問活動に加え、この十月からは、全県下において、高齢者交通安全サポーター四十名による啓発活動を実施することとしております。
 また、高齢者に正しい自転車のルールやマナーを身につけていただくために、毎月各地に、警察官を派遣して出前型の啓発活動を強化するとともに、夜間の物の見え方や反射材の効果を体験していただくため、各小学校区単位による参加・体験型のセーフティーナイトスクールを開催して、安全意識を高めていただくこととしております。
 このほか、本年六月、七十五歳以上の高齢ドライバーを対象とした講習予備検査が施行されましたが、改正法の円滑な運用にあわせ、安全運転に問題の認められるドライバーに対し、特別講習の充実にも配慮しつつ、高齢ドライバーの事故防止に当たってまいります。
 あわせて、このたび法改正で行政処分の基礎点数が厳しくなったものの、依然後を絶たない飲酒運転を撲滅するため、取り締まりの強化及び飲酒運転をさせない環境づくりに、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

Posted on 2009/09/28 Mon. 13:42 [edit]

category: 2009年議会報告

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平成 21年 2月定例会 

平成 21年 2月定例会 - 03月02日-02号
△日程第二議案第一号から第七十二号まで
◆(上岡康彦君) 公明党の上岡康彦でございます。公明党県議団を代表して、平成二十一年度予算案及び県政の諸課題について質問いたします。
 百年に一度と言われる世界的経済不況の影響は、本県においても予想をはるかに超えた厳しい財政運営を余儀なくさせられるなど、知事にとっても、二十一年度の予算編成に当たっては、随分と悩まれたことと思います。
 そうした中にあっても、景気・雇用、中小企業対策などの重点課題も見据えた上で、県民生活の安定的な継続と、県づくりの歩みをとめないための「緊急事態対応予算」、「加速化プラン元年予算」として編成されたところですが、その内容について、通告に従い、順次質問を進めてまいります。
 初めに、ドクターヘリ導入についてお尋ねいたします。
 公明党の強い取り組みによりまして、平成十九年六月十九日、「救急医療ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法」、いわゆる「ドクターヘリ法」が国会で可決成立いたしました。
 法案成立六日後の六月二十五日には、平成十九年六月県議会代表質問において、ドクターヘリの導入に向けて初めてとなる質疑を行いました。
 その後、一年九カ月、公明党山口県議団ではドクターヘリの導入に全力を注いでまいりましたが、その間、県ではドクターヘリ導入に向けた調査、検討を進められ、昨年の九月県議会では、二井知事がドクターヘリの導入を表明されたところであります。
 今般、示されました加速化プラン最終案におきましても、「ドクターヘリの導入」を掲げられ、その中では、「平成二十二年度中にドクターヘリを導入し、四つの救命救急センターの連携により、救急医療体制の充実強化を図ります」とされております。また、ドクターヘリによる離島や中山間地域の救急医療体制の確保など、本県の特性をも踏まえながら、整備を進めることとされております。
 我が党といたしましても、今後、この加速化プランに従い、ドクターヘリの導入がスムーズに進められることを念願しておりますし、改めて、ここまで積極的に取り組んでこられました二井知事に敬意を表しますとともに、今後、より一層取り組みを進められるよう、お願いを申し上げます。
 さて、平成二十二年度中に、ドクターヘリを導入するスケジュールが示されましたが、導入に向けての課題は残されております。
 そうした中、二月十三日には、本県でのドクターヘリ導入に向けての方向性と課題を検討するために設置された「山口県ドクターヘリ導入検討委員会」より、知事に検討報告書が提言されました。
 この報告書によりますと、本県でのドクターヘリ導入の方向性として、「より迅速な救命救急医療の確保」「離島・中山間地域における医療の確保」「四つの救命救急センターの連携による運用」「消防防災ヘリ等との連携の確保」の四点が挙げられております。
 また、基本的諸課題として、「基地病院の選定及びヘリポートの整備」「医療スタッフの養成・確保及び研修」などの五点が挙げられております。
 私自身も、この報告書を拝見させていただきましたが、本県の地理的特性や現状を踏まえたものであり、また、導入に向けて、引き続き諸課題が残されていることも認識いたしました。今後、これらの諸課題の解決に向けて、県、関係機関が連携のもと、検討を進められることとなりますが、私は、諸課題が解決され、スケジュールどおりにドクターヘリが導入されるものと確信しております。
 そこでお尋ねをいたします。県では、「ドクターヘリ導入検討委員会」の提言を受け、ドクターヘリ導入に向けて、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、福祉医療費助成制度についてお尋ねします。
 この制度に関しては、償還払い方式への移行と一部負担金の導入に対して、現行制度の維持を公明党の県議団も各市議団も求めてきたところでありますが、他県と比較して、中国地方においても、また全国的に見ても高水準の本県の福祉医療費助成制度を、持続可能な制度として次世代へ継承していくため、県は一部負担金を導入しようとされています。
 我々公明党山口県議団としては、一月二十六日に申し入れをいたしました要望書を受け入れていただき、窓口での負担を軽減するため、償還払い方式への移行を見送り、現物給付方式を維持されたことについては、評価を示すものであります。
 しかしながら、「元気県日本一」「住み良さ日本一の山口県づくり」を標榜する知事にとって、現在の厳しい財政状況をかんがみ、今後も本制度を維持するためとはいえ、一部負担金の導入は苦渋の選択であっただろうと推察いたします。我が党としては、一部負担金の導入については、関係諸団体や市町の意見を聞くなど、慎重に対応されるよう要望してきたところであります。
 一方で、現物給付方式に対する、国の市町村への国民健康保険国庫負担金の減額というペナルティーについても憤りを禁じ得ません。公明党山口県議団としては、このペナルティーの撤廃に向けて知事にも強く国に要望していただきたいと考えております。
 このペナルティーによる各市町への国庫負担金の減額は六億円となっています。山口県が各市町に半額の三億円を助成しているわけですが、ペナルティーがなければ、改めて言うまでもなく、各自治体の財政負担の軽減が図られるわけであります。
 そこでお尋ねいたしますが、この厳しい経済状況の中、県民の生活も厳しさを増しているこの時期に、なぜ一部負担金を導入されようとするのか、御所見をお伺いします。
 次に、国のペナルティーによる国民健康保険国庫負担金の減額措置について、どのように対応されるのか、お尋ねいたします。
 次に、耐震化についてお尋ねいたします。
 国の平成二十年度第二次補正予算で創設された「地域活性化・生活対策臨時交付金」を活用して、学校の耐震化を初めとする暮らしの安心・安全基盤の強化につながる諸施策の推進を図るための予算が組まれております。
 これは、地方公共団体が地域活性化等に資する事業、つまり国の地方再生戦略または生活対策に対応した事業の実施に要する費用の全部または一部を負担する事業であり、総額六千億円のうち都道府県分として二千五百億円が配分されており、本県の配分額は三十七億七千八百万円が交付されることになっております。
 このうち、平成二十年度の交付金活用事業としては、耐震化関連事業を初め、企業立地促進事業、中山間地域情報通信ネットワーク形成支援事業など二十六億四千五百万円が計上され、残り三割に相当する十一億三千三百万円は、国の要綱に基づき基金に積み立て、平成二十一年度に執行することになっておりますが、同じく交付金活用事業としては、主に公共施設の耐震化に活用されることになっております。
 特に、県立高校の耐震化については、「山口県公共施設耐震化基本計画」に基づき、震災地域、災害時の避難場所等を考慮して耐震化を計画的に推進することになっております。
 児童生徒の安全を守るのみならず、災害時には地域の避難場所ともなる学校については、耐震化を早急に進め、安全性の確保を行うことは喫緊の課題であります。その意味において、こうした地域活性化・生活対策臨時交付金を活用して、耐震化の前倒し、安全確保の前倒しは大変重要であると考えております。
 防災・減災対策においては、議会のたびに申し上げておりますが、事後の百策より事前の一策が非常に大事なのであり、まさかのときにこそ事前の対策が生きるのであります。また、今回の事前対策の本来の趣旨は、県内の活性化対策や生活対策に生かすべきものであって、一挙両得であります。
 ところが、学校の耐震化について調べてみると、公立の小中学校・高校に比べて私立学校施設の耐震化への取り組みがおくれております。災害に強い基盤づくりのためには、本県私立学校の耐震化を加速させねばなりません。
 そこでお尋ねいたします。今後私立学校の耐震化の推進をどのように進めていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、観光振興についてお尋ねします。
 先月二月十六日、河村官房長官から米軍岩国基地について、日米合意に基づき二○一二年度をめどに民間空港として再開するとの発表がありました。
 早速、我々公明党山口県議団と岩国市議団とで、十八日、民空ターミナルの建設予定現場と滑走路の沖合移設状況を視察に行ってまいりました。工事中の滑走路の上から広大な敷地を見回しながら、これで、山口宇部空港とあわせ、東西両方向からの空の玄関口ができるわけでありますから、ビジネス客も観光客も、その利便性は格段に向上するはずですし、東アジア地域との交流も考えあわせれば、山口県の観光活性化を図る千載一遇のチャンスだろうと思いをめぐらせてきました。
 あるコマーシャルに、西の関門橋から東の錦帯橋まで云々というのがありますが、日本海側にも風光明媚な観光地を持つ山口県の観光ポテンシャルは非常に高いと実感しております。
 観光産業は、二十一世紀の花形産業とも言われております。西の小京都とも言われる山口らしいホスピタリティーをしっかりとPRしていけば、きっと県内でも大きな産業に育つのではないかと考えております。
 そこでお尋ねいたしますが、「年間観光客三千万人構想」を実現するためには、昨年実施したデスティネーションキャンペーンの成功経験を生かしつつ、滞在型旅行推進事業への取り組み、また、「ふるさと雇用再生基金」を活用した新規事業である、県内周遊観光促進事業やフイルムコミッション情報発信充実事業などの取り組みを継続的に進めるとともに、今後は、二○一二年度に再開される岩国基地民間空港を観光活性化につなげていくことが重要と思われますが、県として観光振興の観点から、民空再開の効果をどのように考えておられるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、地球温暖化対策についてお尋ねいたします。
 今日、地球温暖化は、私たち人類にとって深刻な問題となっており、このまま大気や海水の温度が上昇すれば、単に気候変化にとどまらず、あらゆる生物にも重大な影響を及ぼすことが懸念されております。
 特にことしは、年末にデンマークで開催されるCOP十五(国連気候変動枠組条約第十五回締約国会議)において、二○一三年以降の地球温暖化対策の枠組みである「ポスト京都議定書」が決まる節目の年であります。
 こうした状況の中、我が国の温室効果ガス排出量は、最新の二○○七年度速報値では、約十三億七千万トンと前年度から三千万トン増加し、京都議定書による基準年に比べ、八・七%増の状況となっております。
 この増加理由としては、渇水による水力発電量の低下や原子力発電所の利用率の低下等が原因と言われておりますが、エネルギー起源のCO2排出量を部門別に見てみますと、前年度比では、民生の家庭部門における増加率が八・四%と最も高くなっていることは、今後の課題の一つでもあります。
 このため、我が公明党では、昨年六月に行った「洞爺湖サミットに向けた地球温暖化対策に関する提言」に続き、本年一月には、現下の世界経済、政治状況を踏まえた「緑の社会への構造改革」を目指した「グリーン産業革命への提言」を麻生首相に提出し、その中で地球温暖化対策の取り組み強化を求めております。
 具体的には、ことしを「化石燃料社会」から「太陽光社会」に構造変換するスタートの年と位置づけ、太陽光発電の導入促進や、電気自動車、プラグインハイブリッド車など、次世代型自動車の普及促進に加え、環境に優しい取り組みを行う企業への出資・融資や、省エネ家電等の買いかえ促進などを提唱しております。
 こうした経済政策と地球温暖化対策の融合を目指すこの視点は非常に重要だと考えます。
 去る二月二十四日には、経済産業省は、太陽光発電の利用を促進するため、一般家庭などで出る太陽光による余剰電力を十年間、電力会社に通常の二倍の価格で買い取らせる新制度を導入することを表明しました。
 これを受け我が党の斎藤鉄夫環境大臣も、これまで環境省としても検討を進めてきた制度として、今後は買い取り制度の具体化などを含め、エネルギー政策、環境政策の連携・協力を進め、太陽光発電の世界一奪還とCO2の大幅削減に努めていくと談話を発表したところであります。
 一方、本県では、本年度から、緑のカーテンやライトダウンキャンペーンなど、民生部門を中心としたさまざまなCO2削減に向けた県民運動を県内各地で展開されており、私の周りでも取り組みに参加された方が多く、また、来年度は、ぜひ取り組みに参加したいという積極的な声も聞いておりますから、地球温暖化問題に対する県民意識が急速に高まり、行動も着実に促進されてきていると感じております。
 私は、こうした地球温暖化対策を推進していくためには、国と地方がそれぞれの役割分担のもとに、地域の実情に即した取り組みを着実に実行していくことが大変重要であり、特に、増加傾向が著しい民生家庭部門における対策は、地域が一体となった取り組みにより、生活のあらゆる場面でCO2削減を促進していくべきと考えております。
 昨年の六月議会でも、同僚の石丸議員が県民運動としての取り組み強化や、十二月議会において、太陽光発電設備設置への支援について提案をいたしたところであり、今後さらにその取り組みの拡大が大変重要であると考えております。
 そこでお尋ねいたします。民生家庭部門におけるCO2排出量の増加が懸念される中、削減へ向けた対策が急務であると考えますが、県では、これまでの取り組みを踏まえ、今後どのように取り組みを進められるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、ふるさと農林水産業の振興についてお尋ねします。
 農林水産省は、昨年十二月二日、農業などに関する施策の基本事項を定める現行の「食料・農業・農村基本計画」が平成十七年の策定から約四年を経過すること、また、策定以降の食料・農業・農村をめぐる情勢が大きく変化していることから、このたび、新たな基本計画の検討を開始することを発表しました。
 今回の見直しに当たって、農水省は、たたき台として、およそ十年後の食料自給率目標をカロリーベースで五○%とした場合に、食料自給力強化のための取り組みのイメージを工程表として初めて提示したわけでありますが、現在四○%程度にとどまる食料自給率を五○%に引き上げることについては、公明党がかねてから「食料自給率五○(ゴーマル)プラン」として強く主張していたものであります。その具体的な取り組みの第一歩とも言える工程表を示しての見直し作業の着手を大いに歓迎するものであります。
 たたき台の中で農水省は、昨年来、原油高騰や気候変動などを要因として世界的に食料価格が急騰したことによる食料の安定供給問題を初め、食品の偽装表示や輸入食品の有害物質による汚染などに対する国民の不安が拡大していると指摘。また、耕作放棄地の増加や農業者の高齢化の進行、資材や輸入飼料などの価格高騰で、国内農業が脆弱化していると危機感を募らせております。
 一方で、危機を好機にとらえる新たな芽生えとして、御飯食のよさが見直され、米の消費量の増加、海外で国産農水産物・食品が、外観や品質で高い評価を受け、これらの産品の輸出額が増加していること、また、食品産業や農業者が加工・業務用需要に対し、原材料調達を輸入から国産に切りかえる動きに加え、建設業なども農業生産や環境保全活動に参画する農商工連携の取り組みが本格化してきているとの指摘であります。
 さて、知事は、議案説明の中で、ふるさと農林水産業の育成として、生産額ベースの県内食料自給率七○%以上の達成を目指し、農林水産業者、消費者、異業種関係者等による県民協働活動を展開するとともに、学校給食における県産主穀、野菜等の利用拡大を図るため、新たに生産者団体、学校栄養士会等と協働した取り組みを進めること。また、地産地消の推進として、昨年十二月に制定された「山口県ふるさと産業振興条例」の趣旨を踏まえ、地産地消を通じたふるさと産業の振興を図るため、庁内に、「ふるさと産業推進協議会」を設置し、県産品等の消費・利用拡大に向けて、総合的な取り組みを進めること。さらに、県産農水産物のブランド強化による高付加価値化や用途拡大に取り組むとともに、引き続き、地産地消に対する県民理解の促進を図り、県産農水産物の需要拡大及び県内食料自給率の向上へつなげていくと説明されました。
 現在の世界的な食糧危機の状況、県民の食料自給率向上への期待感の高まりを考えたとき、生産額ベースの県内自給率七○%以上の達成という目標は、実に的を射たものであり、ぜひ実現していただきたいと願っております。
 そのためには、さまざまな対策が必要だと思いますが、私はまず、生産体制の立て直しが急務だと考えております。中山間地域が多く、担い手の減少、高齢化の進む本県農業の現状を考えたとき、現在県が進められている集落営農法人の育成、さらには、法人の経営を安定、発展させるためには、企業感覚を持った経営力をつけさせることが必要なのではないでしょうか。知事の御所見をお伺いいたします。
 最後に、高校生の就職支援対策についてお尋ねいたします。
 昨日は、地元の高等学校の卒業式に、議長代理として出席させていただきました。毎回卒業式に出席するたびに思うことは、大学等に進学する生徒、地元企業へ就職する生徒など、それぞれの卒業生が、それぞれの新たな旅立ちに当たり、これからの将来に夢と希望を抱いて、きらきらと目を輝かせている姿を見て、卒業するすべての皆さんに、改めて心からのエールを送りたいと思うものであります。
 近年、高校への進学率は九○数%とほとんどの子供たちが高校に進学しております。こうした状況を評して、高校は今や義務教育となっているという人もいるほどであります。その意味で、子供たちにとって、高校生活の三年間は、高校卒業後にみずからの夢の実現のために、大学等へ進学するのか、または希望する分野への就職を勝ち取るのか、その人の人生においても、極めて重要な時期であると思います。
 ところが、昨年からの厳しい景気情勢の中、高校新卒者の就職状況は非常に厳しい課題となっております。
 二月に山口労働局が発表した、この春に卒業する高校生の就職内定状況では、内定率は一月末現在で九一・○%と、昨年同期比で二・七%下回っており、特に女子生徒については八三・五%と、昨年同期比で六・一%落ち込んでおり、相当に厳しい現実を突きつけられております。
 こうした就職内定の厳しい中、本県においても、恐れていた高校生の就職内定の取り消しが生ずることとなりました。こうした事態を受けて、県では、一月中旬に、県内の経済団体を訪問し、各団体の傘下企業合計約二千五百社に対して、新規学卒者等への求人確保と新規学卒者の採用内定取り消し防止について要請を行われたところであります。
 また、次年度予算においては、雇用のミスマッチの増加等にきめ細かく対応するため、新たに県内就職緊急支援員を配置するなどの県内就職緊急対策事業に取り組むとのことでありますが、今後とも関係機関とより一体となった就職支援対策に取り組んでいただきたいと切に願っております。
 しかしながら、景気・雇用情勢が今後一層厳しくなると予想される中にあって、いわゆるバブル崩壊後のときのような、最悪な就職氷河期に突入するのではないかという懸念もあります。また、経済評論家には、景気回復は早くとも数年間は必要だとか、この厳しい経済情勢は長期化するだろうといった意見もあります。
 こうした中、既に来年二○一○年三月の新規採用枠を大きく減少させる旨を発表する大手企業も出てきているなど、新規採用をめぐる厳しい雇用情勢は、今春だけの問題ではなく、来年以降を含めた中期的な視点をもって対策を講じていく必要があると痛感しております。
 そこでお尋ねいたしますが、景気雇用情勢が今後一層厳しさを増し、また長期化も予想される中で、高校生の就職支援対策の充実・強化はますます高まっていると考えますが、今後、高校生の就職支援にどう取り組むのか、教育長の御所見をお伺いいたしまして、私の代表質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
◎知事(二井関成君) 上岡議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、ドクターヘリの導入についてであります。
 私は、県民の皆様が、住みよさや暮らしの安心・安全を実感していただくためには、安心できる医療体制の充実、とりわけ救急医療体制の整備が最も重要な課題であると考え、「住み良さ日本一元気県づくり加速化プラン」にドクターヘリの導入を重点事業として位置づけたところであります。
 また、現在、改定を進めております「第五次山口県保健医療計画」におきましても、ドクターヘリの活用を新たな取り組みとして掲げ、今後、救急医療体制の強化を積極的に進めていくことといたしております。
 さらに、お示しのとおり、先般、「ドクターヘリ導入検討委員会」から、本県におけるドクターヘリ導入の方向性や基本的な課題などについて、さまざまな観点から御提言をいただいたところであります。これを参考に、運航開始のめどを平成二十三年一月とすることや、ドクターヘリが常駐する基地病院の候補を山口大学医学部附属病院とすることなどの内容を盛り込んだ「ドクターヘリ導入基本方針」を今年度中に定めることといたしております。
 県といたしましては、国の制度を積極的に活用し、リースによるヘリの確保など財政負担の軽減を図りながら、ドクターヘリの導入を着実に推進することといたしており、まず、明年度予算におきましては、中山間地域や離島を中心に、救急車とドクターヘリが合流する臨時へリポートの確保を図りますとともに、救命救急センターへのヘリポート整備を支援し、運航に必要な基盤整備を進めていくことにいたしております。
 あわせて、フライトドクターやフライトナースなど、ヘリに搭乗して医療を行う人材の育成を図りますとともに、運航体制全般を検討する専門委員会を設置し、ドクターヘリの出動基準や搬送の手順等を定めた運航要領の策定、消防防災ヘリ等との連携のあり方など、運航開始に向けた課題にも計画的に取り組んでまいります。
 私は、ドクターヘリを早期に導入することにより、医師の地域偏在など本県の抱える課題に対応するとともに、現場から早期に必要な医療の提供を行うことによる救命率の向上や後遺症の軽減など、救急医療の一層の強化を図り、県民の皆様が安心していただける医療体制の充実に努めてまいります。
 次に、福祉医療費助成制度についてのお尋ねであります。
 この制度につきましては、国の医療保険制度を補完するものとして、昭和四十八年に創設して以来、社会情勢の変化や県民のニーズ等を踏まえて、遂次、その内容の充実を図ってまいりました。
 お示しの一部負担金につきましては、既に多くの都道府県で、また、中国地方では本県を除く四県が導入をしております。
 そのような中で、本県では、厳しい財政状況にもかかわらず、子育て支援や低所得者対策の観点から、生活保護世帯と同様に、公費負担による無料化を続け、何とか踏みとどまってまいりました。
 しかしながら、高齢化の進行や母子家庭の増に伴う対象者の増加等により、今後、福祉医療制度の財政負担の増大が見込まれる一方、現下の景気後退に伴う県税収入等の減少傾向など、大幅な財源不足の中にあって、他の施策への影響も懸念されますことから、この制度を現行のまま維持することは非常に困難な状況になっております。
 このため、県民生活が厳しさを増している中ではありますが、私は、この制度を安定的かつ持続可能なものとして次世代に引き継いでいくことが私の責務であると考え、改めて、医療福祉制度における給付と負担のあり方等についても検討を行いました。
 医療費が無料の生活保護世帯あるいは原則三割負担の世帯とのバランス、各都道府県の状況等についても勘案をし、苦渋の決断として、一部負担金の導入に踏み切ることといたしたものであります。
 なお、多くの福祉医療関係団体や市町等から、御意見や御要望をいただき、熟慮を重ねた結果、特に、三歳未満児については、引き続き無料にするなどできるだけの配慮をし、中国地方の中でも最も低い負担としたところでありますので、ぜひとも御理解をいただきますようにお願いをいたします。
 次に、国の国庫負担金の減額措置についてであります。
 福祉医療費助成制度を現物給付方式により実施した場合、医療費の増嵩を招くとして、国から国民健康保険の国庫負担金の減額措置、約六億円が課されているところであります。
 私としては、この減額措置は廃止すべきであると考えており、国に対して、今後とも強く要望してまいります。
 次に、私立学校の耐震化についてのお尋ねにお答えいたします。
 お示しがありましたように、本県の私立中学、高等学校の耐震化の取り組みは、公立に比べておくれており、昨年四月一日現在で、耐震化率は四一・九%となっております。
 このことは、本県には、耐震基準が改正された昭和五十六年以前の古い建物が多い上、耐震診断実施率も一二・四%と低いことが主な原因と考えられます。
 このため、県におきましては、本年度から、私立学校が行う施設の耐震診断について、経費の三分の二を助成することを行っており、私立学校で四校十一棟の診断が実施されているところであります。
 しかしながら、少子化等の影響で経営環境が厳しい中、私立学校の取り組みを促進をするためには、多額の経費を要する耐震改築や耐震補強工事に対する支援の充実が必要であります。
 こうしたことから、明年度におきましては、県独自の補助制度を設けている耐震改築について、お示しがありました「地域活性化・生活対策臨時交付金」を活用することにより、補助率を三分の一とすることとしております。
 また、耐震補強につきましても、倒壊の危険性の高い施設の指標であるIS値、○・三未満の建物について、本県が要望してきた国の補助率の引き上げが行われましたことから、県のかさ上げ補助を加え、設置者の負担を二分の一から三分の一に軽減することにしております。
 さらに、耐震診断につきましても、予算額を大幅に増額することにいたしており、これにより私立高校では、十校、二十八棟が実施予定であり、診断実施率は一二・四%から五二・六%にまで高まる見込みであります。
 平成二十一年度におきましては、こうした支援制度を活用し、耐震化工事が始まる予定であり、県といたしましては、制度の周知と活用の働きかけにより、私立学校の取り組みを加速化していきたいと考えております。
 私は、学校施設の安全性の確保は喫緊の課題でありますことから、今般策定しました加速化プランにおいて、学校等の耐震化の推進を重点事業と位置づけております。私立学校につきましても、各学校の取り組みを加速化させ、平成二十四年度までに耐震化率を八○%に高められるよう、引き続き国に耐震改築への補助制度創設等の要望も行いながら、所要の支援に努めてまいります。
 次に、観光振興についてであります。
 観光の振興は、交流人口の拡大を通じて本県経済の活性化に資するものであり、「住み良さ日本一の元気県づくり」を進める上で、極めて重要であると考えております。
 このため、加速化プランにおいて、「年間観光客三千万人構想」の実現を重点事業として掲げ、昨年夏のデスティネーションキャンペーンで得られたさまざまな成果や、観光戦略会議において示された市町の広域連携の強化、滞在時間の延長、県民参加の促進等の意見も踏まえて、観光振興の戦略と具体的な施策を盛り込んだアクションプランを策定し、これにより、全国に誇れる魅力ある観光地づくりや戦略的な観光PRを進めることにいたしております。
 具体的には、市町の連携による、それぞれの地域の素材を生かした滞在型観光エリアの形成や、本県観光情報の発信にも資する、県民による県内周遊観光の促進等について、新たな事業として重点的に取り組んでいくことにいたしております。
 このような中、先般、岩国基地民間空港再開に関する政府方針が発表され、民空再開は大きく前進したところであり、県といたしましては、平成二十四年度の再開が確実に実現するように取り組んでいくことにいたしております。
 岩国基地民間空港が再開をされれば、岩国市の調査において、関東圏からの観光客の九割が航空機を利用すると答えておりますように、観光の利便性は一段と向上し、首都圏からの観光客増加につながることはもとより、岩国を拠点とした新たな滞在型観光エリアの形成や、山口宇部空港や萩・石見空港との連携による県内周遊観光の促進などが期待をされ、本県の観光振興に大きな効果をもたらすものと考えております。
 したがいまして、県といたしましては、今後、県東部地域の市町や関係団体と連携した観光素材の育成・充実や、新たな広域観光ルートの開発、首都圏に向けた情報発信の検討を進め、岩国基地民間空港が県東部地域の空の玄関として、本県の観光振興に寄与するよう準備を進める必要があると考えております。
 今日、世界的な景気後退により、観光を取り巻く環境は厳しい状況にありますが、岩国基地民間空港再開なども含めて、今後の社会経済情勢の変化に柔軟に対応しながら、本県観光の一層の活性化に取り組んでまいります。
 次に、地球温暖化対策についてお答えをいたします。
 地球温暖化問題は、人類の生存基盤にかかわる世界共通の重要な課題であります。本県におきましては、これまで「山口県地球温暖化対策地域推進計画」等に基づき、省エネ・省資源対策などの各般にわたる取り組みを進めてまいりました。
 こうしたことから、本県のCO2排出量は、二○○五年度から減少へと転じておりますが、お示しの民生家庭部門の排出量は、依然として高い水準にありますことから、私たちの日常生活の中で、地域が一体となって実践活動を進めることが大変重要であります。
 このため、今年度から実践活動を重点に、「環境やまぐち推進会議」や市町の地球温暖化対策地域協議会を中心に、県民総参加による四季を通じた県民運動を展開をしてまいりましたが、多くの県民の皆様等の率先した取り組みによりまして、CO2削減に向けた機運が醸成をされるなど、大きな効果が得られたものと考えております。
 今後、この取り組みをさらに充実・強化するため、加速化プランに地球温暖化対策の推進を重点事業として位置づけ、明年度におきましては、県民の皆様に好評であった緑のカーテンやライトダウン等の取り組みに加えまして、新たにCO2削減効果の高い太陽光発電の普及や、省エネ家電の取りかえ促進キャンペーンを実施し、県民運動の拡充、定着を図ることといたしております。
 また、こうした取り組みに加え、住宅用太陽光発電の設置促進につきましては、本年一月に開始された国の補助制度にあわせて、県の融資制度の貸付利率を一・九%から一%に大幅に引き下げる利子補給を行うなど、その支援制度の充実・強化を図ることといたしております。
 また、この利用促進に当たりましては、国の補助制度の総合窓口である地球温暖化防止活動推進センターと連携・協力し、県と国の支援制度の利用をセットでPRするなど、積極的に取り組んでまいる考えであります。
 さらには、廃棄物の減量化・リサイクルの促進は、家庭において簡単に取り組むことができ、CO2削減にも大きく寄与いたしますことから、消費者団体、小売事業者、行政等の連携協力のもと、本年四月から全国で初めて全市町が参加するレジ袋の無料配布の中止を実施いたしますとともに、消費者にマイバッグの持参等の呼びかけを行うなど、容器包装廃棄物の減量化等3R運動の強化を図っていくことにいたしております。
 私は、今後とも豊かな環境を次世代に引き継ぐために、県民企業、行政等が一体となって、また、国の施策との整合性もはかりながら、低炭素型県づくりに努めてまいります。
 次に、農林水産業の振興についてのお尋ねにお答えいたします。
 中山間地域を多く抱え、小規模農家が多数を占める本県の実情を踏まえ、私は、集落営農の法人化は、経営の効率化・多角化などによる農業の経営発展はもとより、新たに就業を志す若者等の雇用創出にもつながるなど、本県農業の構造改革を進める上で極めて重要であると考え、その促進に取り組んでまいりました。
 その結果、これまで、全国的にも上位となる六十三の特定農業法人が設立をされ、経営診断の結果等からも、持続可能な経営が着実に展開をされていると認識をいたしております。
 その一方、昭和一けた世代の引退時期を迎え、農業者の急激な減少が見込まれます中で、本県農業の持続的発展と生産力の向上を図るためには、集落営農の法人化を一層進めることが重要であります。そのため、私は、農業の担い手確保・育成対策の充実を加速化プランの重点事業に位置づけ、平成二十四年度までに二百の特定農業法人の設立を目指すことにいたしております。
 このため、今後におきましては、まず、法人化への支援として、集落の関係者等に対して、先般啓発資料として新たに策定した「集落営農法人のすすめ」等を活用し、県下各地の先進事例や法人化のメリット等の情報を一元的に提供いたしますとともに、既に設立をされた法人リーダーの協力による実践経験に基づく啓発活動をきめ細かく実施するなど、法人化の取り組みを一層促進してまいります。
 また、特定農業法人の経営改革を図るため、経営の多角化などの取り組みを引き続き重点的に実施、支援いたしますとともに、この三月に設立をされる「集落営農法人等連絡協議会」において、法人同士の相互研さんや農業機械の共同利用、異業種間交流等を促進をし、企業的経営感覚の養成や生産コストの低減、販売ルートの開拓等を進めることにいたしております。
 特に、明年度におきましては、こうした法人経営の多角化に必要な人材を確保するため、「ふるさと雇用再生特別交付金」等を活用して、新たな雇用に要する人件費支援や実践的研修、住宅対策などを積極的に進めてまいります。
 私は、今後とも市町・農業団体と緊密に連携をしながら、集落営農法人の育成を積極的に推進し、こうした担い手を中心とした生産・販売体制の強化等を通じて、県内食料自給率の向上に向けて、全力で取り組んでまいります。
 以上でございます。
◎教育長(藤井俊彦君) 高校生の就職支援対策についてのお尋ねにお答えいたします。
 お示しのありましたように、高校生を取り巻く雇用情勢が厳しい状況にありますことから、これまで、「高等学校等進路指導連絡協議会」の前倒し実施や、未内定者が多い地域での重点的な企業訪問による求人開拓など、その状況に応じた対策を講じてきたところであります。
 しかしながら、雇用情勢の一層の悪化により、未内定者が昨年度を上回っていることから、現在、各学校で、校長、進路指導担当教員、就職指導専門員等を中心に総力を挙げて求人開拓に取り組んでおります。
 また、一方では、三月末までに就職決定が難しく、引き続き就職活動を行うことも予想されますことから、求人の開拓や求人情報の提供を行いながら、職業訓練や資格の取得への対応など、生徒の意向を踏まえた就職、進路指導も行っているところであります。
 県教委といたしましては、就職未内定者に対しまして、引き続き、山口労働局や若者就職支援センター等と連携を図りながら、きめ細かく就職支援を行ってまいります。
 また、お示しのありましたように、今後、雇用情勢が一層厳しさを増すことなどが予想されますことから、今後の求人状況等を的確に把握しながら、生徒の適性を踏まえた早目の職種の選択を図り、それに応じた求人開拓を行うことが重要と考えております。
 このため、まず、生徒・保護者の方々に対しましては、現在の雇用情勢や最近の求人・就職状況、地元企業・職種等に対する理解を図りますために、年度当初から各学校で就職ガイダンスを開催することとしております。
 また、お示しのありました県内就職緊急支援員を新たに八名配置し、生徒の早目の職種選択を支援いたしますとともに、二十七名の就職指導専門員と連携しながら、学校と一体となった求人開拓に強力に取り組むこととしております。
 さらに、山口労働局や関係部局等と連携しまして、新たに県下七地域におきまして、地元企業就職面接会等を開催して、生徒が企業の採用担当者と直接面接し、求人情報を入手するなど、その就職活動につながるようにきめ細かく取り組んでまいります。
 県教委といたしましては、景気雇用情勢が先行き不透明でありますが、中期的な視点にも立って、雇用情勢を的確に把握しながら、弾力的かつ機動的に対応し、各学校や関係機関との連携のもとで、生徒の就職支援に全力で取り組んでまいります。
 以上でございます。

Posted on 2009/03/02 Mon. 13:39 [edit]

category: 2009年議会報告

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