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うえおか康彦活動日誌

山口県議会議員上岡康彦の活動日誌

平成 20年 9月定例会 

平成 20年 9月定例会 - 09月30日-03号
△日程第二議案第一号から第二十四号まで
◆(上岡康彦君) 公明党の上岡康彦でございます。通告に従いまして質問させていただきます。
 初めに、防災対策についてお尋ねいたします。
 本日は、九月の最終日三十日ですが、九月は防災月間でございます。まず、防災対策についてお尋ねをいたします。
 先日、行きそびれていた神戸市の人と災害未来センターに行ってまいりました。戦後最大の都市型災害となった阪神・淡路大震災から十三年を迎えました。改めて震災で亡くなった六千四百余人の方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、震災対策の強化に向けた一層の取り組みを誓う防災月間としたいと思います。
 同震災では、政府や行政の対応のおくれが批判される一方で、地震直後から一日平均二万人以上の人が被災者支援のボランティア活動に参加し、防災ボランティアの重要性が広く認識される契機にもなりました。
 もちろん、震災を教訓として、政府や行政、企業などでは、危機対応能力の強化、災害時の連絡体制の確保、災害関連法の整備などが図られています。また、消防のレスキューが得た経験は、消防無線における全国共通波の増波、緊急消防援助隊や、消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー隊)の制度発足と整備につながり、後の二○○四年十月、新潟県中越地震や二○○五年四月、JR福知山線脱線事故でも大きく貢献することとなったのは記憶に新しいところです。
 最近でも、六月十四日に発生した岩手・宮城内陸地震や昨年の能登半島地震、新潟県中越沖地震など、マグニチュード七程度の地震が頻発しております。
 文部科学省は、このほど、地震と火山噴火に関する観測研究を統合した学術的な研究計画である「地震及び火災噴火のための観測研究計画」を来年度から五年間にわたって進めることを決めました。
 こうした方針は、来年三月に策定予定の、政府の防災減災を目指した十年間にわたる戦略的計画である「総合基本施策」にも反映していただき、今後、緊急地震速報や津波警報、地震予測地図などの制度の向上などが期待されております。
 大規模な地震の発生は、県民の生命や財産に深刻な影響を及ぼすだけに、いち早い研究の進展を望みたいと思います。
 さて、もう一方で、最近の特徴的な傾向として、局地的な集中豪雨による事故や災害が都市部で相次いでおります。
 七月二十八日に北陸・近畿地方を襲った豪雨では、神戸市灘区の都賀川が一気に増水し、河川敷で遊んでいた児童ら五人が濁流にのまれ死亡いたしました。この時、現場近くの水位はわずか十分間で一・三メートルも上昇したようであります。
 石川県金沢市では、同日、市街を流れる浅野川が五十五年ぶりにはんらんし、約二千戸が床上・床下浸水いたしました。雨は、同じ市内の西念地域では十九・五ミリ降っただけでやみましたが、わずか十五キロ南東の湯涌温泉付近では、一時間に百三十八ミリを記録いたしました。
 また、八月五日の東京を中心とする集中豪雨の折には、流れ込んだ雨水で下水道管の水位が急激に上昇し、豊島区の下水道工事現場で作業員五人が流されるという痛ましい事故が起きております。最近の豪雨災害は、どこで起きるかわからないゲリラ的豪雨災害であります。
 局地的な豪雨は、日本付近に寒気と湿った暖気が入り込み、大気が不安定になった結果と見られております。また、都市部のヒートアイランド現象が積乱雲の発達を加速している可能性も指摘されております。
 いずれにしても、非常に狭い範囲で短時間に起こる集中豪雨については、時間や場所を予測することには限界はあると思いますが、その中でも、減災あるいは被害を最小限にとどめるためには、情報の素早い伝達が不可欠であります。
 石川県の河川情報システムは、市街地で浸水が発生する前、湯涌温泉近くの浅野川の水位が堤防の高さを超えているデータを収集していました。水位は、ホームページでリアルタイムで見られますが、これを住民に広報するシステムがなかったわけであります。
 また、神戸市では、市内二十二河川に監視カメラを設置しており、携帯電話を通じて河川状況を知ることができますが、緊急情報を住民に伝える仕組みはありませんでした。早急に気象情報と直結した警報システムなどを整備する必要があると思います。
 公明党は、八月六日に行った政府への申し入れの中で、一、観測・広報体制の強化、二、水害からの避難・防護、救助対策の各段階における防災担当部署のスピードアップなどを要望したところであります。
 異常気象等による突発の災害はいつ起きてもおかしくないという認識のもと、本県でもこうした体制の強化を急ぐべきであると考えています。
 本県でも、山口県土木防災情報システムという、気象情報や雨量、河川水位、潮位等の観測情報といった水防情報を県庁で一元管理し、県、市、防災関係機関及び県民へ情報提供する水防活動を支援するシステムがあります。私も実際にアクセスしてみました。
 しかし、このシステムは、リアルタイムの情報提供とは言うものの、県民みずからがアクセスしなければ情報は得られません。住民が欲している情報とは、自分の住んでいる地域が今、どのような危機にさらされ、今どのように対処すればいいのかが知りたいのではないでしょうか。私が常々申し上げております事前の一策とは、こういうことであります。
 そこで、お尋ねいたします。県民の安心・安全を確保する観点から、県民への迅速で確実な水防情報の伝達を図るため、土木防災情報システムのさらなる機能強化が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、歳入の確保対策についてお伺いいたします。
 政府・与党は、先月末、物価高や景気低迷などに対応する経済対策を含めた安心実現のための総合経済対策を決定しました。この中で、我が公明党が物価高対策として強く実現を迫ったのが定額減税であります。所得税や個人住民税から一定額を差し引くもので、生活現場の窮状を訴える我が党の粘り強い主張により、今年度内の実施に向け、政府・与党合意にこぎつけたものであります。
 今や家計の状況は非常事態であります。賃金が伸びない中、生活必需品の相次ぐ値上げが家計を直撃し、生活費負担は増加。まさに今、消費の下支えと生活防衛が極めて重要な時期だけに、この定額減税が実効性の高い措置となるように一層議論を進め、一日も早い実施に向けて全力で取り組んでまいる所存であります。
 さて、これに関連し、歳入の確保対策、特に個人県民税の徴収対策についてお尋ねいたします。
 いわゆる三位一体の改革により、個人住民税については、税源移譲で平成十九年六月から増額となっており、県においても、今年度当初予算で総額の約二五%となる四百八十四億円を計上するなど、地方自治体にとって大変貴重な自主財源となっておりますことは御案内のとおりであります。
 しかしながら、一方では、県における個人県民税の徴収率は、平成十九年度、九四・二%、滞納額は二十六億五千二百万円、滞納額全体に占める割合は七○・九%となっており、徴収対策の強化が喫緊の課題となっております。また、個人県民税の徴収業務は、個人市町民税とともに、市町が行っており、現場である市町の徴収対策の強化が徴収率アップのポイントになります。
 税源移譲により本来地方の自主財源は拡大するはずでありますが、税は国庫補助金とは異なり、決められた額が一○○%確保できるという保障はありません。そうした意味から、あらゆる手段を講じながら、その額の確保に向けて努力することが求められているわけであります。
 また、私は、以前本会議で取り上げたこともありますが、大多数の方々が本当に厳しい家計状況にもかかわらず、歯を食いしばり、血のにじむような努力をしておられる中、こうした方々の納税努力に報いるためにも、当然、行政として滞納額の圧縮に努め、さらに悪質な滞納者へは厳格な対応が大変重要と考えております。
 このような状況のもと、県では、昨年十月から県職員を市町に派遣し、市町職員とともに滞納整理を行う併任徴収の試行をスタートさせ、今年度からは本格実施しておられます。この取り組みは、個人住民税の増収による県・市・町の自主財源の確保についてはもちろんのことではありますが、税の徴収に係る市町職員のスキルの向上も期待されるものであり、一定の評価をしているところであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、この併任徴収の取り組みを初めとした個人県民税の徴収対策のこれまでの成果と今後の対応についてお伺いいたします。
 次に、観光振興についてお尋ねいたします。
 少子・高齢化で日本経済の活力低下が懸念される中で、地域活性化の切り札として、観光立国の実現に大きな期待が寄せられておりますことは、今さら申すまでもありません。国内外から多くの人を呼び込み、新たな消費を生み出すことができれば、地域の活性化が進み、経済全体にも大きな効果をもたらします。
 国交省によれば、二○○六年度に観光客が宿泊や食事などのために国内で消費した金額は、二十三・五兆円にも上り、これに伴う食品産業や農林水産業などへの恩恵が幾重にも加わることで、その生産波及効果は総額約五十三兆円と、名目GDPの五・六%にも相当する付加価値を生み出しております。
 このほか観光客を誘致するために生み出された商品やサービスなどの付加価値は、二十八・三兆円に達し、雇用効果は四百四十二万人にも上ると言われています。単純に効果が認められる金額の合計だけ見れば、およそ我が国の一般会計に匹敵する規模となります。
 公明党は、これまでも観光振興に向けた政策を強力に推進してまいりましたが、本年四月二十五日には、国の観光政策を担う新たな行政機関「観光庁」の設置を盛り込んだ改正国土交通省設置法が、五月十六日には、長期滞在型の観光を後押しする新法である観光圏整備法を成立させ、一層、観光立国・日本に実現に向けた体制や施策を充実してまいりました。
 いよいよ十月には、国際競争力を備えた魅力ある観光圏づくりへ、国の新たな司令塔として観光庁が新設されます。四季が織りなす美しい自然の変化を楽しめ、列島全土に豊富な温泉を有し、昨今、世界でも評価の高い食文化を誇る日本の高い観光ポテンシャルをいかに引き出していくかが今後の課題であります。
 観光客の来訪や長期滞在を促すには、地域や企業が連携して国際競争力の高い魅力ある観光圏をつくることが必要であります。それには、宿泊施設や交通手段、案内・情報提供の充実、そして新たな観光資源の発掘などが不可欠であると考えています。
 さきに述べました観光圏整備法では、圏域内の自治体や観光、農林、商工業者、NPOなどから構成される協議会が策定する観光圏整備実施計画を国交省が認定すれば、観光圏整備に向けた事業に対して国が財政支援などを行うことが盛り込まれています。私は、本県としてもこれを利用しない手はないと思うのであります。
 ことしの夏に実施した「おいでませ山口デスティネーション・キャンペーン」においても、観光PRのため、京都駅に大々的に張り出されていたポスターを私も八月の上旬、視察途中に立ち寄った際に見かけて、大変感激した一人であります。きっと本県PRの効果はあったと確信をしております。
 そこで、お尋ねいたしますが、本県の観光振興について、年間観光客三千万人構想の実現に向け、多彩な観光資源を活用しつつ、今後の戦略的な観光施策にどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 次に、消費者行政についてお尋ねいたします。
 昨年来、消費者を脅かす事件が立て続けに発覚しております。中国製冷凍ギョーザによる中毒事件、牛一○○%と偽って販売した食肉偽装事件、賞味期限が過ぎた牛乳を使用してつくられた洋菓子が売られたり、有名な和菓子でも消費期限が改ざんされていたという事件がありました。
 また、ここ数年は、石油ファンヒーターやガス湯沸かし器による死亡事故や、シュレッダーなどの身近な製品の事故も相次いで起こりました。さらに、住宅の耐震偽装や英会話教室、エステ、保険などの金融商品をめぐる契約トラブルなど、消費者被害は広範囲に及び、我々消費者の不安は高まるばかりであります。
 一方、県内の相談状況を見ますと、県消費者生活センターや市町の相談窓口に寄せられた相談件数は、架空請求が多発した平成十六年度の三万三千件をピークに減少傾向にはあるものの、複雑、巧妙化する新たな手口の登場などにより、解決に当たり専門的な知識と時間を要する相談がふえている状況にあります。
 このような中、御案内のとおり、本年六月二十七日に、消費者庁創設のための「消費者行政推進基本計画」が閣議決定され、来年度の消費者庁スタートに向け、現在開会中の臨時国会に消費者庁設置法案が提出されたところであります。
 政府・与党が目指す消費者庁構想は、産業の振興・育成を効率的に進めるための組織形態として続いてきた現在の縦割り行政を打破することを目的とし、消費者目線の行政を進めるかじ取り役としての消費者庁を創設することにより、行政自体を消費者重視、国民本位に改めようとする、いわば新たな行政改革への取り組みとも言うべきものであります。
 基本計画によると、消費者庁は、消費者行政担当大臣のもと、内閣府の外局として設置され、消費者の視点から政策全般を監視するため、強力な総合調整権限、勧告権が付与され、既存の法律、新法を問わず、法案の企画立案機能を持ち、各省庁の縦割りを越え、幅広い分野を対象とした横断的な新法等を企画立案することを重要な任務とされております。
 どういうことかと言えば、これは、かつて輸入おもちゃの塗料に基準値を超える鉛が含まれていた事件では、一、情報発信がおくれた、二、食品衛生法上のおもちゃの種類が限定されていた、三、一部の塗料について、食品衛生法上の規格がなかった、四、おもちゃの所管省庁が厚労省や経産省など多岐にわたっていた、五、規制のすき間があったなどの理由で消費者に不安を抱かせてしまったり、死者も出したガス瞬間湯沸かし器事件では、事業者の報告義務や一元的な情報収集が適切に働かなかったという反省をもとに、あらゆる事故情報が一元的に集まり、法に基づいて素早く対処でき、規制のすき間があれば新法を立案し、他省庁への勧告権を持つ、国民を守るためには実効性ある強い消費者庁を構想しているということであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、消費者の暮らしの安心・安全を確保するためには、消費者が身近に相談できる県や市町の消費生活センターの役割は、ますます重要になると考えますが、現在、県として、消費者からの相談にどのように対応されているのか、お伺いいたします。
 また、国においては、消費者庁の設置に向けた動きが進んでいますが、こうした動きに呼応して、今後、県としてどのように相談体制の強化を図られるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、雇用促進住宅の退去困難者への支援についてお尋ねいたします。
 雇用促進住宅は、就職することに伴い住居を移転する方や、転勤等により住居の移転を余儀なくされ、住宅に困窮している方などに対し、住宅の確保を図ることで職業の安定を図るため、国が設置し、現在においては、独立行政法人雇用・能力開発機構が運営している住宅であります。
 この雇用促進住宅は、現在、全国で約十四万一千戸あり、本県においても、三十三カ所、約二千八百戸設置されているところであります。
 この雇用促進住宅については、平成十三年十二月に閣議決定された「特殊法人等整理合理化計画」や平成十九年六月に閣議決定された「規制改革推進のための三カ年計画」等を踏まえ、平成三十三年度までに譲渡・廃止を完了することとし、そのうち二分の一程度を、平成二十三年度までに前倒しして廃止することとされております。
 本年四月以降、新規入居を停止し、十二月以降は契約更新を行わず、順次退去することになっており、本県においても、千八十九戸が対象になっております。
 こうした中、本年四月一日付で廃止決定された六百五十住宅については、既に退去を求める入居者説明会などが全国で開催されており、多くの入居者に混乱が生じています。とりわけ、転居先の見つからない長期入居者などには大きな不安が生じています。長期入居者のうち、特に高齢者、加齢に伴う体の弱りを訴えられる方など、やむを得ない、かつまた、困難な事情を抱えたままで転居先が決まらない入居者からは、悲痛な訴えをお聞きしている状況であります。
 このため、我が公明党においては、去る八月二十一日、厚生労働省に対し、居住者への丁寧な説明と情報提供体制の整備、退去までの準備期間の確保、公営住宅への優先入居の促進など、自治体との連携強化などに関する要請を行ったところであります。
 こうした入居者の退去に関しては、当然、政府に対しても適切な対応を求めるものでありますが、特に先ほど申し上げました高齢者や加齢に伴う体の弱りを訴えられる方など、入居者の方々が安心して住むことのできる環境の確保が重要だと考えております。
 そこで、お尋ねいたしますが、県として、この雇用促進住宅の廃止問題にどのような姿勢で取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。
 最後に、裁判員制度と警察の適正な取り調べについてお尋ねいたします。
 国民の有権者の中から無作為に選ばれた裁判員が、殺人や傷害致死などの重大事件の刑事裁判で、裁判官とともに犯罪を裁く裁判員制度が、明年五月二十一日から実施されます。
 同制度では、法律の専門家ではない国民が裁判に参加し、国民の視点・感覚が裁判の手続・内容に反映されるようになること、そして、それによって、国民の司法に対する理解と支持が深まることが期待されています。また、そのほかにも、裁判がより迅速に行われるようになることや、裁判の手続や判決の内容がよりわかりやすくなることも期待されております。
 ただ、実際の裁判では、供述調書の任意性や信用性などが争われることも多く、一たび裁判員となった場合には、そうしたことに対する判断も求められることは必然で、法律家でない国民にとっては非常に判断に苦しむ場面に立たされてしまうことも十分に考えられます。
 しかし、憲法で定められた被疑者の人権擁護の立場から、密室での長時間の取り調べが容認されていいはずはありません。さらに、国民の有権者の中から無作為に選ばれ、義務として裁判員となった人たちに、自白の任意性について延々と審理させることがあってはなりません。
 こうした中で、裁判の短期化を目標の一つにする裁判員制度導入にとって、取り調べの可視化は検討すべき取り組みの一つと考えます。取り調べの可視化とは、捜査の結果、犯罪を行ったと疑われる被疑者に対して、警察や検察が行う取り調べの全過程を録音・録画することで可視化が実現すると、冤罪の原因となる密室での違法・不当な取り調べによる自白の強要が防止できるとともに、供述調書に書かれた自白の任意性や信用性が争われた場合には、取り調べの録音・録画テープが証拠となります。
 自白の任意性、信用性を迅速・的確に判断するための方策として、また、冤罪事件を防ぐための有効な手段であることは、二○○六年から取り調べの一部録音・録画の試行を続けている検察から、自白の任意性の立証に有効などとする中間報告が本年三月に出されたほか、四月からは裁判員制度が行われる全地検と地検支部でも、取り調べの一部録音・録画の本格的な試行を実施しており、捜査の最前線を担う警察も、九月から警視庁等一部で取り調べの一部録音・録画を試行しております。
 しかし、当初から警察、検察ともに、取り調べの可視化について反対の姿勢を示しておりました。その背景には、日本の刑事手法では、欧米では認められているおとり捜査や潜入捜査、さらには通信や会話の傍受といった多彩な捜査手法が認められていないため、被疑者逮捕の時点で十分な証拠収集が可能で、あえて自白させる必要のない刑事手法制度を持つ欧米諸国とは異なり、裁判に持ち込めるだけの証拠を得るためには、どうしても被疑者の自白に頼らざるを得ず、取り調べの中で信頼関係を築き上げて自白に追い込む必要があると説明されてきました。
 ところが、富山県の氷見事件や鹿児島県議選での志布志事件のように、一部では、自白を得ようとする余り、被疑者に対する違法・不当な取り調べが行われ、虚偽の自白に追い込まれたものもあり、取り調べの可視化について、国民的な関心を呼びました。
 そこで、我が公明党の「これからの捜査の在り方検討会」は、二○○四年に衆参両院の法務委員会がそれぞれ全会一致で採択した附帯決議を踏まえ、「あるべき取り調べの適正化についての提言」をまとめました。刑事手続全体を見渡し、当面求める施策、今後検討すべき施策と段階を踏んだ慎重な検討を可能にする配慮など、具体的なプロセスを示したところであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、明年から裁判員制度がスタートいたしますが、山口県警察では、警察捜査における取り調べの信頼性や透明性の確保にどのように取り組まれているのか、お伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
◎知事(二井関成君) 私からは、観光振興についてのお尋ねにお答えいたします。
 観光の振興は、交流人口の拡大を通じて本県経済の活性化に資するものであります。「住み良さ日本一の元気県づくり」を進める上でも、極めて重要であると考えております。
 このため、現在策定中の「加速化プラン」におきましては、「年間観光客三千万人構想の実現」を重点事業として位置づけ、戦略的な観光施策を推進していくことにいたしておりますが、私は、今後の観光戦略を進めるに当たっては、この七月からの期間中、好調に推移をいたしておりますデスティネーション・キャンペーンの成果を生かし、これを発展させていくことが重要であると考えております。
 今回のキャンペーンでは、各地域において、市町及び観光団体が連携して、新たな観光素材の創出に取り組みますとともに、「山口どこでも紙芝居」等のおもてなしプログラムに積極的に住民が参加するなど、地域力や県民力は大きく育っているとこであります。
 今後、こうした地域一体となった受け入れ体制をさらに強化をし、多彩な観光資源のブラッシュアップを進めることによりまして、全国に誇れる魅力ある観光地づくりを進めることにいたしております。
 また、PR媒体の効果的な活用や旅行会社とのタイアップにより、本県観光の露出度を高めることができました。そのことから、このノウハウやネットワークを活用して、ターゲットに的確に応じた情報発信や旅行商品の企画をさらに促進をすることによりまして、旅行形態の変化や市場の動向を踏まえた戦略的な観光PRを実施することにいたしております。
 さらに、お示しがありました観光圏整備を初めとする広域的な地域連携の取り組みは、国際観光も視野に入れた魅力ある観光地の形成を促進するものでありますから、これまで以上に積極的に取り組んでいく必要があります。
 私としては、今回のキャンペーンをはずみにして、今後、有識者や観光関係者で構成する県観光戦略会議における検討や提言、また観光関係団体や市町の意見も踏まえまして、「年間観光客三千万人構想」を具体化するためのアクションプランを策定することにいたしております。これを着実かつ計画的に推進をして、「観光交流県やまぐち」の実現に取り組んでまいります。
 そのほかの御質問につきましては、関係参与員よりお答えいたします。
◎土木建築部長(柳橋則夫君) 土木防災情報システムのさらなる機能強化についてのお尋ねです。
 現在の土木防災情報システムは、水防活動を支援するため、平成十二年から県・市町等の水防関係者を対象に、雨量や河川水位等の情報を配信してきました。
 また、平成十四年からは、広く県民の皆様へも同様の情報を提供するため、県のホームページにも公開しています。
 お示しのとおり、県としましても、県民の皆様への迅速で正確な情報提供は重要であると考えており、携帯電話等へのメール自動配信サービスを平成二十二年度から開始できるよう、現在、システムの改良を行っているところです。
 具体的には、注意報・警報の発令時に、携帯電話等へのメールを通じて、このサービスを希望する県民の方々に必要な情報を提供できるようになります。あわせて、利用者がより使いやすいように、見やすい画面や操作手順の簡略化を行ってまいります。
 県としましては、こうした機能強化を図るとともに、より多くの県民の皆様に土木防災情報システムを利用していただけるよう、市町とも協力し、出前講座や防災学習等あらゆる機会を通じ、普及・啓発に努めてまいります。
◎総務部長(三好猛君) 歳入の確保対策に関連して、個人県民税の徴収対策についてのお尋ねであります。
 個人県民税につきましては、お示しのように、昨年度実施された税源移譲により、調定額がほぼ倍増となる一方で、滞納繰越額は増加しております。
 個人県民税は、市や町に賦課徴収権があり、原則として県が直接に徴収することができないため、従来より、市町との共同催告や共同訪問、市町税務職員の研修など、側面的な支援を行ってきたところです。
 さらに、平成十七年度からは、徴収が困難な滞納事案を市町から引き継ぎ、県が直接滞納整理を行う、いわゆる直接徴収を実施してきました。
 こうした中で、一部の市町から、滞納整理のノウハウを直接指導してほしいという要望があり、県としても、市町みずからの徴収能力の向上が不可欠との判断のもと、昨年度からは県職員を市町に派遣し、市町職員とともに滞納整理を行う併任徴収を導入したところであります。
 昨年度は、特に強い要望があった一市二町に延べ四人を派遣し、具体的な成果として、納付、納税誓約、財産差し押さえ等により約一億九千万円の滞納に解消のめどをつけました。
 本年度は、個人住民税市町徴収支援チームを新設し、五市五町に延べ十三人の職員を派遣しております。
 一方、個人県民税の滞納繰越額の四分の三は、人口十万人以上の六市で抱えており、この中には一般的な徴収技術では対応が困難な大口かつ悪質な滞納が多数見受けられることから、滞納繰越額の圧縮を図るためには、これらの事案への対応が大きな課題となっております。
 したがいまして、今後の対応につきましては、これまでの市町職員の徴収技術のレベルアップに主眼を置くものとは異なり、極めて徴収困難な滞納事案に的を絞って、市職員とともに、自宅や事務所などに立ち入り、財産調査を行う捜索を中心とした、新しい形の併任徴収制度について検討を進めているところであります。
 県としましては、今後とも、併任徴収等の実施を通じて、市や町との連携をこれまで以上に密にしながら、移譲された税収の確保に努めてまいりたいと考えております。
◎環境生活部長(伊藤通雄君) 消費者行政についての二点のお尋ねにお答えします。
 まず、消費者相談への対応についてです。
 現在、県の消費生活センターでは、悪質商法や多重債務等に関する相談の受け付けから問題解決に至るまで、きめ細かな対応を行っております。
 昨年度は七千八百五十一件の相談があり、その多くは専門相談員による助言や情報提供により解決しておりますが、消費者による解決が困難な事案については、弁護士等の専門家と連携したあっせんや調停により三百五十一件の解決が図られたところです。
 また、特に悪質な事業者に対しては、業務停止命令や不当な取引に対する是正勧告を行うなど、警察や保健所等の関係機関とも連携を図りながら、厳正に対処しております。
 なお、被害の未然防止を図ることが何よりも重要でありますことから、昨年十二月に構築した市町や消費者団体等百三十四の関係機関で構成する「くらしの安心ネット」を活用し、随時、食品偽装や架空請求等に対する注意喚起を行うなど、県民の暮らしの安心・安全の確保に努めているところであります。
 次に、国の消費者庁設置に呼応した今後の相談体制の強化についてです。
 県では、国の動きも踏まえ、現在、庁内関係課で構成する検討会において、今後の相談業務のあり方を初め、国等関係機関との連携や弁護士等の専門家の活用など、センターを窓口とした相談体制の強化方策等について、検討を進めております。
 とりわけ、消費者からの相談に迅速に対応するためには、身近に相談できる市町センターの充実強化と、国・県・市町の情報の一元化・共有化を図ることが大変重要であります。
 このため、市町に対し、国において検討されている新たな支援制度を活用したセンターの新設や組織体制の強化について働きかけるとともに、相談員の資質向上に向けた研修についても充実していく考えであります。
 また、今後、整備が予定されている全国の相談情報を一元化するネットワークシステムを活用し、情報の迅速な収集・提供や共有化等を進めていきたいと考えております。
 県としましては、今後とも、国・市町・関係機関等と連携を密にし、県民の視点に立った消費者行政の推進に積極的に取り組んでまいります。
◎商工労働部長(佐本敏朗君) 雇用促進住宅の廃止問題への県の取り組みについてのお尋ねであります。
 お示しのように、雇用促進住宅は、国が設置し、独立行政法人雇用・能力開発機構が運営する施設でありますことから、入居者の円滑な移転や退去困難者への配慮など、住宅の廃止に伴う問題につきましては、まずは、国及び機構が責任を持って取り組まれるべきものと考えており、県といたしましては、国及び機構において適切な対応が図られるよう働きかけてまいります。
 しかしながら、お示しのように、入居者の方々が安心して住むことのできる環境の確保は重要な問題でありますことから、県といたしましては、国や機構からの要請に基づき、県営住宅の募集情報や高齢者等の優先入居の取り扱い制度に関する適切な情報提供に努めるとともに、入居者の方からの住宅関係の各種相談へきめ細かに対応するなど、関係部局の連携のもと、入居者の移転先の確保が円滑に進むよう協力してまいります。
◎警察本部長(御手洗伸太郎君) 取り調べの信頼性や透明性の確保に向けた取り組みについてお答えを申し上げます。
 警察による被疑者の取り調べにつきましては、そのあり方を問われる無罪判決等が相次ぎ、国民から厳しい指弾を受けたことから、取り調べに対する信頼性を確保するため、全国警察を挙げて、取り調べの一層の適正化に向けた取り組みを推進しているとこであります。
 本県警察における具体的取り組みとしては、警察本部内に「被疑者取調監督推進室」を設置するとともに、本年九月一日の全国一斉の試行に先駆け、本年六月から捜査部門以外の部門において、取り調べ室の外部から取り調べの状況を視認するなど、取り調べに対する監督を強化しております。
 また、深夜または長時間の取り調べを行うに際して、本部長あるいは警察署長の承認を受けさせるなど、取り調べ管理の徹底を図っております。
 さらに、取り調べの適正化に関する規定や各種施策の趣旨、具体的内容等につきましては、警察署長会議等の各種会議やセミナーの開催、全警察署に対する巡回指導を実施し、警察職員一人一人まで確実に浸透させるよう、指導・教養を徹底し、意識の向上に努めているとこであります。
 なお、取り調べの一部録音・録画につきましては、本年九月一日から警視庁等五都府県において試行されており、今後、警察庁において、この試行結果の検証等が行われるものと承知しております。
 いずれにいたしましても、本県警察におきましては、警察捜査に対する県民の信頼をより確かなものとするため、来るべき裁判員制度への適合性をも念頭に置きつつ、引き続き、取り調べの一層の適正化について全力を挙げて取り組んでまいります。

Posted on 2008/09/30 Tue. 13:45 [edit]

category: 2008年議会報告

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平成 20年 2月定例会 

平成 20年 2月定例会 - 03月03日-02号
△日程第三議案第一号から第六十七号まで
◆(上岡康彦君) 公明党の上岡康彦でございます。公明党県議団を代表いたしまして、県政の諸課題について質問をさせていただきます。
 初めに、救急医療対策についてお伺いいたします。
 我が公明党では、昨年、党救急医療対策推進本部を立ち上げ、十一月から十二月にかけて、国会議員と地方議員が一丸となり、全国千百四十の二次救急病院でアンケート調査を行いました。
 それによると、勤務医の救急当番の状況については、「毎日」が五四・二%で、「週に数日」三八・一%を合わせると九割を超え、勤務医の過酷な労働条件が明らかになりました。
 また、救急医療に対応するスタッフの勤務ローテーションについても、「厳しい」五七%と「極めて厳しい」二七・四%を合わせると八四・四%に達し、厳しい勤務状況が浮き彫りになりました。
 また、救急医療が向上するための改善策については、「診療報酬の引き上げ」八一・三%、「医療スタッフ不足の解消」七五・五%など、深刻な医師・看護師不足への対応と診療報酬の引き上げを要望する意見が際立つ結果がまとまりました。
 一方、同推進本部は、二百二の医師会などからもヒアリング調査を行い、医師確保と医療スタッフの養成や早期にドクターヘリの配備を求める声も寄せられたところであります。
 そこで、一点目の質問では、ドクターヘリの導入についてお伺いいたします。
 我が党では、これまでも、救急医療体制の充実を図るため、全国的にドクターヘリの導入に向けた取り組みを強力に推進してまいりました。
 そうした中、昨年「ドクターヘリ特別措置法」が成立し、これを受けて、国では検討会を設置し、ドクターヘリの全国的な配備や支援のあり方などについて検討が進められているところであります。
 我が県では、全国に先駆けて、従来より山口大学医学部附属病院などとも連携を図りながら、消防防災ヘリ「きらら」を活用し、ドクターヘリ的な運用による救命救急活動を展開しております。本年度内に、山大医学部附属病院高度救命救急センターに委託されたドクターヘリの必要性等の調査研究事業の検討結果が、報告書としてまとめられることになっております。
 私は、昨年九月の定例議会・一般質問で、久留米大学病院高度救命救急センターでのドクターヘリ現場視察調査の報告をいたしましたが、先月、唯一県内に二機のドクターヘリを有する静岡県に調査に行き、その足で厚生労働省へも赴き、聞き取り調査を行い、全国の状況等もつぶさに伺ってまいりました。
 議会のたびに、公明党県議団としてドクターヘリ導入を訴えてまいりましたので、ドクターヘリの運用やその効果について、ここで改めての説明は不要かとは思いますが、国から聞いたドクターヘリの全国的な導入状況を見ると、近年は特に、各県において急速に配備が進められており、現在の十三道府県に三県を加えた十六カ所の予算を平成二十年度に盛り込んでいるとのことでありました。
 そこで、お尋ねいたしますが、今回上程された予算案には、新規事業「ドクターヘリ導入検討事業」が盛り込まれておりますが、ようやくドクターヘリ導入への扉が開いたと思うと、我々公明党県議団としてはまことに感無量であります。今年度の調査研究をも踏まえながら、ドクターヘリ導入に向けてのより具体的な調査が進められると思いますが、今後の導入に向けての取り組みについて、御所見をお伺いいたします。
 救急医療体制の二点目に、小児救急医療体制についてお尋ねいたします。
 全国的に、小児科勤務医の減少により小児救急医療体制の維持が困難をきわめており、既に限界を超えた状況にある地域も少なくありません。そうした中で、国では、小児救急医療体制を整備するために、勤務医の勤務環境の改善や小児医療に対する診療報酬を手厚くするなど、その対策を全力で推し進めることとしております。
 県内の状況を見ましても、小児科医は開業医ではふえていますが、勤務医はその厳しい勤務条件などからふえておらず、小児科勤務医の不足により小児救急医療体制が崩壊寸前になってきているとも言われております。
 公明党では、これまでも、小児科勤務医の負担を減らし、お母さん方の不安をも取り除くために、県内どこからでも電話番号♯八○○○番でつながり、医療機関での受診の前に医療の相談が受けられる夜間の「小児救急医療電話相談」の開設を実現し、お母さん方から高い評価を受けております。
 しかしながら、その後、子供のぐあいが悪化し、病院に連れていきたいと思われるケースもあります。また、電話での相談は利用せず、直接病院に連れていかれるお母さん方が多くおられることも事実であります。
 子供の病気が昼間なら、遠くても何とか小児科医のもとへ駆けつけることが可能ですが、夜間となると、苦しむ我が子を前にして、親の不安はいかばかりでありましょうか。
 現在、夜間の小児救急患者については、在宅当番医や休日夜間急患センターのほか、救急病院で対応する体制が整えられていますが、これまで地域の小児救急医療を担ってきた病院の一部において、小児科の診療体制の縮小が余儀なくされているという厳しい現実もあり、今こそ、行政レベルでの対応が必要であるとの声も聞こえてまいります。
 そこで、お尋ねいたしますが、各地域における三百六十五日二十四時間の小児救急医療体制を維持強化するためには、不足する小児科勤務医の確保に最大限努めるとともに、それぞれの医療機関が役割分担や連携を図りながら、医療の提供ができ得る体制づくりが喫緊の課題であると考えますが、県はどのように取り組まれようとしているのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、がん対策についてお尋ねいたします。
 本年一月、公明党県議団で県内の病院内のがん検診・放射線治療施設を視察し、従来のPETより高品質の体内断層画像が撮影できる「PET-CT」、また放射線治療装置として、患部だけのピンポイント照射で治療効率の向上が図られる最新技術についての説明を受けてまいりました。その後、県内のがん治療の現状などについて意見交換いたしましたが、双方ともに、がん対策に当たって重要なことは、早期発見・早期治療であるとの共通した認識で一致したところであります。
 さて、山口県における平成十八年度のがんによる死亡者数は四千六百七十九人で、全死亡者数の二八・五%を占め、三人に一人ががんで亡くなられるという状況にあります。がん対策の推進については、これまでも公明党の最重要課題の一つとして、積極的に取り組んでまいりました。
 そうした中、昨年、我が党の強い訴えにより成立した「がん対策基本法」が施行されたところであります。このがん対策基本法では、各県においてがん対策を進めるため、各県独自の「がん対策推進計画」を策定することとされており、本県においても、今後のがん対策の基本、目標となる計画がこの三月には策定が予定されております。
 この推進計画の策定に当たっては、我が党としても、これまでさまざまな提案を行ってまいりましたが、この計画が山口県のがん撲滅に向けた有効な指標となるよう、熱い期待を寄せているところであります。今後は、この推進計画に基づき、本県でもがん対策が進められることとなりますが、がんが本県における死亡原因の第一位となっていることを考えると、これまで以上に積極的な取り組みが求められてきます。
 公明党県議団としても、がん対策については、その治療水準を上げることはもとより、予防や早期発見のための検診受診率の向上など、さまざまな角度から総合的な取り組みを一層推進していくことなどが不可欠であると考えており、これまでも議会あるごとにその取り組みについて促してきたところであります。
 知事におかれましては、こうした我が党の提案・要望を真摯に受けとめられた上で、「がん対策推進計画」の元年となる来年度当初予算案を編成されたものと考えております。
 そこで、お尋ねいたしますが、本県のがん撲滅のために、知事は、今後、がん対策のより一層の充実・強化についてどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 次に、企業誘致の推進についてお尋ねいたします。
 企業誘致は、全国数ある地域の中からわざわざ山口県を選択していただき、本県の経済にも寄与していただくわけでありますから、県の総力を挙げて、その企業を迎え入れる意気込みや本県の持つポテンシャルの高さを相手にしっかりと伝えることが大切であります。
 またあわせて、進出してきていただいた企業が、山口県に立地して正解だったと思っていただける支援体制を構築することが極めて重要な要素であると考えております。
 こうした観点から、県が昨年五月に立ち上げた「山口県高度技術産業集積推進本部」は、知事みずからが本部長を務められるなどして、全庁一丸となっての取り組みは、県内の企業はもとより、全国の企業に対しても誘致に向けての好条件や立地後の安心感を発信できたものとして、今後の成果に大いに期待をしているところであります。
 また、本議会に上程されている来年度予算案についても、企業誘致を推進するための優遇策の拡充が予定されており、その施策を十二分に活用していただいて、一社でも多くの誘致を実現し、一人でも多くの雇用に結びつけていただきたいと念願するものであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、地域間競争が熾烈化している中で、地域経済の活性化を初め、多様な効果が期待される企業誘致の推進について、今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、原油価格高騰対策の実施についてお尋ねいたします。
 日本の二○○八年の幕あけは、政治的にも経済的にもまさに波乱の幕あけとなりましたが、去る九日、東京で開かれた先進七カ国財務省・中央銀行総裁会議、いわゆるG7で採択された共同声明では、世界経済の現状を「困難で不確実な環境に直面している」と指摘しております。
 アメリカのサブプライムローン問題に端を発した金融市場の混乱や世界同時株安の影響は、欧州、アジア諸国にも及び、我が国の経済にも大きな打撃を与えました。特にガソリンや灯油の高騰は、私たちの日常生活のみならず、それぞれの産業への影響も深刻であり、経済活動に与えるダメージも尋常ではありません。
 昨年末、我が公明党は、原油高騰対策案をまとめ、政府挙げての取り組みを求めてまいりました。その結果、補正予算の原油高騰対策では、公明党が行った緊急対策要望を反映させた五百七十億円が計上され、九十項目以上にわたる対応策が盛り込まれました。
 具体的には、中小企業の既往債務の返済緩和、セーフティーネット保証や貸し付け、高速道路料金の引き下げを初め、福祉灯油など生活弱者への支援や離島住民の生活交通を維持するため、離島航路事業者に対する補助金十七億円のほか、漁船などの燃料費対策として百二億円が確保されました。また、原油高騰で苦しむ中小企業の資金調達の円滑化を図るため、中小企業金融公庫などの財務基盤強化対策が追加されたところであります。
 本県としては、昨年十一月に原油価格高騰対策庁内連絡会議を設置するなど、迅速な対応には評価をいたします。がしかし、原油・石油製品を使用する中小企業者、施設園芸など暖房用の燃料を多量に使用する農業者や、燃油の高騰により経営が圧迫されている漁業者へは、県独自の対策を創設するなど、かねてより対応策のさらなる充実が求められておりました。
 こうした深刻な事態を重く受けとめ、我々公明党県議団として、二井知事に対し、予算要望を行ったところでありますが、今議会に提案されている当初予算案は、そうした当面する緊急課題として原油価格高騰への対応も盛り込まれており、大いに状況の打開へ向けて効果があらわれることを期待しているところであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、原油価格高騰の影響をまともに受けてしまう中小企業者、また農業者や漁業者に対し、今後、どのように対応されるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、道路特定財源についてお尋ねいたします。
 本年一月十五日に、政府は、平成十九年度の地方税収入が大幅に減収の見込みとなったことから、減収補てん債を赤字穴埋め目的で発行することを認める方針を固めたとの大きな見出しが一斉に報道されました。戦後三度目の異例の措置であります。
 地方自治体は、税収が国の見積額を下回った場合に減収補てん債を発行し、法の定めるところにより建設事業に限定して充当しております。今回の政府方針については、十九年度の景気減速に伴う大幅な減収を補てんする赤字穴埋め目的のため、地方財政関連の法改正が伴うようですが、これらの法案が成立しなければ、幾つかの団体は、財政破綻までは転落しないまでも、まさに財政非常事態に陥ることになります。
 こうした地方財政の状況をかんがみるだけでも、先月二十日に行われた定例記者会見での知事の発言にもありましたが、例年にも増して厳しい状況の中、八年連続のマイナス規模となる二十年度予算編成には大変に御苦労されたことと思います。
 もう一方で、もとより厳しい財政状況下にありながら、税収見通しが不安定な状況に加え、道路特定財源の問題も避けては通れない不安材料の一つになっております。
 現在、国においては、原油高騰の影響で急騰したガソリン価格をめぐり、これまで上乗せされてきた暫定税率の廃止、「道路特定財源制度」の一般財源化、あるいは、昨年十二月の「道路特定財源の見直しについて」の政府・与党合意で示された「道路の中期計画」の中身にまで議論が拡大しております。
 「ガソリン代がリッター当たり二十五円安くなったらいいなあ」と思うのは庶民感覚として当然です。私も、最近では、ガソリンスタンドに行くと勢いよく上昇する価格表示を見ながらどきどきします。
 しかし、言うまでもなく、道路の果たす役割とは、救急医療、消防活動、防災対策などさまざまな経済活動などを支える動脈であり、地域をつなぎ支えるネットワークを形成する上でも重要な役割を持った社会資本であります。特に公共交通網の利便性が不十分な地方にあっては、真に必要な道路の維持・整備は、大都市に比べて、より重要な課題だと考えます。
 車が生活の必需品である本県において、道路の果たす役割は極めて大きいものがあり、私は、本県の道路整備はまだ不十分な状況であると考えます。
 仮に、租税特別措置法などの法改正がなされず、暫定税率や地方道路整備臨時交付金が廃止になった場合、多額の財源不足が生じ、道路整備ができないばかりか、福祉、教育等の各種行政サービスの低下など、財政運営上に大きな問題となることが懸念されるところであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、このように財政状況が厳しい中、安定的な財政運営を行いつつ、本県の道路整備を計画的に進めるためにも、現行の暫定税率を維持することが極めて重要であると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、地域の学校支援についてお尋ねいたします。
 最近、子供の凶悪犯罪や不登校の急増、また少子化や核家族化が進行する中で、人間関係の希薄化とともに、地域における地縁的なつながりの希薄化なども要因だとして、地域の教育力の低下が指摘されております。その解決に向けて、地域コミュニティー組織の活性化を初めとして、これまでも地域ぐるみの議論がさまざま行われております。
 一方で、学校においては、学校現場を取り巻く環境の変化に伴い、安全の確保などの防犯対策を含め、教育という本来の職務以外での業務量も増加し、教員の多忙化が問題になっております。
 聖職たる本来の職務として、子供たち一人一人へのきめ細かな指導を行う時間の確保という観点から言えば、もっと地域が学校を支えていくことも重要だと考えております。
 これまで、国や県では、地域の教育力向上に向け、地域の多様な人材を活用したさまざまな取り組みを進めておりますが、特に、「放課後子ども教室」や「総合型地域スポーツクラブ」は、我々公明党としても積極的に推進してきたところであります。
 国においては、地域全体で学校教育を支援する、新規の「学校支援地域本部事業」に平成二十年度予算案で五十億四千万円が計上され、全市町村千八百カ所に同本部が設置されることになりました。
 具体的には、中学校区単位に地域全体で学校教育を支援する体制づくりを推進するため、地域の元教員やスポーツ経験者、調理師など特技を持つ人が、授業やクラブ活動などで教員の補助に当たるというものであります。
 こうした地域住民の積極的な参加による学校支援活動を通じて、教員方には、増加した業務量の軽減並びに本来必要な教員としての時間確保に努めてもらおうというものであります。
 この学校支援地域本部の設置については、我が公明党文部科学部会が、昨年十一月、福田首相への申し入れの中で、子供の豊かな心を育てるために、学校、家庭、地域社会の連携に当たって、「特段の配慮」を求めるなどして、学校への地域支援の体制づくりを推進してきたものでありますが、本県においても、来年度から「学校支援地域本部事業」を県下二十中学校区を目標に取り組む予定になっております。
 私は、昨年九月議会でも申し上げましたが、以前より、教育は学校現場だけに任せるものではなく、学校と家庭や地域との連携が不可欠であると考えております。学校と地域がお互いを支え合い、地域と協働して子供たちをはぐくむ作業が、今まさに求められていると思っております。
 そこで、教育長にお尋ねいたしますが、この「学校支援地域本部事業」を成功させるためには、学校支援ボランティアの協力と地域コーディネーターの役割が非常に重要であると考えます。地域の教育力向上と地域全体での学校教育支援という観点から、今後どのように本事業を推進していくおつもりか、お尋ねいたします。
 最後に、犯罪被害防止対策についてお伺いいたします。
 先般、発表されたところによると、全国における昨年一年間の振り込め詐欺の認知件数は約一万七千九百件と、前年に比べ約六%減少し、平成十六年から三年連続して減少傾向にあり、大変喜ばしいことではあります。
 しかしながら、被害の内訳を内容別に分析してみると、税金などの返還を装う新手の還付金詐欺の認知件数が約二千六百件と、対前年の五・三倍にも急増し、被害額では約三十億円と、何と前年対比で約六倍にも激増しております。
 山口県では、現在のところ還付金詐欺による被害は数件しか確認されていないものの、昨年一月から本年一月上旬まで、社会保険事務所の職員を名乗る不審な電話が約百五十件も確認されており、今後の被害拡大が懸念されるところであります。
 また、おれおれ詐欺についても、件数こそ減少したとはいえ、約八千万円にも上る被害が発生している状況から考えるならば、まだまだ予断を許さない深刻な状況にあると言えます。
 こうした詐欺事件は、社会現象に敏感で時事的な話題を巧みに利用することが多く、「年金の払い戻しがある」と社会保険庁を名乗ったり、「払い過ぎた電話料金を返還する」としてNTTを名乗ったりすることにより、被害者を信用させることが特徴的な傾向として見受けられます。あるいは「手続は本日まで」と期限を区切るなど、巧妙に被害者心理をつく手法をとっているほか、銀行の本支店内や郵便局のATMは避けて、巡回する行員のいない金融機関やコンビニのATMを利用させることも被害に遭いやすい原因だと考えられております。
 また、口座や電話番号からはなかなか加害者にたどり着けないほか、口座に振り込みのないことが被害者に確認されて初めてだまされたことに気づくことから、被害届がおくれがちとなることも摘発を困難にしている一因となっているようであります。
 これらの被害者の大半は、年金暮らしなどの経済基盤が脆弱な高齢者であることが多いのであります。実際、私も被害者からの県民相談を受けたことがありますが、長年、つめに火をともす思いでためてきた財産を、悪知恵を働かせて奪い取るような理不尽さ、その不逞のやからたちに対して、私はこの上ない憤りを禁じ得ないのであります。
 そこで、警察本部長にお尋ねいたします。現在、振り込め詐欺などで犯人の口座に残っている被害金を、迅速に被害者に返還できるよう法整備が進められるなど、被害者保護の動きが徐々に具体化しつつありますが、しかし何よりも重要なことは、こうした詐欺被害に遭わないようにするための予防策、つまり事前の一策が大事なのであります。県警察として、こうした詐欺等の被害を防止するために、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 以上で、私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
◎知事(二井関成君) 上岡議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、救急医療対策についての二点のお尋ねであります。
 県民の皆様が、迅速で適切な救急医療が受けられるように、救急医療体制を整備・充実することは、暮らしの安心・安全基盤の強化を図る上で、重要な課題であります。
 このため、県といたしましては、救急搬送から、軽症患者に対応する初期救急医療、重症患者を受け入れる二次救急医療、重篤な救急患者を受け入れる三次救急医療までの救急医療体制の総合的な整備・充実に努めてまいりました。
 そこで、まず、お尋ねのドクターヘリについてでありますが、救急医療に必要な機器の装備や医薬品を搭載し、医師を速やかに救急現場に出動させ、必要な医療を提供するもので、救命率や社会復帰率の向上に大きな効果がありますことから、昨年六月、「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法」、いわゆるドクターヘリ法が制定されたところであります。
 このドクターヘリの導入に当たりましては、運航主体機関やヘリ運用のための財政的措置などさまざまな運用上の課題もありますが、私は、医師の地域偏在、離島や中山間地域が多い本県の特性を踏まえ、救急医療体制の強化と、事故・災害時における救命措置の充実を図るため、関係機関と十分連携しながら、できるだけ早期に導入したいと考えております。
 このため、新年度におきましては、有識者からなる「ドクターヘリ導入検討委員会」を設置し、本県の救急医療の実情に応じた運航体制のあり方などを検討いたしますとともに、本県唯一の高度救命救急センターを設置する山口大学へ委託し、ドクターヘリを配備する病院と搬送先病院との連携、救命救急センターにおけるヘリポートの整備、ドクターヘリ運航に必要な医療従事者等の養成・確保のあり方について調査研究するなど、ドクターヘリの導入に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、小児救急医療体制についてであります。
 お示しがありましたように、小児救急医療体制の中核的な担い手である小児科勤務医の不足が進み、その体制の確保が難しくなってきておりますことから、医師確保はもとより、その不足の要因ともなっている厳しい勤務環境の改善、さらには、地域の病院と開業医の適切な役割分担と連携体制の確立に取り組む必要があると考えております。
 このため、このたび新たに講ずることといたしました医師確保対策、具体的には、研修医への研修資金の貸し付けや、県外医師等を県職員として採用し、医師確保が困難な公的医療機関等へ派遣するドクタープール事業などの中で、小児科勤務医の確保に取り組むことといたしております。
 さらに、こうした確保対策に加えて、勤務環境の改善を図るためには、医療機関が行う就労環境の整備を支援し、特に、小児科に多い女性医師の離職を防止するとともに、今年度策定する「小児科・産科における医療機能の集約化・重点化計画」に基づき、地域の実情を踏まえながら、病院の医療機能の集約化・重点化を進め、勤務医の負担軽減に努めることといたしております。
 また、医療機関の役割分担と連携体制につきましては、一人一人の小児患者の症状に応じた適切な救急医療を提供できるよう、小児救急医療において個々の医療機関が担う診療機能を明らかにした上で、病院と開業医との密接なネットワークにより小児救急医療を支える体制を確立し、来年度、保健医療計画に位置づけることにいたしております。
 こうした取り組みにより、三百六十五日二十四時間対応の小児救急医療体制を確保していくことにいたしておりますが、一方でこうした体制を維持していくためには、県民の皆様の小児救急医療に対する理解と協力が不可欠であります。
 このため、お示しの急病時の夜間における身近な相談窓口となる「小児救急医療電話相談」の活用を初め、保護者を対象とした講習会の開催、広報誌等による普及啓発に取り組み、救急病院での休日・夜間における適切な受診を促進してまいります。
 私は、今後とも、県民が安心して暮らせるよう、山口大学医学部や医療、消防などの関係機関と連携し、迅速かつ適切な救急医療体制の整備・充実に全力で取り組んでいく考えであります。
 次に、がん対策についてのお尋ねであります。
 がんは、本県の死亡原因の最上位であり、その対策は、県民の生命と健康を守る上で非常に重要な課題であると認識をいたしております。
 これまでも、がん予防や検診に関する普及啓発、地域がん診療連携拠点病院の整備などの取り組みを推進してまいりましたが、依然として、がん患者が増加傾向にあります中、今後は、がん対策基本法の趣旨も踏まえ、県民の皆様が、がんを身近なものとしてとらえ、がんになった場合でも、適切に対処できるよう、より県民の意向を尊重したがん対策が重要と考えております。
 私は、こうした考え方に立って、この三月中に、がん対策の指針となる「がん対策推進計画」を新たに策定し、死亡率二○%減少などの数値目標を掲げますとともに、本県の特性を踏まえた臓器別対策を盛り込むなど、予防から治療までの体系立った取り組みを総合的かつ計画的に実施することにいたしております。
 今後、この計画を推進するに当たりましては、お示しがありましたように、予防及び早期発見の対策が、極めて重要であります。
 このため、新年度におきましては、新たに、十月を「山口ピンクリボン月間」とし、県民参加型の乳がん検診の受診キャンペーンを展開いたしますとともに、壮年期勤労者を中心とした大腸がん検診の受診支援、休日がん検診体制の整備などにより、予防・早期発見の機運を盛り上げ、検診受診率の向上を図りたいと考えております。
 また、新たに、国制度を補完する本県独自の「がん診療連携推進病院」を、長門及び萩医療圏において指定し、全医療圏で、がん医療水準の向上や相談支援の充実を図る体制を整備いたしますとともに、がん患者やその家族が、可能な限り質の高い療養生活を送れるよう、がん診療に携わるすべての医師を対象に、疼痛緩和やコミュニケーションの技術を習得するための研修を実施するなど、緩和ケアの充実に努めてまいります。
 さらには、こうしたがん対策の企画・立案や評価をする上で重要である「がん登録」を、山口大学医学部附属病院等との連携により、一層推進していくことにいたしております。
 私は、がん患者を含めた県民の皆様が、がんを理解し、がんに立ち向かうことができるよう、新しい計画のもとで、がん対策のより一層の充実・強化に努めてまいります。
 次に、企業誘致の推進についてのお尋ねであります。
 企業誘致は、進出企業の設備投資による直接的な効果はもとより、取引企業の生産活動の増大や新たな雇用の場の創出など、本県経済に多面的な効果をもたらすことから、これまでも積極的に取り組んでまいりました。
 しかしながら、企業誘致をめぐる各県との競争がより一層厳しさを増しております。お示しがありましたように、昨年五月には、本県工業の持つ強みや特性を生かした産業集積を進めるため、私を本部長とする「高度技術産業集積推進本部」を設置し、特に、「新素材」「自動車」「IT」の三つを重点として、企業誘致活動を展開しているところであります。
 企業誘致を進めるに当たりましては、まず、本県の優遇制度やすぐれた立地環境を全国に向けて情報発信するとともに、いち早く優良企業の設備投資動向を把握し、そのニーズに合った産業用地や工業用水、電力、産業人材等に関する情報を的確に提示していくことが重要であります。
 このため、優遇制度につきましては、来年度から、企業立地促進補助金の上限額を十億円から三十億円に引き上げますとともに、より低価格の産業用地を供給するための産業団地取得補助金の継続実施や、誘致企業の新事業展開を支援する「やまぐち地域総合支援ファンド」の創設、誘致企業が望む人材確保のための職業訓練の実施など、拡充を図ったところであります。
 また、立地環境に対するさまざまな企業ニーズに的確に対応するため、推進本部に設置した「産業インフラ部会」「企業支援部会」において、港湾の整備、産業用地や工業用水の確保、産業人材の育成などの課題について、全庁一丸となって、早急に検討を進めていくことにいたしております。
 さらに、都市圏における情報発信力や情報収集力を強化するため、東京、大阪各事務所の企業誘致担当窓口を「東京企業誘致センター」「大阪企業誘致センター」として明確にすることにより、本県の企業誘致の取り組み姿勢を全国にアピールしてまいります。
 今後とも、企業の投資意欲が旺盛なこの時期を逃すことなく、本県の優位性を生かし、大型優良企業の誘致はもちろんのこと、一社でも多くの企業誘致が実現できるように、私が先頭に立って、全力で取り組んでまいります。
 次に、原油価格高騰対策について、中小企業者、農業者、漁業者への対応に関するお尋ねであります。
 このたびの原油価格の高騰は、お示しのとおり、県内の産業活動に大きな影響を及ぼしており、とりわけ中小企業においては、運送業など石油製品を多く使用する業種において影響が見受けられます。また、農業・漁業におきましても、暖房用燃料を多く使用する施設園芸農家や燃油を大量に消費する漁業者の経営は厳しい状況にあります。
 このため、私は、原油価格高騰対策を喫緊の課題と受けとめまして、昨年十一月末にいち早く、関係七部十五課・室による「原油価格高騰対策庁内連絡会議」を立ち上げ、相談窓口の設置や中小企業制度融資の対象者の拡大、県内親事業者に対する下請取引適正化の要請などの対応を直ちに行ったところであります。そして、このたびの予算におきましても、緊急的に特段の措置を講じたところであります。
 具体的には、中小企業対策として緊急経営改善支援資金、また農業・漁業対策として燃油高騰対策支援資金等を創設をし、総額三十一億円の融資枠を確保するとともに、融資利率についても、対象者が利用しやすいように、低利な利率といたしました。
 今後は、こうした緊急対策等が円滑に活用されるように、市町や商工会・商工会議所、農協、漁協等、関係団体と密接に連携しながら、中小企業者や農業者・漁業者に対する周知に努めますとともに、関係金融機関に対しましても、新たな資金による融資の積極的な取り組みについて要請してまいります。
 また、相談窓口等を通じ、きめ細かく経営・金融相談等に対応いたしますとともに、省エネルギーのための技術指導や新技術の実用化に向けた取り組みを積極的に行ってまいります。
 原油価格の高騰は、なお続いておりますので、今後とも「庁内連絡会議」を中心に、産業活動への影響等について把握に努めながら、中小企業者や農業者・漁業者の経営の安定が図られるように、必要に応じて、国への要望や県独自の対策についても適時適切に取り組んでまいります。
 道路特定財源の暫定税率についてのお尋ねであります。
 道路特定財源の暫定税率は、昭和四十九年、オイルショック時に、ガソリンの需要を抑えつつ、あわせて道路整備の促進を図るために、本則税率に加え、暫定税率が上乗せされたものであります。
 以来、三十年余りが経過しておりますが、車社会の進展とともに、道路整備を進める上での安定的な財源として継続的に確保されてまいりました。
 この暫定税率分は、今では国・地方全体で二兆六千億円であり、本県におきましても、貴重な財源として道路整備に活用してまいりました。
 お示しがありましたように、道路は、救急医療、消防活動、防災対策やさまざまな経済活動を支える動脈でありますが、本県におきましては、安心・安全の確保や地域活性化などのための道路整備は、いまだ道半ばであり、国道から身近な生活道路に至るまで、バランスのとれた道路整備を推進していく必要があります。
 したがいまして、厳しい財政状況の中、暫定税率収入は必要不可欠であります。平成二十年度県予算におきましても、暫定税率の延長を前提としている政府予算案や地方財政計画にあわせる形で予算案を上程をいたしております。
 万が一、財源手当がなされないままに暫定税率が廃止をされますと、道路事業はもちろんですが、福祉や教育など他の分野にもしわ寄せが及ぶなど、県民生活に深刻な影響を与えることが懸念をされます。
 したがいまして、私は、暫定税率は堅持されるべきものと考え、全国知事会の建設運輸常任委員会委員長として、これまで国に対して強く要請をいたしますとともに、山口市において「道路整備の促進を求める山口県総決起大会」を開催するなど、県民の方々にも御理解を得られるように努めているところであります。
 以上でございます。
◎教育長(藤井俊彦君) 地域の学校支援についてのお尋ねにお答えいたします。
 お示しのありましたように、国では、来年度から新たに、全国でモデル的に学校支援地域本部事業を展開して、地域ぐるみで学校を支援する体制を整備することとしております。
 県教委といたしましても、これまでも県民総参加による学校教育の充実を進めてきておりますことから、この事業の活用を図るために、来年度早期に、学校や社会教育、企業関係者、有識者等から構成いたします運営協議会を設置いたしまして、県の取り組み方針などを検討の上で、市町教委と連携し、県内二十カ所をめどに、事業を進めてまいる考えであります。
 この事業で取り組む学校支援活動としては、例えば、学習や部活動の支援、校内の環境整備、登下校時等の安全指導などが考えられますが、各市町におきましては、効果的に事業を実施していくためには、各学校の実情に即した具体的な学校支援活動の企画立案や、学校支援ボランティアと地域コーディネーターの確保やその連携を図ることが重要であります。
 このため、県教委といたしましては、その体制づくりや仕組みづくりが円滑に行われますように、各市町の取り組みを積極的に支援してまいります。
 また、お示しのありましたように、この事業を実効あるものとするためには、何よりもさまざまな分野での地域住民のボランティアへの参画が不可欠でありますから、市町教委等が行います、学校が求める多様な人材の情報収集や養成などについて、必要な支援に努めてまいります。
 さらに、学校とボランティアとの間で調整に当たります地域コーディネーターの役割は特に重要でありますことから、各市町におきまして、退職教員やPTA経験者など、学校と地域の現状をよく理解している人材を配置することができますように、県教委といたしましても、コーディネーターの研修や情報交換の機会を設けるなど、その支援を行ってまいります。
 県教委といたしましては、今後とも、市町教委と連携して、本事業を通じて学校と地域とのつながりを一層強化し、県民総参加による学校教育の充実を図ってまいります。
 以上でございます。
◎警察本部長(石田倫敏君) 振り込め詐欺等の被害防止対策についてお答えいたします。
 振り込め詐欺は、全国的に減少傾向にあり、本県におきましても、昨年の認知件数は二百十六件で、前年に比較すると約四○%減少しております。
 しかし、これらの被害総額は約二億円に上り、一人で約一千三百万円もの被害に遭った方もいらっしゃることや、昨年検挙した架空請求事件では、六人のグループが広域にわたって犯行を重ね、被害総額が約五千八百万円に上るなど、被害実態はまことに深刻であります。
 このため、県警察では、検挙とともに被害の未然防止対策に力を入れて取り組んでおります。
 具体的には、地域警察官が各家庭を訪問する巡回連絡や警察官OBが地域の公民館や集会所等に出向いて行う出前型の防犯講習などを通じて、最近の手口の内容や被害に遭わないための注意事項等を具体的かつきめ細かく紹介・指導しております。
 また、本年からは、新たな施策として、各地区の防犯ボランティアが高齢者の家庭を訪問し、さまざまな相談に応じる事業を計画しております。
 これらに加え、交番・駐在所広報紙やメールマガジンなどにより、地域住民に対して積極的に発生情報を発信し、被害に遭われることのないよう注意喚起に努めております。
 さらに、市町の高齢者担当課や老人クラブ、報道機関等への情報提供、高齢者との接点が多い医療機関や介護施設等への広報紙の掲出などにより、地域社会が一体となった被害防止への取り組みを促進しております。
 このほか、大半の被害が金融機関やコンビニエンスストアからの振り込みであることから、金融機関等に対しては、積極的な声かけやATMへの詐欺被害防止ステッカー貼付の協力を依頼するとともに、既に振り込みが行われた場合には、直ちに口座の凍結を要請し、できる限り被害が少なくなるよう努力しております。
 今後とも、このような取り組みを積極的に進め、振り込め詐欺等の被害防止に努めてまいります。

Posted on 2008/03/03 Mon. 13:43 [edit]

category: 2008年議会報告

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