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うえおか康彦活動日誌

山口県議会議員上岡康彦の活動日誌

平成 17年 9月定例会 

平成 17年 9月定例会 - 09月27日-03号
△日程第三議案第一号から第二十五号まで
◆(上岡康彦君) おはようございます。公明党の上岡康彦でございます。
 初めに、去る六日、猛烈な勢力をもって県東部に甚大な被害をもたらした台風十四号により亡くなられた三名のほか、被害に遭われた皆様方には、心からお見舞いを申し上げます。
 それでは、通告に従いまして質問を進めてまいります。
 まず初めに、水素特区(環境対応型コンビナート特区)についてお尋ねいたします。
 九月十四日の新聞で「水素特区 認定は困難」との見出しを見て、ショックを受けたのは私一人ではないと思います。
 県と周南市が提案した水素の特定供給に関する特区構想である「環境対応型コンビナート特区」、いわゆる水素特区について、経済産業省が「特区での対応はできない」との回答をしたというものであります。
 いよいよ第二段階に入ろうかというときに、出ばなをくじかれた形になってしまいました。
 現在進行中の試験的な域を出ない形態であれば、ガス事業法の対象外として認めるから、事業の実施は構わない。わざわざ特区認定は必要ないでしょうというものでありますが、今後、水素供給のためのインフラ整備を考えた場合に、国のガス管に関する技術指針や法の整備が整わないのに、特区認定は無理というのが本音ではないかと思うのであります。
 その意味では、本県の取り組みは、国のスピードを超えているとも言え、地方分権時代にあって、県民として誇らしく思う一方で、国の制度の先を走る危うさや財政状況などから、今後の構想推進に大きな不安を感じているとの声も聞くところであります。
 エネルギー・アナリスト柴田栄彦氏によると、燃料電池における技術開発の現状は、「関係業界や識者の間では、とかくインフラ整備が議論の的になるものの、本当の課題は、インフラ整備の以前に、改質型における触媒の解決や水素の貯蔵・運搬技術の開発にある」と述べておられ、副産物として純水素が手に入ること自体、既に、本県の「水素フロンティア山口推進構想」は、どこよりも優位な立場であることに間違いはないのであります。
 さらに、先日(二十五日)閉幕をした愛地球博では、環境への取り組みを前面に出し、博覧会会場では、地球温暖化対策のさまざまな取り組みが試行され、その一つとして、クリーンなエネルギーとして大きな期待が寄せられる燃料電池について、会場間移動のための燃料電池バスの運行やミニ発電所、また、災害時でもエネルギー供給が可能となる地域分散型・独立型の電源として確立できないかという「マイクロ・グリッド」、あるいは「マイクロ・ガスグリッド」と呼ばれる模索もなされていると聞いております。まさに、環境の世紀の切り札として、燃料電池にはさまざまな期待が寄せられているのであります。
 本年は、家庭用燃料電池元年と言われますが、元年であります。まだ始まったばかりであります。実用化されるまでには、クリアしなければならないさまざまなハードルが幾つも残されており、本県にとって、水素特区としての認定がおりないのは、まことに残念ではあります。
 しかしながら、県内に優良企業があり、優秀な大学があり、高専もある。今こそ、産・学と連携して、山口県から水素社会の道を切り開くべく、地域力を発揮し、構想をさらに推進していくべきときではないでしょうか。
 そこで、お尋ねいたしますが、「水素フロンティア山口推進構想」を絵にかいたもちで終わらせることがないよう、また、より一層の技術開発に取り組んでいただくためにも、産学官連携の政策的な手だてを継続する必要があると考えますが、県の見解をお尋ねいたします。
 また、「特区にならない場合でも、現行法でできるよう、今後、モデル事業を固めていく」とのことですが、どのように取り組まれようとしているのか、あわせてお尋ねいたします。
 次に、台風十四号に伴う菅野ダムの洪水調節についてお尋ねいたします。
 先ほども台風十四号関連の質問がありましたが、六日、県内を襲った台風十四号がもたらした被害については、既に報告されているとおり、想像を超えた甚大なものとなりました。
 特に、岩国市や美川町における浸水被害については、御案内のとおり、菅野ダムの洪水調節のあり方が地域住民の方々から問題視されているところであります。
 私も、所管の河川開発課にもヒアリングをし、台風十四号に伴う五日から七日までの菅野ダム洪水調節状況を示す資料やダム操作規則を調査いたしました。
 あわせて、去る二十三日、公明党県代表の桝屋敬悟衆議院議員とともに、岩国市及び美川町の被災現場や山陽自動車道の崩落現場にも独自調査に行ってまいりました。
 昨年も、台風十六号、十八号の直撃により県下全域に被害が及び、その傷跡もいえないうちに、今回の十四号での被災となりました。自然の猛威にさらされたとき、いつも思うことは、災害に強いまちづくりがいかに大事かということであります。
 私は、昨年、新潟中越地震の直後に現場視察へ行った折、同年、豪雨災害に見舞われた見附市、三条市にも足を運びましたが、今回、まるで同じ光景を目の当たりにして、災害に強いまちづくりは、待ったなしの喫緊の重要課題であると痛感いたしました。
 二井知事が目指す「住み良さ日本一」の県づくり政策については、重点施策でもある「安心・安全のための基盤強化」という防犯・防災の観点から、一刻も早く住みよい県土を構築されるよう要望すると同時に、あわせて、被災された当事者の現実の生活を一刻も早く取り戻すために、住民の悲痛な叫び声を救済措置としていかに形にかなえられるかということが、今、最優先の課題であると考えます。災害に遭遇し困っている県民を救済するために、民意を行政に反映させることは、政治の当然の責任でもあります。
 そこで、現地調査に行った際、岩国市長、美川町長とも懇談をいたしましたし、実際に被害に遭われた方々の家に行って、率直な御意見もたくさん伺ってまいりましたので、ここで、現場の生の声を少々御紹介しておきたいと思います。
 一番多かった意見としては、雨量の予測の甘さと質問の本題にもなっております菅野ダムの洪水調節についてでありました。美川町長いわく、既に何年も前から、県に対して何度も事前放流のあり方についての要望を提出していたにもかかわらず、県からは「事前放流の必要なし」との回答が文書で送られてきたとのことであります。混乱のさなかでは、その文書を見ることはかないませんでしたが、どのような判断があったのかはわかりませんが、まだまだ議論の余地が残されていると考えます。
 そのほか、生見川との放流調整のタイミングや川底のしゅんせつなど、さまざまな意見や要望がありました。また、全壊・半壊家屋に対する手厚い救済を求める強い声がほとんどでありました。
 繰り返すようですが、台風が過ぎ去った今、大事なことは、不安や不信を解消し、被災者の側に立って、もとの生活が一日でも早く取り戻せるように、誠意をもって生活再建のための支援をしていくことではないでしょうか。
 とにもかくにも、復興へ向けた最大限の支援をお願いしたいと、しかと要望するものであります。
 さて、質問の本題に戻って、今回の台風十四号に伴う菅野ダムの洪水調節についてでありますが、ダムへの流入量と放流量の関係だけを見れば、「放流量を本来の洪水調節での放流量より大幅に少なくし、可能な限りの下流の河川流量の軽減に努めた」という、菅野ダム操作規則にのっとったマニュアルどおりの対応ではなく、まさに弾力的な洪水調節を実施したものと考えられます。
 しかし、「はんらんは、錦川支流の宇佐川や本郷川の増水が大きく、放流は影響がない」、あるいは「菅野ダムの流域面積は、川全体の流域面積の約四分の一にすぎず、影響は小さい」との説明でしたが、流路延長百二十四キロメートル、流域面積九百キロ平方メートルという県内最大の錦川には、既に膨大な量の水が流れ込んでおり、明らかに下流地域が浸水している可能性があるというときに、流量を絞ったとはいえ、あふれる川にさらに水を流してしまったのは、本当にやむを得なかったのでしょうか。
 そこで、お尋ねいたしますが、既に県に対して、さまざまな要望が寄せられているはずですが、特に、錦川下流域への影響を考えた利水と治水のバランスのとれた事前放流について、どのように検討を進められるのか、お伺いいたします。
 次に、文字・活字文化の振興について質問いたします。
 さきの通常国会で、国民の活字離れや若者の読解力の低下が著しいことを受けて、議員立法による「文字・活字文化振興法」が成立いたしました。
 この法律では、一、国・地方公共団体の責務、二、地域における文字・活字文化の振興、三、関係機関等との連携強化、四、学校教育における言語力の涵養、五、文字・活字文化の国際交流などについて明記されています。
 さて、日本の公立図書館は、約二千八百館で、我が国より人口の少ないイギリスの約二万二千館には遠く及びません。また、人口当たりの公立図書館数は、G7各国の平均に比べて六分の一程度で、五割近くの市町村には公立図書館がないなど、日本の公立図書館の状況は、欧米諸国と比べまだまだ見劣りしており、文字文化を支える基盤が大変脆弱であると言わざるを得ません。
 こうしたことから、この法律では、地域や学校の図書館の整備充実を進めることが大きな特徴となっております。地域の施策として、必要な図書館を適切に配置すること、司書の充実や情報化の推進など、人と物の両面から図書館の質を向上させ、公立図書館が地域における「文字・活字文化の拠点」としての役割を果たすことを柱としています。
 具体的な施策として、本の読み語り、読書アドバイザーの育成、移動図書館の普及・充実、公立図書館への専門的な職員や読書アドバイザーの配置、学校図書館図書整備費の交付税措置の充実・予算化、IT化の推進による国際子ども図書館と学校図書館、公立図書館のネットワーク化等々、地域における文字・活字文化の振興、学校教育に関する施策などを推進することとしています。
 文字や活字は、知識及び知恵の継承のみならず、人がコミュニケーションを図り、相互理解を深める上でも欠かせないものであります。
 公立図書館は、住民にとって文字・活字に触れることができる最も身近な施設であることから、私も、その整備充実が文字・活字文化の振興を図る上で重要なかぎとなるものと考えています。
 そこでまず、県内の公立図書館の核となる県立図書館の機能充実にどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 昨年末に発表された経済協力開発機構(OECD)の二○○三年国際学習到達度調査では、前回調査(二○○○年)八位だった日本の高校生の読解力が十四位まで後退したと報告しており、これも活字離れが進んでいる一つの証拠であると思います。
 このことから、文字・活字文化の振興を図るためにも、学校教育における国語力の向上・充実への早急な対応が求められていますが、県では、国語力の充実にどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 次に、栄養教諭制度の導入についてお尋ねいたします。
 近年、子供たちの食生活の乱れは、朝食を食べない人がふえ、家庭でも外食や調理済み食品、加工食品に依存する傾向が強まっており、結果として、栄養が偏ったり、不規則な食生活を繰り返したりして、子供たちに肥満や生活習慣病の増加を招いています。
 また、体力の低下傾向も続いている状況にあり、家庭の食生活のあり方も、核家族化や共働き家庭の増加など社会環境の変化に伴い、子供だけで食事をする孤食化が進み、家庭の食事は、さきにも述べたように、外食や調理済み食品の利用などの増加傾向にあることなどから、保護者においても、子供の食生活を十分に把握して管理していくことが困難な状況になっているようであります。
 そこで、子供たちが将来にわたって健康な生活を送っていけるようにするためには、家庭だけではなく、学校においても、子供たちに対して食に関する指導をより充実させることが重要であると思います。
 そのような中、さまざまな角度から食育の重要性が叫ばれております。
 まず一点目に、国においては、食育基本法が成立し、七月から施行されました。この法律では、食育を生きる上での基本となるべきものと位置づけ、政府を挙げて、食育に取り組むこととされており、地方公共団体も、国と連携しつつ取り組んでいかなければならないと明記されております。
 つまり、地方自治体の学校等における食育の推進が、大きな取り組みの柱の一つとなっているわけであります。その意味において、次に重要なことは、学校における食育を実際に進めていくために必要な指導体制の整備であります。この点で、今後大きな役割を果たすことが期待されているのが、栄養教諭制度であります。
 栄養教諭制度については、昨年の法改正で創設され、本年度から開始されているところではありますが、これまで、公明党山口県議団としても、数回にわたって、この制度導入について議会質問を中心に推進してまいりました。
 本年二月議会においては、我が党の石丸議員の質問に対し、教育長から「市町村教委や学校関係者等に対しまして制度の周知を図りますとともに、その意見も聞きながら、平成十八年度から栄養教諭制度の導入を図ることにより、学校における食育を一層推進してまいります」との積極的な御答弁をいただいたところであります。
 仄聞するところ、この四月から、福井県、高知県では栄養教諭が配置され、食育における中核的な役割を果たしており、その推進に大きな効果を上げつつあると聞き及んでおります。子供たちに食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけさせるため、学校教育においても食育を推進することが重要であり、そのためには、栄養教諭を配置することが不可欠であると考えます。
 そこで、お尋ねいたしますが、栄養教諭の配置までには、その採用方法を含め多くの課題があると思われますが、本県におけるその後の検討状況と今後の配置に向けた取り組みについてお伺いいたします。
 最後に、学校の敷地内禁煙化についてお尋ねいたします。
 たばこの被害防止については、これまで我が党の小泉議員が数度となく県議会で取り上げてまいりましたが、今回は、蛍族の私が、小泉議員にかわって質問をいたします。
 WHOによれば、たばこは、世界的に蔓延する「疫病」だそうであります。
 受動喫煙による健康被害については、重大な健康問題にもなっており、たばこによる周囲への健康被害を防止するために、強力な社会的対策が必要とされております。
 また、喫煙者の当然のモラルとして、子供たちへの影響や周囲への気配りについては、よりマナーの向上を望むものでありますし、大人としての責任でもあると私も思っております。
 最近では、公共の場所として、駅構内での禁煙も随分普及してまいりましたが、文部科学省の調査では、全国の公立学校の九八%が、敷地内での喫煙について、禁煙や分煙等の何らかの措置を講じており、四六%の学校が、その対策として、学校敷地内の全面禁煙措置を講じておるようであります。また、今後も、そうした流れは一層増加の傾向にあるようです。
 一方、山口県の公立学校の状況については、九七%の学校が受動喫煙対策を講じております。その内訳を見ると、四八%が喫煙スペースや喫煙ルームを設置した分煙措置、三八%が建物内全面禁煙を講じており、敷地内全面禁煙としている学校は一二%であります。
 未成年の喫煙の誘因として、「親の喫煙」のほかに「先生の喫煙」という項目も含まれているのは事実でありますし、児童生徒の目につく場所での教職員の喫煙は、やはり好ましいとは思いません。
 少し話は変わりますが、先日、ある学校の運動会に出席いたしました。そこでは、喫煙場所が設置されていたにもかかわらず、大勢の保護者がいる一般席のあちこちで煙が舞い上がり、玄関口には吸い殻が何本もぽい捨てされていました。ちょっと悲しい気分になったのは、果たして私だけだったでしょうか。
 個人の嗜好の問題にまで言及するつもりはさらさらありませんし、それについて行政が強制するものでもありません。
 しかし、前述のような光景を目の当たりにいたしますと、学校を「クリーンな場所」として確保し、児童生徒の健康を守るためには、教職員だけでなく、学校という環境内における禁煙対策について考えざるを得なくなるのではないでしょうか。
 そこで、教育長にお尋ねいたしますが、生徒の受動喫煙防止の徹底と喫煙防止の推進・充実を図るためには、学校敷地内における全面禁煙にすることが望ましいと考えますが、今後どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
◎知事(二井関成君) 私からは、「水素フロンティア山口」の推進に関するお尋ねにお答えをいたします。
 本県におきましては、県内のソーダ工場等における全国最大規模の副生水素を有効に活用するために、昨年六月に「水素フロンティア山口推進構想」を策定いたしたところであります。
 この構想に基づきまして、まず昨年度から、企業、大学、研究機関、県・市が一体となって、周南市において家庭用水素燃料電池システムに関する実証研究を行いますとともに、一般家庭に水素燃料電池を設置するため、水素供給インフラの形態やシステムの構成、環境保全・経済性などの調査、検討を進めているところであります。
 そして、本年度に入りましてからは、モデル事業の実現のための特区提案や、県独自に、水素ガスをパイプラインで供給する場合に必要となる、配管材料の安全性確認試験や水素センサーの開発に着手をいたしたところであります。
 こうした中で、この六月に、先端的な燃料電池分野の新技術開発や製品化を目指しまして、県内約百の企業、大学等が参加する「山口燃料電池研究会」を立ち上げ、取り組みをスタートさせたところであります。
 したがいまして、今後は、燃料電池研究会を核として、県内企業とのパートナーシップを一層強化いたしますとともに、産学公連携の取り組みをより具体化し、燃料電池関連企業の誘致・育成に着実につなげていきたいと考えております。
 次に、特区提案についてのお尋ねでありますが、これまでの国の検討状況では、特区対応にならないまでも、「現行の規定により対応可能」との回答を得ております。
 したがいまして、その回答を踏まえまして、モデル事業が確実に実施できるように、国等の関係機関と調整を図っていく考えであります。
 先駆的な事業でありますだけに、諸課題はあろうと思いますけれども、今後とも、諸課題の解決を図りながら、本県の産業特性を生かした「地域発の環境と経済の両立」を目指しまして、関係機関連携をしながら、「水素フロンティア山口」の実現に向けての戦略的プロジェクトの推進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 そのほかの御質問につきましては、関係参与員よりお答えいたします。
◎土木建築部長(中村和之君) 菅野ダムにおける利水と治水のバランスを考えた事前放流について、どのように検討を進めるのかとのお尋ねにお答えをいたします。
 菅野ダムは、治水と利水の目的をあわせ持つ多目的ダムであり、有効貯水容量九千百二十万立方メートルのうち、洪水調節容量は約二○%の千七百万立方メートルであり、残り七千四百二十万立方メートルは、工業用水、水道用水及び発電のために利用する利水容量となっています。
 ダムの洪水調節操作は、洪水が発生した時点でのダムの有する調節容量、河川の流下能力、ダムの構造的安定などを総合的に判断して行っており、このたびの洪水における操作におきましても、こうした点に配慮して、可能な限りの操作を行ったことを御理解願います。
 お尋ねの事前放流は、洪水の発生が予想された場合に、利水容量の一部を治水容量としてあらかじめ確保するために、洪水発生前に放流するものでありますことから、利水事業者との調整を図ることが必要と考えています。
 このため、県といたしましては、利水事業者や関係市町も含めた検討会を設置し、国から本年三月に示された事前放流ガイドライン、本年七月に示されました実施要領などに基づき、予測雨量の的確な把握、事前放流の開始基準、放流量の設定など、事前放流について十分協議、検討してまいります。
 以上でございます。
◎教育長(藤井俊彦君) 教育問題についての三点のお尋ねにお答えいたします。
 まず、文字・活字文化の振興についての二点のお尋ねであります。
 お示しのありましたように、知識や知恵の継承、また豊かな人間性の涵養にとりまして、文字・活字文化の振興は欠かせないものであり、国民の活字離れや若者の読解力の低下が懸念される中で、読書環境の整備や学校教育における国語力の充実は、大変重要であると考えております。
 まず、県立図書館の機能の充実についてでありますが、時代が大きく変化する中で、今後の県立図書館のあり方につきまして、昨年の秋に有識者や図書館関係者などで構成いたします「検討委員会」を設置して、現在、「市町立図書館への支援」「県民への図書館サービスの提供」「市町立図書館等とのネットワークづくり」といった県立図書館の基本的役割に沿って、幅広く検討しているところであります。
 県教委といたしましては、今後、この検討委員会での検討内容や「文字・活字文化振興法」の趣旨を踏まえまして、図書館活動のより一層の活性化を図り、県内の公立図書館のネットワーク上の核となるように、資料や情報の提供の充実、図書館職員の研修等、市町立図書館への支援を強化いたしますとともに、レファレンス機能やネットワーク機能の強化、また子供を初め県民の読書活動に対する支援など、図書館機能のより一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、学校教育における国語力の充実についてであります。
 学校におきましては、国語教育や読書活動を中心として、文章を読む力、書く力などの涵養に努めることが重要であります。
 このため、各学校では、国語の授業等におきまして、名文の音読・暗唱、新聞記事の要約や意見文の作成等の取り組みも行っており、特に、国語力向上モデル校では、地域や児童生徒の実態に応じて目標を掲げまして、朗読発表会や英語科と連携したスピーチ指導等を全校挙げて取り組んでおります。
 県教委では、こうした事例を研修会やインターネット上で各学校に情報提供することによりまして、その普及に努めておるところであります。
 また、各学校におきましては、朝の読書や読み聞かせ等の読書活動も取り組んでいるところでありまして、県教委では、司書教諭を対象とした研修会等におきまして、読書活動の全校的な体制づくりのための情報交換や、地域の図書館との連携によります図書館司書のブックトークなどの先進的な事例の紹介等を行いまして、読書活動の一層の推進を図っているところでもあります。
 今後とも、児童生徒が主体的に文字・活字文化に親しむよう、家庭や地域と連携しながら読書活動を進めますとともに、国語科のみならず、各教科や総合的な学習の時間など、すべての学習活動におきまして教育方法の改善などを図って、国語力の一層の向上に努めてまいります。
 次に、栄養教諭制度導入についてのお尋ねであります。
 お示しのありましたように、食育は、子供たちが生涯にわたって健康で生き生きと生活を送るため大変重要であります。
 学校における食育を推進する上で中核的な役割を担うものとして、栄養教諭制度が創設されたところでもあります。
 県教委では、これを受けまして、栄養教諭を初め、教職員等がより効果的な食育が実践できるように、現在、具体的な指導内容や指導方法等を盛り込んだ「食に関する指導の手引書」の作成を進めております。
 また、本年度から、現職の学校栄養職員の希望者を対象に、栄養教諭免許取得のための認定講習会を実施したところでありまして、本年度は約六十名の資格取得者を見込んでおります。
 現在、来年度からの導入に向けまして必要な準備を進めておりますが、栄養教諭の専門性を生かした指導内容や効果的な配置など、なお検討すべき課題もありますことから、栄養教諭を活用した食育推進のモデル的な取り組みも進めながら、導入を進めるよう検討しているところであります。
 県教委といたしましては、今後、栄養教諭の専門性を十分活用し、学校における食育を円滑かつ効果的に推進いたしますとともに、家庭や地域社会、関係機関とも連携して、食育の一層の充実を図ってまいります。
 次に、学校の禁煙化に関するお尋ねであります。
 お示しのありましたように、たばこによる健康被害は、国民にとって重大な健康問題であります。
 とりわけ、青少年の受動喫煙や喫煙による健康への被害は大きく、また、青少年の健全育成の観点からも、学校における禁煙対策は極めて重要であると考えております。
 このため、県教委では、これまで、全国や県内の学校における受動喫煙防止対策等の取り組み状況、方法等を収集いたしまして、その情報を各学校に提供して、学校の禁煙化に向けた取り組みを働きかけますとともに、機運の醸成を図るために、教職員、保護者、地域住民の方々の理解と協力も求めてきたところであります。
 また、市町村教委を初め、小・中・高等学校の校長会とも協議を重ねまして、それぞれの機関が主体的に取り組むことができるように努めてきたところでもあります。
 このような結果、現在、県内のほとんどの学校が何らかの禁煙対策に取り組んでいるところでありますが、県教委といたしましては、今後、より一層、この学校における禁煙対策の強化を図るために、県立学校におきましては、平成十八年度中のできるだけ早い時期に、すべての学校において、敷地内禁煙が実施できるように積極的に取り組んでまいります。
 また、小中学校の敷地内禁煙化につきましても、市町村教育委員会に対しまして、このような考えをお示ししながら、さらに取り組みが進むよう働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
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Posted on 2005/09/27 Tue. 13:54 [edit]

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27

平成 17年 6月定例会 

平成 17年 6月定例会 - 06月28日-03号
△日程第三議案第一号から第五十号まで
◆(上岡康彦君) 公明党の上岡康彦でございます。小泉議員の防災対策についての関連質問をさせていただきます。
 さて、御案内のとおり、六月は「土砂災害防止月間」となっておりますが、昨年を思い返せば、六月には早くも台風の直撃を受け、その後も続々と台風が上陸し、八月の台風十六号、九月上旬の台風十八号では外国船の遭難被害もあって、県内だけでも実に二十七人もの死者・行方不明者が出たところでありました。
 昨年の台風により甚大な被害をこうむった土砂災害の復旧対策についても、本格的に動き始めたものと認識しておりますし、また当初、急ピッチで復旧に当たられた関係各位の多大なる御尽力に敬意を表するものであります。
 一方、特に、この時期に土砂災害防止と並んで非常に深刻な課題といえば、河川のはんらんによる洪水被害や海岸付近に住まれている方々の高潮被害をいかに防ぐかということであります。昨年の台風十六号、十八号がもたらした被害の中では、短時間に集中的な豪雨に見舞われた地域と、海岸沿いで河川の増水や高潮による家屋の浸水被害が大きかったことが特徴ではなかったかと思います。
 このような地域においては、現在、国や県により、河川のはんらんや高潮被害を防止する護岸の整備が計画的に進められてはおりますが、安全を確保し、とうとい人命を守るという観点からいえば、何はさておき、洪水や高潮被害が想定される危険なエリアからはいち早く退去し、避難場所へ迅速に移動することが何よりも重要であることは言うまでもありません。
 こうした中、県におかれては、今年度からの五カ年間で、県下の五十五河川と海岸二十三地区について、市町村と連携して、災害時における迅速な避難行動や具体的な危険箇所などの防災情報を盛り込んだ洪水・高潮ハザードマップの作成に向けた取り組みを開始したところであり、「暮らしの安心・安全基盤の強化」を今年度予算の柱に掲げられた知事の取り組みについても、二月議会で評価したところであります。
 私は、防災をテーマにこれまでにも議場で質問をいたしましたが、くどいほどに一貫して主張してきたことは、「事後の百策よりも事前の一策」であります。被害を最小限に食いとどめることを目的として作成されるこのハザードマップの有効性については、既に作成していた旧山陽町の事例が、事前の一策がいかに重要であるかもあわせて証明してくれる形となりました。今後、県の実施する浸水想定区域の指定に基づいて、各市町村が作成を進めるに当たっては、このハザードマップが真に住民の方々にとって実効性の高いものでなければなりません。
 このハザードマップは、市町村を単位として作成されると聞いておりますが、河川や海岸には市町村境というものはありません。境界線境に暮らす方々が、近くにある隣の市町村の避難場所には誘導されずに、わざわざ遠くにある自分の市町村内の避難場所への移動を余儀なくされることがないよう、地域の実情を踏まえた、境界線のない生活圏を基本としたマップの作成と配布が重要であると考えております。
 加えて、こうした情報は、その地域に暮らす住民の方々にとどまらず、仕事やさまざまな理由で当地を訪れていた方々や移動中の方々にも、避難場所などの情報を伝えていく掲示板などの工夫も必要になってくるのではないでしょうか。
 そこでお尋ねいたしますが、洪水・高潮ハザードマップの作成に当たっては、市町村のエリアを越えた幅広い取り組みに向けて県の指導が極めて重要と考えますが、今後、どのように市町村との連携を図り、住みよさ日本一を目指して工夫を凝らしたハザードマップの作成に対して、どのように支援されるのか、御所見をお伺いいたしまして、関連質問を終わります。(拍手)
◎土木建築部長(中村和之君) 防災対策に関連して、洪水・高潮ハザードマップの作成についてのお尋ねにお答えいたします。
 県といたしましては、洪水・高潮ハザードマップは、災害時における迅速かつ円滑な避難行動への支援と防災意識の高揚を図り、洪水、高潮から県民の生命・財産を守るため、極めて有効なものであると考えております。
 このため、今年度から五年間で、五十五河川、海岸二十三地区について、浸水想定区域図を作成するとともに、ハザードマップの作成主体である市町村に対して、浸水想定区域図の提供や作成検討委員会への参画などの支援を行うこととしています。
 お尋ねのハザードマップ作成に当たっての市町村のエリアを越えた幅広い取り組みにつきましては、関係市町村に対し、作成検討委員会を合同で設置し、地理的特性や生活圏等にも留意して避難場所の選定を行うなど工夫を行うよう、指導、助言してまいります。
 また、ハザードマップに記載した避難場所等の避難情報につきましては、地域住民はもとより、当地を訪れた人々にも、掲示板の活用などにより、きめ細かな周知がなされるよう、市町村を通じて指導してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
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Posted on 2005/06/28 Tue. 13:53 [edit]

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28

平成 17年 2月定例会 

平成 17年 2月定例会 - 02月28日-02号
△日程第三議案第一号から第八十八号まで
◆(上岡康彦君) 公明党の上岡でございます。公明党県議団を代表いたしまして、代表質問をさせていただきます。
 早速、質問に入らせていただきます。
 最初に、三位一体の改革と県財政についてお伺いいたします。
 三百億円の財源不足額を抱える中での県の当初予算編成には、二井知事を初め、皆様方、大変な御苦労があったと推察いたします。
 知事は、五年連続のマイナス予算となる厳しい予算編成の中で、「今、やらなければならないことには対応できた」と申されておりますが、我が公明党山口県本部が昨年十二月に公表した「ローカルマニフェスト80」にも掲げております総合防災対策の推進を初めとした早期に実現すべき重要課題にも的確に対応していただいていることに、まずは敬意を表するものであります。
 さて、地方分権社会の推進に向け、国と地方の税財源を見直す三位一体の改革については、昨年十一月に、地方六団体の改革案には盛り込まれていなかった国民健康保険制度における都道府県負担の導入を含め、平成十七、十八年度の二年間で総額約三兆円程度の国庫補助負担金の廃止とあわせ、平成十六年度に既に措置された金額を含め、同じく、おおむね三兆円規模の税源移譲を目指すとした改革の全体像が決定されたところであります。
 この全体像をベースに、平成十七年度の政府予算・地方財政対策では、国庫補助負担金の改革として、義務教育費国庫負担金の暫定的減額分を含め、税源移譲に結びつく国庫補助負担金の改革額一兆一千二百三十九億円のほか、スリム化や交付金化とあわせて、合計一兆七千六百八十一億円について改革を行い、これに対応する税源移譲については、一兆一千百六十億円が盛り込まれました。
 先日発表された予算案によりますと、平成十七年度の改革に伴う影響額は、一般財源負担額が百八十四億円増額したものの、一方では、所得譲与税や税源移譲予定交付金の配分見込みは百六十三億円にとどまり、二十一億円程度の差額が生じるという推計が示されており、厳しい財政状況の中にあって、今後の県政運営に課題を残したものとなっております。
 私ども公明党としては、今回の改革が、何よりも歳入歳出の両面で地方の自由度を高めるという本来の趣旨にのっとり、偏在のない形で、国から地方への十分な税源移譲がなされなければならないと考えており、先般も、国庫補助負担金削減や税源移譲の内容、地方交付税配分の考え方などを、総務省に出向いてヒアリングを行い、その上で、地方の声を強くアピールしてまいりました。
 改革がこれで終わったわけではありませんし、義務教育に係る経費負担のあり方を含め、年内には平成十八年度までの改革の全体枠が決定することもあり、引き続き改革の動向をしっかりと見きわめなければならないと考えております。
 そこで、お尋ねいたしますが、平成十七年度の当初予算においては、国庫補助負担金の削減や税源移譲の具体的な内容が見えない中で、どのような視点を持って予算の編成を進められたのか、二点目に、今年度予算編成を通じて、国庫補助負担金削減や税源移譲にどのような問題点や課題があり、今後どのように対応されるお考えか、お伺いいたします。
 また、三位一体の改革の県財政に及ぼす影響が不透明な状況の中にあって、重要な自主財源である県税収入については、四・四%の増収となっておりますが、どのような考え方で四・四%増収を見込まれたのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、行政改革の推進についてお尋ねいたします。
 国においては、昨年十二月二十四日に閣議決定された今後の行政改革の方針の中で、地方公共団体の行政改革については、これまでも「平成九年地方行革推進指針」に基づき地方公共団体に積極的な推進を要請し、各地方公共団体において真摯に取り組みが行われてきているところでありますが、社会経済情勢の変化を踏まえ、さらに積極的な取り組みを促進するため、八項目にわたる行政改革の方針を決定いたしました。
 主だったものを挙げれば、地方公務員全般にわたる定員管理、特殊勤務手当等の諸手当の総点検や昇格・昇給の適切な運用など給与の適正化の一層の推進、民間活力を最大限に活用した民間委託等の推進、指定管理者制度の積極的活用、第三セクターの抜本的な見直し、電子自治体の推進などであり、これらの事項について、新たな地方行革指針を本年度までに策定することとしております。
 さらに、地方公務員の人事制度改革や人事行政運営の状況、民間委託等の取り組み状況、バランスシート、行政コスト計算書等の公表に関する取り組みについても、地方公共団体での積極的な取り組みを求められております。
 一方、県においては、昨年十一月に県政集中改革本部を設置され、平成十六年度から十九年度までの四年間を「県政集中改革期」と位置づけ、行政改革・財政改革・公社改革の三つを柱に、当面する緊急重要課題を解決し、真の地方分権社会に対応できる持続可能な行財政基盤づくりを推進するとされております。
 このうち行政改革については、県庁機構改革・定員管理、県立施設の指定管理者制度の導入、県立大学の独立行政法人化の三点を主要課題に掲げ、現在の「新行政改革指針」に掲げた推進事項を見直し、さらなる改革を進めるとの基本方針を決定しております。
 私ども公明党も、国、地方を通じた公務員の一割削減、行政手続の二割削減など、さきに述べた「ローカルマニフェスト80」に行革の推進を掲げており、二井知事の今後の行政改革の加速度的な進展を期待をしております。
 そこで、お伺いいたしますが、県政集中改革の実質初年度となる平成十七年度において、具体的にどのような行政改革の取り組みを推進しようとされているのか、また、国において策定される新たな地方行革指針を踏まえ、今後、県としてどのように改革に取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、少子化対策についてお伺いいたします。
 女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率は、平成元年に急落して以降、年々低下の一途をたどり、昨年はついに過去最低の一・二九まで落ち込んでおります。
 昨年十二月に公表された少子化社会対策基本法に基づく初めての「少子化社会白書」によると、日本の総人口は、平成十八年にピークを迎え、その後減少に転じる「人口減少社会」となると指摘しております。
 そして、第二次ベビーブーム世代の女性が出産年齢期にある五年間が人口減少の流れを変えるチャンスとして、出産や子育て支援の施策を積極的に展開することが重要であるとしております。
 また、昨年十二月に政府が「新エンゼルプラン」にかわる新たなプランとして策定した「子ども・子育て応援プラン」においては、一、若者の自立とたくましい子どもの育ち、二、仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し、三、生命の大切さ、家庭の役割等についての理解、四、子育ての新たな支え合いと連帯の四つの重点課題に沿って、二○○五年度から二○○九年度までの五年間に取り組むべき施策を掲げております。
 我が公明党は、これまでも社会の活力や社会保障制度を維持するためにも、少子化対策は重要な課題であると受けとめ、児童手当の対象年齢の引き上げなど、数多くの政策を提案し実現してまいりました。
 しかしながら、少子化傾向が依然として続く中、より一層の政策の推進が必要であるとして、ことしを「少子化対策元年」と位置づけ、党内に「少子社会総合対策本部」を設置し、「子ども・子育て応援プラン」を踏まえつつ、三月下旬をめどに「少子社会対策トータルプラン」を策定する予定であります。
 我が公明党山口県本部としても、少子化対策は本県の緊急かつ重要な課題であるとして、昨年、予算編成に当たって知事に要望をいたしました独自のマニフェスト80の中で、地域子育て支援センターの整備促進等の少子化対策関連の要望を上げております。
 少子化対策を進めるに当たっては、子育て中の親のさまざまな悩み等を解消し、安心して子供を産み育てることができるよう、地域社会全体で支援するための体制の整備が重要であると考えております。
 現在、県で策定中の「次世代育成支援行動計画」においても、地域子育て支援センター等について、整備目標を立て、少子化対策の加速化を図っていく必要があると考えますが、今後、県としては、地域社会全体で子育てを支援する体制づくりにどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、観光対策についてお尋ねいたします。
 我が党としては、二○○三年七月十日に政府に申し入れを行った「観光立国の戦略的展開を求める二十の提言」をもとに、観光対策に対する取り組みを昨年十二月に作成した「公明党山口県本部版ローカルマニフェスト80」の中に盛り込み、平成十七年度の予算要望として提出したところでございます。
 その中においても、観光客の誘致拡大の観点から訴えておりました年間三千万人の観光客を目指した人材育成・観光案内の充実、乗降客五千人以上のすべての駅並びに周辺のバリアフリー化、コミュニティーバス・低床バス・福祉タクシーの倍増、山口宇部空港の運用時間の延長などにおいては、一、観光やまぐちブラッシュアップ事業、二、戦略的観光PR推進事業、三、交通施設移動円滑化設備整備事業、四、地方バス路線運行維持対策事業、五、山口宇部空港利用拡大事業などとして新年度予算案を編成していただきました。
 厳しい財政状況にありながらも、施策重点化項目の一つとして「交流の促進」を掲げられ、大英断を下された二井知事に対して、改めて最大限の敬意を表するものであります。
 私どもは、新たな観光客を初め、もう一度山口県に来てみたいと思うリピーターの獲得、さらには高齢者や障害者にとっても、安心して手軽にできる旅行を促進するためには、利便性の向上が不可欠であると考えます。この利便性の向上とは、単に交通アクセスが便利であることだけにとどまらず、交通施設及び施設周辺のバリアフリー化は当然でありますが、観光地自体においてもバリアフリー化の進んだ人に優しいまちづくりこそ極めて重要であると考えております。
 平成十一年九月定例議会においても、二井知事は、我が党の小泉議員の一般質問に対し、観光地におけるボランティア活動の重要性とあわせて、積極的な環境整備についての同様の趣旨の答弁をされておられます。すなわち、本県への観光客誘致を進めていくためには、今後、団塊の世代などの高齢者等にターゲットを置いた、人に優しい観光地づくりに取り組むことが不可欠であると思います。
 そこで、お尋ねいたしますが、高齢者等のニーズが高まりを見せる中で、バリアフリー観光地づくりや、観光地にアクセスするための交通機関等のバリアフリー化などを進めることが重要であると考えますが、今後、本県の観光振興の観点から、どのように取り組まれようとしておられるのか、御所見をお伺いします。
 次に、地球温暖化対策についてお伺いいたします。
 昨年は異常気象が続き、夏の平均気温の高さ、史上最多の台風上陸や集中豪雨。まさに気候の変動を実感させられた一年でありました。国立環境研究所などの予測では、温暖化が進むと、大気中の水蒸気量がふえ、豪雨件数が二十世紀に比べ二十一世紀末には倍増し、海面上昇による島嶼国の危機・異常気象、感染症の広がりなども、従来から指摘されております。
 御案内のとおり、地球温暖化防止のための「京都議定書」が今月十六日に発効いたしましたが、地球環境保護への第一歩であり、削減へ向け世界的な規模で具体的な一歩を歩み出す意味は大きいと考えられます。
 我が国の温室効果ガス(CO2など)の削減義務は一九九○年比で六%、ところが、二○○三年度の国内総排出量はCO2換算で十三億三千六百万トン。同年比八%も増加し、二○○八年から二○一二年までに、合わせて一四%も削減しなければなりません。
 政府は、輸送の効率化や乗用車の燃費基準の強化など運輸部門、風力や太陽光など新エネルギー部門などで対策を進めていますが、目標を達成するにはハードルが高くなってしまい、小泉純一郎首相いわく「目標達成は極めて困難」な状況下で、議長国として取りまとめた国際約束をどう実現するのか、日本の覚悟が試されようとしております。
 国のレベルでは、日本に義務づけられた温室効果ガスの削減目標を達成するための具体策の一つとして、二○○五年度予算政府案に排出量取引制度が事業費として盛り込まれたほか、今後、環境税の創設に関し白熱の議論も予想されるところであり、また、「地球温暖化対策推進大綱」も、議定書発効とともに日本の目標達成計画として見直し作業が進められており、各界各層の一層総力を挙げた取り組みが求められております。
 私は、三位一体改革など地方分権が大きく進展する中、県としても、地方の役割をしっかりと踏まえながら、同時に、人類益、地球益の視点にも立ち、この問題に対処していくことが必要であると考えます。
 本県では、早くから山口県環境基本計画「やまぐち環境創造プラン」等を策定し、CO2削減努力目標一○%を掲げ、普及啓発を初め、さまざまな取り組みをされておられますが、他県同様、削減努力目標の達成は非常に厳しい状況にあるとも伺っております。
 気候変動枠組条約の採択から実に十三年、京都議定書の発効は、ゴールではなく、地球温暖化対策のスタートであります。ぜひ、ことしを環境元年とするぐらいの思いを込め、実効ある計画づくりを進めてほしいと思うのであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、京都議定書の発効を受け、県として、地球温暖化対策に今後どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、キャリア教育についてお伺いいたします。
 厚生労働省は昨年九月、二○○四年版「労働経済白書」で、ニートと考えられる人数を二○○三年時点で五十二万人に達していたと初めて発表し、その数の多さが社会に衝撃を与えました。二○○二年から一年間で四万人もふえていることもわかったからであります。
 政府は、昨年十二月二十四日の少子化社会対策会議で「子ども・子育て応援プラン」を決定、これまで少子化対策では保育サービスの充実などが中心だったものの、若者の自立対策も加え、ニートやフリーターの減少も目指すことになりました。
 厚生労働省は、ニートの本格的な対策に乗り出すために、二○○五年度予算政府案では、その目玉事業となる「(仮称)若者自立塾」「ジョブパスポート」などの新規事業を盛り込んだところであり、「脱ニート」に向け、国の支援強化策の早期実施が期待されております。
 厚労省が昨年行った、仕事をしていない無職の若者の実態調査によると、ニートの約四割が学校を出る、もしくは、中退してから一度も求職活動をしていないとのことであります。その壁となっているのは、人間関係や仕事について「うまくやっていけそうもない」という自信の欠如だということであります。
 ニートがふえる原因は、経済が低迷する中で、企業が新卒採用者を絞り、若者の就職が難しくなっているためであります。しかも、若者をめぐる就業環境は、企業の雇用形態の変化や若者自身の仕事観の変貌も相まってさま変わりし、また、「人づき合いなど会社での生活ができない」という若者がふえていることも大きな原因の一つとして挙げられます。また、学校における職業教育、就職情報、指導体制の不足、集団生活や世代間交流の機会が減ったことなども指摘されており、従来からの我が国の職業人を育成する教育システムそのものが、現代に対応できなくなっていることも事実であります。
 ニートやフリーターがふえれば、国内の労働力が減り、経済成長の低下や社会保障制度の担い手不足などの悪影響も懸念されますが、何より本人の人生にとって重大な問題であります。
 雇用問題に詳しい玄田有史・東大助教授が、十四歳の時点で全員に、地域の大人と仕事を通じて交流する機会を持たせるべきと、昨年の「論座」八月号で主張されているように、公明党も、中学二年生時の一週間程度の職業体験活動を「働くウイーク」として提言しておりましたが、国の新年度予算では、中学二年生を対象に、地域で五日間以上の職業体験を行う「キャリアスタートウイーク」が盛り込まれています。この試みは、既に富山・兵庫両県の全公立中学校で実施され成果を上げております。
 こうした若者の雇用問題について、我が党はマニフェストに若者の失業率の半減を掲げ、若者自立プランを推進してきたところですが、中でも、小・中・高生が将来ニート化しないよう、義務教育の早い段階から、勤労観・職業観を育成するための職業教育の重要性を訴えてまいりました。
 本年度、県においても「キャリア教育推進協議会」を設置し、学校と産業界との協力体制を築き、児童生徒の勤労観・職業観の育成や、夢の実現を支援しようとする取り組みを検討されているようですが、キャリア教育の推進について、本年度の検討結果を踏まえ、来年度の取り組みについてお伺いいたします。
 最後に、地域の安心・安全対策と少年の健全育成対策について、お尋ねいたします。
 昨年の長崎県佐世保市における小学生の同級生殺人事件や奈良県における女児誘拐殺人事件、さらに、本年も愛知県内ショッピングセンターでの殺人事件や大阪府寝屋川市の少年による殺人事件など、依然として社会を震撼させる少年犯罪が後を絶ちません。特に、寝屋川市での事件は、むしろ、地域で一番安全な場所だと思い込んでいた学校内で教師が刺殺されるという、よもや想像にも及ばない凄惨でショッキングな事件でありましたし、我々が心の隅にわずかな希望として抱き続けていた日本の安全神話をみじんもなく打ち砕くのに余りある出来事でございました。
 警察庁が発表した昨年の少年非行等の情勢によれば、全国で検挙された十四歳以上の刑法犯少年は、約十四万四千八百人で四年ぶりに減少したものの、十四歳未満の少年による事件は増加するとともに凶悪化しているとの報告であります。
 一方、被害面では、児童虐待の摘発が過去最多の二百二十九件、死亡した十八歳未満の少年は五十一人にも上り、少年被害の略取誘拐は二百五十二件でいずれも増加しております。残念ながら、少年犯罪が増加する裏では、犯罪被害者もまた少年である実態が浮き彫りにされました。警察庁の報告のように、凶悪化・低年齢化へと進む少年犯罪や犯罪被害者への対応強化策として、十四歳未満でも少年院送致を可能にするなどを柱とした少年法の改正など、国においても凶悪犯罪の低年齢化への対応策などを検討しているところではあります。
 しかしながら、次の時代を担う青少年の健全育成は、実は我々地域の大人が担うべき重要な責務なのではないでしょうか。その意味において、まず、子供たちの健全育成を図っていく上で、重要な政策課題となるものが「安心安全のまちづくり」であります。
 警察を初めとする各行政機関はもとより、学校や地域が一体となって、縦割りではなく、横断的な諸施策を進めていくと同時に、とりわけ、地域の県民一人一人が主体者であるとの意識の醸成を図っていくことも、重要な課題の一つであると考えております。
 こうした観点に立って、公明党では、特に地域の安全や子供の生命を守るために、通学路の安全点検や避難所マップの作成、自主防犯組織の活性化や日常的なパトロールの強化など、ハード・ソフト両面にわたる諸対策について提言をし、かつ関係機関へも各種要望してきたところであります。また、国が助成措置する「地域安全安心ステーション整備モデル事業」なども、百カ所程度のモデル事業の実施とはいえ、もっと県当局が、積極的に各市町村に働きかけるべきとも考えております。
 そこで、お尋ねいたしますが、一点目に、十七年度予算編成に当たり、二井知事は、政策課題への的確な対応と財政集中改革の推進を基本方針に「安心・安全と財政改革のバランス型予算」と位置づけられ、施策重点化項目の五本柱の中でも、「暮らしの安心・安全基盤の強化」を筆頭に掲げておられます。
 「住み良さ日本一の元気県」の実現に向け、犯罪を起こしにくい地域社会の形成を県民とともに進めるため、条例の制定などを含めた「地域安心・安全協働事業」を開始するとありますが、極めて重要なこの新事業をどのように展開しようとしていらっしゃるのか、お伺いいたします。
 二点目に、一方の県警においては、少年の非行の芽を摘み取ることを、または少年を犯罪被害から守ることを目的に、昨年から少年安全サポーターや少年リーダーズを中心にした学校や地域ぐるみの健全育成対策に取り組まれており、その結果、昨年全国ワースト八位であった非行率が減少するなど一定の成果があらわれ始めているという、うれしい報告も伺っております。
 平成十七年度の警察予算編成において、犯罪抑止に向けた安心・安全基盤の強化策の一環として、少年安全サポート事業を掲げておられますが、少年非行防止や少年被害防止などの健全育成対策について、本年はどのように展開されようとしておられるのか、県警本部長にお伺いいたしまして、私の代表質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
◎知事(二井関成君) 上岡議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、平成十七年度の予算編成と今後の三位一体改革への対応についてであります。
 お示しがありましたように、昨年十一月に三位一体改革の全体像が決定をされましたが、これは、平成十七年度と十八年度における改革の大枠を示したものにすぎず、昨年末の政府予算案と地方財政対策の決定によって、ようやく改革の対象となる国庫補助負担金の名称や金額が明らかにされました。
 しかし、これも、全国ベースでの大ぐくりな内訳でありましたために、本県への影響を具体的に把握することは困難でありました。
 こうした不透明な状況の中、平成十七年度の予算編成に当たりましたが、年度中の財政運営や事業執行に支障を生じさせないことを基本姿勢とし、積極的な情報収集や国との協議を重ねながら、改革内容を踏まえた歳入の推計、改革の対象となる個別事業の特定や所要事業費の設定等に取り組んだところであります。
 改革の詳細は、新年度に入り、さらに明らかになってくると思いますが、総じて今回の改革は、国民健康保険に対する財源負担や、公営住宅用地に係る県債償還費など、義務的な経費が税源移譲に結びつく改革額の大部分を占め、地方の自由度が高まったとは言いがたいものであります。
 これからの三位一体の改革を真に地方の自主・自立につながる改革としていくためには、今後、中央教育審議会での協議が予定されている義務教育費国庫負担制度のあり方や、生活保護に係る国庫負担率の見直し、建設国債対象経費の取り扱いなど、先送りとなっている諸課題について、地方の意見を的確に反映した形で解決が図られることが必要ですし、地方が提案をしている平成十九年度以降の第二期改革が、確実に実施されなければなりません。また、税源移譲に関し、所得譲与税及び税源移譲予定特例交付金は、人口等の画一的な基準によって配分をされますので、本格的な税源移譲が実施された場合にも、税源の偏在が避けられませんことから、個々の地方団体が所要財源を確保するためには、地方交付税等による適切な財源調整が不可欠であります。
 私は、これらの問題点や課題を克服し、地方分権の理念に沿った真の三位一体改革が実現されるように、引き続き地方六団体が一致結束をし、国に対し、責任ある対応を強く求めていかなければならないと考えております。
 次に、県税収入の見込みについてであります。
 まず、主要な税目である法人二税につきましては、主要法人百社を中心に収益動向の把握に努めましたところ、製造業を中心に企業収益が好調に推移すると見込まれますことから、最近の課税実績や政府経済見通し、地方財政計画等も参考とした上で、前年度比一三・七%増と見込んでおります。また、その他諸税につきましても、各種経済指標等を参考に、前年度とほぼ同額を見込んだところであります。
 今後とも、経済動向等に十分留意をし、県税収入の確保に努めてまいります。
 次に、行政改革についてであります。
 御案内のように、社会経済情勢の変化や分権改革が急速に進む中で、より簡素で効率的な県政運営を図っていくことが急務となっておりますことから、私は、行政改革の推進を県政集中改革の柱の一つに位置づけ、取り組みを加速化することにいたしております。
 そこで、平成十七年度における具体的な取り組みについてでありますが、まず、「県庁機構改革・定員管理」につきましては、合併により広域化する市町村との役割分担等を踏まえながら、出先機関の配置、組織のあり方を見直すとともに、本庁につきましても、新たな政策課題に、より的確に対応できる組織となるよう再編することとし、来年四月の実施を目指して、十一月には機構改革の指針を策定いたします。
 また、これにあわせて、定員管理につきましても、業務に応じた適正な人員配置に努め、今年度からの十カ年間に一○%、五百人を削減するという目標の達成に向けて、定員管理計画を着実に実行するとともに、中間時点における平成二十年度において、今後の状況変化等を踏まえ、見直し・フォローアップを行っていくことにいたしております。
 また、県立施設の指定管理者制度の導入につきましては、この四月には県営住宅に制度を導入をいたしますとともに、来年度には多くの県民利用施設において広く民間からの公募を行うなど、適切な指定管理者を選定したいと考えております。
 さらに、県立大学の独立行政法人化につきましては、県立大学が厳しい大学間競争に勝ち抜き、地域貢献型大学として県民の期待にこたえていくため、来年四月の独立行政法人化を目指し諸準備を進めてまいります。
 次に、国の地方行革指針を踏まえた対応についてですが、国は、昨年十二月に閣議決定した「今後の行政改革の方針」において、社会経済情勢が大きく変化する中、地方での行政改革の一層の取り組みを求めております。
 県としては、現行の県の行政改革指針が十七年度末をもって終期を迎えますため、十七年度中に策定する新たな指針において、今後示される国の地方行革の方向性や内容を十分踏まえたものとするとともに、進行管理の徹底により、着実な実施を図ってまいります。
 私は、県政集中改革が本格的に動き出す十七年度は、行政改革を推進していく上でも極めて重要な実行の年となると考えており、今後、県議会や県民の皆様の御理解を得ながら、行政改革の推進に全力で取り組んでまいります。
 次に、少子化対策についてのお尋ねであります。
 少子化対策は、「住み良さ日本一の元気県づくり」を進めていく上で、緊急かつ重要な課題であり、今後一層の充実を図っていかなければならないと考えております。
 このため、来年度予算におきましては、施策重点化方針に「次代を担う子どもたちの育成」を掲げ、諸施策の推進に努めたところであります。
 また、本年度策定する「次世代育成支援行動計画」につきましては、保健・医療、福祉、労働、教育など、より広い分野にわたる計画とし、県民ニーズの高い「地域での子育て支援」や「仕事との両立支援」等の重点プロジェクトを設定するとともに、地域子育て支援センターの整備を初めとする数値目標の大幅な拡大を図ることとしております。
 こうした中で、お示しの地域社会全体で子育てを支援する体制づくりにつきましては、本県の目指す「やまぐち子育て文化」を創造する上からも重要であると考えており、今後この計画に基づき、さらなる推進に努めることといたしております。
 具体的には、身近な地域での相談・支援体制の整備に向けて、県内すべての地域で子育て支援サービスが利用できるよう、新たに単県制度による「元気子育て支援センター」の整備に取り組みますとともに、全市におけるファミリーサポートセンターの設置や、子育て家庭と地域住民がともに活動できる拠点づくりなどを進めてまいります。
 また、こうした拠点と連携して、地域全体での子育て支援の輪を広げるため、地域コーディネーターを養成し、活発な世代間・地域間交流を展開し、「やまぐち子育て県民運動」のネットワークをさらに拡充するなど、地域社会全体で子供の健やかな成長や子育てを支援するシステムづくりに積極的に取り組んでまいります。
 次に、観光対策についてのお尋ねであります。
 本県観光の一層の振興を図っていくためには、今後の旅行客の主流として見込まれる団塊の世代や高齢者の方が安心して快適に旅行できるよう、人に優しい観光地づくりを進めていくことが重要な課題であります。
 このため、「山口県観光基本構想」におきましても、おもてなしあふれる魅力ある観光地づくりの一環として、「バリアフリー観光の推進」を掲げ、環境の整備に取り組んできたところであります。
 具体的には、観光関係者や市町村等と連携しながら、宿泊施設や観光施設、JR駅舎などにおける通路のスロープやエレベーター、障害者用トイレなどの設置の促進、高齢者や身体障害者等が快適に移動できるよう低床バスの導入を積極的に推進しております。
 また、バリアーフリー施設に関する情報を県のホームページに掲載をし、広く情報提供を行っておりますし、高齢者等が安心して快適な観光を楽しめるよう、きめ細かな対応ができる観光ボランティアの育成にも努めてきたところであります。
 来年度は、観光戦略会議において、新たに「バリアフリー観光推進モデル地域」を指定をいたしますとともに、高齢者や障害者等の意見を直接反映するためのモニターツアーや観光事業者等を対象とした研修会を開催をし、地域住民が一体となった観光地づくりを推進することにいたしております。
 また、観光施設や交通機関などのバリアフリーに関する情報を記載したガイドブックを新たに作成し、旅行代理店や社会福祉関係団体等への情報提供、また、宿泊施設を対象としたユニバーサルデザイン講習会の開催などに取り組むことにいたしております。
 今後とも、観光地や交通機関等のバリアフリー化に積極的に取り組み、本県観光の一層の振興を図ってまいります。
 次に、地球温暖化対策に関するお尋ねであります。
 地球温暖化の問題は、人類の生存にかかわる重要な課題であり、持続可能な社会の構築に向けて国際的な取り組みはもとより、地域においても、県民、事業者、行政が連携し、自主的、積極的に取り組むことが極めて重要であります。
 このため、県におきましては、これまで、「地球となかよし県民運動」を通じた省エネルギーの実践活動などの普及啓発に加え、太陽光発電等の導入促進、さらには、構造改革特区制度を活用した電力・熱の相互融通、「水素フロンティア山口」や「森林バイオマスの活用」の推進など、省エネルギー・新エネルギー対策を展開してまいりました。
 しかしながら、本県全体の二酸化炭素の排出量は、二○○一年度(平成十三年度)において、一九九○年度比で一三・三%と、全国と同様の傾向で増加をいたしております。
 本県の特徴としては、産業部門の排出割合が高いこと、運輸部門や民生部門での増加が著しいことから、事業者、県民に対する情報の提供や啓発活動を強化をし、さらにきめ細かい、実効性のある取り組みを促進する必要があります。
 こうした中で、来年度は新たに、民生家庭部門を対象に、地球温暖化防止活動推進センターや、市町村とも連携をし、推進員による省エネルギー診断等による、実効性・継続性の高い実践活動を促進する「e-スタイル推進事業」と銘打った事業や、民生業務部門では、県庁本庁舎等での取り組みの成果を生かし、省エネ対策に有効な「ESCO(エスコ)事業」の事業所等への導入促進に取り組むことにいたしております。
 また、産業・運輸部門につきましては、国の施策によるところが大きゅうございますことから、さきの京都議定書の発効を受け、近く、国において策定をされる「京都議定書目標達成計画」も踏まえ、本県のこれまでの取り組みの検証、排出実態や将来予測、地域や産業特性を考慮した削減対策や部門別削減目標の設定などを盛り込んだ「山口県地球温暖化対策地域推進計画」を策定をし、この計画に基づき、二酸化炭素を主とする温室効果ガスを総合的かつ効果的に削減するための対策を講ずることにいたしております。
 今後とも、県民、事業者、行政が一体となって、新たな決意のもとに、地球温暖化対策に全力で取り組んでまいります。
 次に、地域安心・安全協働事業についてのお尋ねであります。
 近年、青少年を取り巻く環境の悪化や地域の連帯意識の希薄化等、社会情勢の変化を背景に、人々の身近なところでさまざまな犯罪が生じており、県民には、いつ犯罪の被害に遭うかわからないという不安感が生じております。
 私は、こうした状況の中で、だれもが皆、安全に、安心して暮らしていける地域をつくるためには、犯罪の取り締まりに加え、県民、事業者、行政が協働し、犯罪を起こしにくい地域社会を形成することが極めて重要であると考えております。
 このため、新年度施策として「地域安心・安全協働事業」を掲げ、現在、県内各地域において積極的に展開をされている防犯ボランティア等の自主的活動の拡充を図りますとともに、犯罪防止に配慮した公共的施設の整備等と一体となった安心・安全な地域づくりを、県民、事業者、行政の共通認識のもとに、総合的に推進してまいりたいと考えております。
 具体的な事業展開といたしましては、地域防犯対策の推進主体である市町村と連携をして、地域や職域における関係団体や、ボランティア等で構成する全県的な推進組織を新年度早々に設置することとし、その推進体制のもと、県内各地域で開催する意見交換会等を通じて県民の積極的な参画をいただきながら、県・県民・事業者等の責務や、道路、公園等の防犯上の指針の策定などを盛り込んだ条例等の制定に向けた取り組みを進めることにいたしております。
 さらに、全県的な機運醸成として、実際に防犯活動をされている方や団体等との共同企画による県民フォーラムの開催を初め、出前講座や広報活動等による各種普及啓発を行ってまいります。
 また、こうした事業を総合的、一元的に推進をするために、県警及び教育委員会の職員も配置をしている「交通安全対策室」を改組し、新たな組織として「地域安心・安全推進室」を設置することといたしております。
 今後とも、県民の皆様の暮らしの安心・安全基盤の強化をしていくということは何よりも重要でありますので、これらの施策に全力で取り組んでまいります。
 以上でございます。
◎教育長(藤井俊彦君) キャリア教育についてのお尋ねにお答えいたします。
 若者をめぐる就業環境が大きく変化しております中で、お示しのありましたニートなどの課題もありますことから、小学校の早い段階から、子供たちの夢の実現に向けて、社会人、職業人としての基礎的な資質・能力を育成するためのキャリア教育の推進が重要であります。
 このため、県教委では、これまで小・中・高すべての学校へのリーフレットの配布やフォーラムの開催等を通じまして、キャリア教育の理解を図り、総合的な学習の時間などでの取り組みを進めますとともに、地元企業等における就業体験や企業人や大学教授等による職業講話を実施するなど、体験学習の充実に取り組んでまいりました。
 昨年六月には、キャリア教育の一層の推進を図るため、「山口県キャリア教育推進協議会」を設置し、効果的な学習プログラム、体験学習の推進、そして産業界等との連携協力体制の構築などについて検討を進めてまいりました。
 県教委といたしましては、この検討結果などを踏まえまして、来年度、まず、小・中・高を通じた体系的な学習プログラムを作成し、働く意欲の向上や、コミュニケーション能力の育成など、各学校における学習内容の充実を図ってまいります。
 また、体験学習の推進につきましては、新たに、小学校において、地域の人の参画による職業講話と体験活動を組み合わせた学習を実施し、中学校では、地域の協力により、近くの事業所等での五日間の職場体験に取り組み、高等学校では、年齢の近い先輩による職業生活等についてのセミナーの開催をするなど、発達段階に応じた取り組みを進めてまいります。
 さらに、地域における学校と産業界等関係機関との連携協力体制の強化のため、地域別の協議会の設置を進め、体験活動等の実施の円滑化を図ることとしております。
 県教委といたしましては、今後とも、学校・家庭・地域社会との連携強化を進めますとともに、キャリア教育の取り組みについて、県の推進協議会等で御意見をいただき、その評価や検討を行い、改善・充実に努めながら、児童生徒一人ひとりの夢の実現を図ってまいります。
 以上でございます。
◎警察本部長(篠宮隆君) 少年の健全育成対策についてお答えをいたします。
 県警察においては、昨年、県教育庁等関係部局と連携をして、少年安全サポーターによる少年の非行防止及び被害防止活動、また、少年リーダーズによる万引きなどの初発型非行防止活動、さらには、警察から学校への連絡制度であります「やまぐち児童生徒サポートライン」による学校と連携した犯罪被害、非行防止活動などに取り組んだところであります。
 その結果、昨年中の刑法犯少年の検挙補導人員は二千二十九人で、前年に比べ二百五十二人、一一%減少し、少年人口千人当たりに占める割合も、全国ワースト八位から十位へと好転したところであります。
 また、少年の犯罪被害も三千百八十一件で、前年に比べ四百六十三件、約一三%減少するなど、少年の非行や被害の面において、成果が徐々にあらわれつつあります。
 特に、昨年度、新たに配置いたしました教員や警察官OBの少年安全サポーターは、学校や地域と密接な連携を図りながら校内暴力への対応指導など、非行の未然防止活動五百三十回、また、学校地域住民と協働した通学路などの警戒活動や、学校への不審者侵入時の対応訓練を五百八十回など、昨年五月から十二月までの間に二千回に及び学校の安全管理に関する支援活動を行っており、関係機関、地域から厚い信頼を得ているところであります。
 県警といたしましては、本年は、少年安全サポーターによる地域や学校と協働した少年非行や犯罪被害の防止活動、あるいは、大学生ボランティアなどによる少年の立ち直り支援活動、さらには、少年リーダーズによる万引き防止のためのチェックアンドチェック作戦や自転車盗防止活動などを活動重点に、引き続き少年の健全育成対策に取り組むこととしております。

Posted on 2005/02/28 Mon. 13:51 [edit]

category: 2005年議会報告

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