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うえおか康彦活動日誌

山口県議会議員上岡康彦の活動日誌

平成 21年 9月定例会 

平成 21年 9月定例会 - 09月28日-02号
△日程第二議案第一号から第二十三号まで
◆(上岡康彦君) 公明党の上岡康彦でございます。公明党県議団を代表して質問させていただきます。
 質問に入る前に、一言申し上げます。
 八月三十日に行われました第四十五回衆議院総選挙により、民主党中心の新政権が誕生いたしました。我々公明党に対しても、さまざま厳しい御指摘も、また、温かい励ましもたくさんちょうだいしたところであります。
 ここで、改めて、公明党県議団四名は、「大衆とともに」の立党の原点を胸に、さらに県民の皆様の御期待にこたえられるよう、公明党らしく頑張ってまいりますと一言決意を申し述べさせていただきまして、通告に従い質問に移ります。
 初めに、新政権における県政運営についてお伺いいたします。
 世界経済を百年に一度の危機に突き落としたアメリカ大手証券リーマン・ブラザーズの破綻から一年が経過しました。
 景気は最悪期を脱したものの、いまだ雇用情勢は厳しく、自立的な景気回復のかぎを握る個人消費も低水準であり、本格的な景気回復にはなお道半ばであります。今後とも切れ目のない景気対策の継続が欠かせない現状にあります。
 しかし、こうした現状を考慮せず、ひたすら自党のマニフェスト具体化を最優先するような民主党中心の政権の動向には、早くも景気失速を懸念する声が各所から出始めております。
 鳩山政権は、総額十六兆八千億円とされるマニフェスト実現の財源確保のために、予算の無駄排除や埋蔵金の活用、租税特別措置・各種控除の廃止などを挙げておりますが、まずは手っ取り早いターゲットとして、今年度、補正予算で計上した基金の凍結にねらいをつけたものと考えられます。まことに拙速としか言いようがありません。補正予算に盛り込まれた事業が、現状の景気を下支えしていることは、各種経済指標でも明らかであります。
 しかも、総額四兆三千億円の基金については、約六割が既に地方自治体や関係団体へ執行済みと見られております。九月七日付の読売新聞では、「財源確保ありきでの強引な打ち切りは慎むべき」、同じく十日付では、民主党のブレーンとされる元財務官榊原英資・早稲田大学教授からでさえ、「このままでは何年かたつと鳩山不況と呼ばれる可能性がある」とも警告されています。
 さらに、鳩山首相は、来年度予算編成の手法にも異議を唱え、各省庁が準備していた概算要求の白紙化、ゼロベースでの見直しを主張。各省庁には十月半ばをめどに、新たな概算要求の再提出を求めるようでありますが、これでは年内中の予算編成は難しいとの見通しが強まっております。国の予算編成のおくれは、ただでさえ財政事情が厳しい地方自治体にとって、深刻な状況に陥る可能性が極めて高いと言わざるを得ません。
 新政権の発足とともに、今後、民主党のマニフェストに示された政策・制度への変更が進められることになります。しかし、平成二十一年度予算及び平成二十一年度第一次補正予算において成立した経済危機対策事業、例えば地域活性化・公共投資臨時交付金、地域活性化・経済危機対策臨時交付金、経済対策関連として自治体に交付される十五の基金創設などが、新政権によって関係事業を中止せざるを得ない事態になれば、地方自治の混乱を招くだけでなく、地域雇用情勢にも大きな打撃を与えることになります。
 したがいまして、政府に対して、政策の見直し、税制の改革、制度の変更に当たっては、平成二十一年度予算及び同年度第一次補正予算によって、地方自治体の進めてきた施策や事業について、財源問題で執行に支障が生ずることのないよう、行われることを強く求めるものであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、政権交代という大きな節目を迎え、新たな政府のかじ取りが、そのまま山口県の財政にも、また、県民生活にも直接影響を与えることになります。
 新政権の政権公約には、高速道路の無料化や暫定税率の廃止、あるいは「子ども手当」の支給などが掲げられており、これらの政策は、県政運営にも影響を及ぼすと考えられますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、災害対策についてお尋ねいたします。
 私は、これまで何度も防災関連の質問をしてまいりましたが、今なお土石流の残した深いつめ跡が生々しい国道二百六十二号線を通るたびに、はかり知れない自然の脅威の大きさをまざまざと見せつけられ、一層防災体制の強化を急がねばならないとの思いを強めております。
 七月二十一日、私の地元周南市でも、朝からかなりの雨が降っておりました。激しく降り続く雨を自宅のベランダから見ながら、何だかきょうは嫌な感じだな、こんな日に何も起こらなければいいがと不安に思った瞬間を今でもはっきりと覚えています。
 しかし、悪い予感が的中し、その日の朝から作業着に長靴を履き、冠水した道路をひざまで水につかりながら、床上・床下浸水したお宅へお手伝いに行ったり、土砂災害危険区域に指定されている山へ上って、今にも崩落しそうな岩の現場視察に行ったり、はんらんした河川により流出した田畑の現状確認に行ったり、雨の降り続く夜、近くの公民館に自主避難された方々の激励に行ったり、一体何人の方々から不安や悲しみのお声を聞いたことでしょうか。
 特に、今回の集中豪雨災害により十四人もの犠牲者を出し、最も被害の大きかった防府市では、災害時における住民への情報提供の重要性が浮き彫りになりました。と同時に、水害や土砂災害に備えた避難勧告や避難指示について、具体的な発令基準を設けていない全国の自治体が六割にも上ることが判明いたしました。まことにゆゆしき事実であります。
 しかも、今回の防府市の対応のように、発令の基準が職員の現場確認や経験に頼る面も多く、初動態勢の遅延や自治体の判断ミスが多くの住民の生死を分かち、最悪なケースでは、犠牲者をさらに増加させてしまうような事態も引き起しかねません。
 そのような事態にならないよう、避難勧告等判断マニュアル、災害時要援護者支援マニュアル、避難所運営マニュアルなど、住民を災害から守るために欠くことのできない各種マニュアルの整備が重要と考えます。
 私は、これまでも被害を最小限にとどめる観点から、事後の百策ではなく、事前の一策、つまり災害が起こる前にこそ、マニュアルの整備であったり、危険区域の点検などをすべきと訴えてまいりました。
 しかしながら、県内の市町のマニュアル策定状況を見ると、依然として未整備の自治体が多いことが、今回明らかとなりました。これまでの県議会からの発信が、各自治体には届いていなかったのかと思うと、非常に残念であります。
 また、今回の災害において、マニュアルが十分機能しなかったのではないかとの指摘もあり、大規模災害時に、真に実効性のある各種マニュアルを整備することは、喫緊の課題となっております。
 そこで、お伺いいたします。私は、未整備の市町において、マニュアル策定のノウハウがないのであれば、県からの策定支援が必要なのではないかと考えます。そこで、県は、各市町が、実効性のある各種マニュアルを早期に整備するために、今後、どのように取り組まれるのか、お尋ねいたします。
 次に、新型インフルエンザ対策についてお伺いいたします。
 厚生労働省は、六月十九日、新型インフルエンザ対策に関して「医療の確保や検疫、学校・保育施設への臨時休業要請などに関する運用指針」を改定いたしました。これは、ことしの秋冬に想定される国内感染の第二波を見越しての対応であり、入院措置をやめ、すべての医療機関で受診できることに変更し、多くの人が受診する一方で、持病で免疫力の弱まった高齢者や妊婦、乳幼児らのハイリスク者への対応を強化することを目的とするものです。
 しかし、感染経路や感染の実態がつかみ切れていない状態のうちに、予想よりも早く流行の兆しがあらわれ、夏休み中の小・中・高校でも、部活動や課外活動を通して集団感染した学校も相次いで判明しました。
 九月十七日には、気管支ぜんそくの持病を持つ横浜の小学六年生の男児が、未成年者では初めて、新型インフルエンザが原因で死亡したと報道されておりましたが、今後、山口県内の学校現場でも流行が懸念されるところであります。
 八月二十八日、厚生労働省は、新型インフルエンザの今後の患者数の推計を初めて公表しました。それによりますと、国民の二割が発症すると想定した場合、ピーク時には一日に約七十六万人が発症し、約四万六千人が入院すると想定されています。本県においても、八月下旬には定点患者数が一人を超えたため、新型インフルエンザ流行開始と判断されますが、十月上旬から中旬にかけて、感染のピーク時期を迎えると考えられている今、まさに感染拡大を防ぐ正念場であり、全医療機関による診療体制の構築も急がねばなりません。
 ところが、今月七日、共同通信のまとめにより、小児や妊婦、透析患者といったハイリスク者が感染して重症化した場合に、その患者を受け入れて専門的治療ができる医療機関の数について、四十七都道府県のうち、山口県を含む二十七都府県が把握できていないという、新型インフルエンザの医療提供体制の把握が大幅におくれているという残念な実態が報道されました。
 私が県の担当者に確認したところ、山口県では、一部の医療圏においては、受け入れ可能な病床数まで確認できているが、一部の医療圏においては調整中ということであり、少し安心したところではあります。私は、最も大切なことは、感染によって重症化するリスクのある人をいかに守るかということであると思います。
 政府の新型インフルエンザ対策本部の専門家、諮問委員会で委員長を務めておられる自治医科大の尾身茂教授は、「今回の新型インフルエンザとの戦いの成否は、死亡者を減らすことだ」と述べられ、今後の対策では、死亡者を減らすことに重点を置くべきとの考えを示されております。
 そうした中、厚生労働省では、新型インフルエンザワクチン接種について、死亡者や重症者の発生をできる限り減らすこと、及び、そのために必要な医療を確保することをその目的とし、接種の優先順位について、第一順位にインフルエンザ患者の診療に従事する医療従事者約百万人、第二順位に妊婦及び基礎疾患を有する者約一千万人、第三順位に一歳以上就学前の小児約六百万人、第四順位に一歳未満の乳児の両親約二百万人とし、さらに優先接種が望ましい者として、小・中・高生約一千四百万人、六十五歳以上の高齢者約二千百万人としており、新型インフルエンザ対策は、妊婦、基礎疾患を有する方、乳幼児などへ配慮することとしております。
 県としても、こうした国の方針のもと、県内での蔓延を最小限にとどめるとともに、重症者、死亡者を出さないよう、しっかりと事前の対策を講じなければなりません。
 そこで、お尋ねいたします。県として速やかに対応すべき課題は、第一に妊婦や透析患者などの基礎疾患を持っている人などへの医療体制の確保、第二に重症患者の増加に対応できる病床の確保と考えますが、今後、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 次に、観光振興についてお尋ねいたします。
 世界的な景気の低迷などにより、観光を取り巻く環境は大変厳しい状況にあります。
 昨年七月から九月まで実施されましたデスティネーションキャンペーンでは、七百五十万人を超える観光客を記録し、全国に向けて山口県を売り込むことができました。
 今後は、この成果をしっかり生かしながら、一層の観光客誘致に向けて、県全体で取り組んでいくことが大変重要であると考えております。
 こうした中、県では、去る九月十四日、県内の年間観光客三千万人構想の実現に向けたアクションプランの最終案を、県観光審議会に提出し、意見を聴取されたところであり、十月には策定・公表される予定と聞いております。
 私もかつて、平成二十年九月の議会で、年間観光客三千万人構想実現に向けた観光施策の取り組みについて質問をいたしましたが、御案内のとおり、このアクションプランは、「住み良さ日本一元気県づくり加速化プラン」の重点事業として、平成二十四年には、山口県への年間観光客数三千万人を目指すという取り組みであります。
 県観光審議会に提出されたアクションプランの最終案によれば、昨年夏に実施したデスティネーションキャンペーンの成果や課題等を踏まえ、戦略的な情報発信や誘客など三つの視点から、十の戦略、二十三のアクションを設定し、テーマ性のある滞在型観光エリアの形成や外国人向け観光ウエブサイトの構築など、七十を超える取り組み例により、現状の二割増しで三千万人の誘客を目指すとされており、知事の強い意気込みが感じ取れます。
 二十一世紀のリーディング産業と言われる観光は、すそ野が広く、その振興を図ることは、地域経済はもとより、さまざまな分野において活性化が図られるものと期待されているところであります。
 しかしながら、観光面においても、地域間の競争が激しく、他の地域との競争に打ち勝っていくためには、本県の独自性を打ち出していくことが重要であり、そうした観点からの取り組みを、日本だけでなく、観光客の増加が見込まれる東アジア諸国にも情報発信するなどにより、国内外からの年間観光客三千万人が実現できれば、本県の活性化にとって、大きな効果をもたらすものと考えております。
 そこで、お尋ねいたしますが、本年十月に策定予定の「山口県年間観光客三千万人構想実現アクションプラン」では、本県の独自性を打ち出すために、どのような観点から取り組まれようとしているのか、お伺いいたします。
 次に、農地の利用集積の加速化についてお尋ねいたします。
 農地法は、戦後間もない昭和二十七年に制定されましたが、制定以来の抜本的な改正で、平成の農地改革とも言われる農地法並びに農業経営基盤強化促進法等の改正法案が、本年六月十七日に可決、成立し、年内には施行される運びとなっております。
 今回の改正により、農地制度の基本は、従来の所有から利用に大きく転換いたしましたが、これは御案内のとおり、我が国農業の規模拡大が遅々として進まず、あるいは拡大しても面的な集積が進まない状況を打破し、農地の利用集積を加速化させることを目指したものであります。
 本県は、県土の七割が条件の不利な中山間地域であり、全国平均に比べ一人当たりの耕地面積は狭隘で、その上、農地を守る農家の減少・高齢化も著しく進んでいるため、作業効率向上のため、農地の規模拡大や利用の集積を進めることは、全国以上に大きな課題となっております。
 本県においては、認定農業者や集落営農法人などの、いわゆる担い手を育成するとともに、その担い手への農地集積を目指して取り組みを進められており、加速化プランにおいても、認定農業者等が担う水田耕作面積の割合を六○%以上という具体的な目標を掲げられておられますが、集落営農法人の数も、随分とふえてきておりますが、まだまだ十分でなく、担い手への農地集積も、残念ながら計画どおり順調に進んでいる状況ではないようであります。その意味からも、私は、農地の面的集積を加速化し、農業の経営基盤を強化する観点から、今後、面的集積を進めていくための国からの支援も必要ではないかと思っています。
 農家の皆様は、先祖代々守ってきた自分の農地に強い思い入れがあり、農地の資産保有意識も強く、また不在者地主が増加しているなど、農地の利用集積を阻害する要因は数多くあり、そうたやすく進まない事情もよく理解できます。
 しかし、本県農業・農村の置かれた厳しい現状を考えたとき、私は、集落営農の法人化を加速化し、その担い手に農地の利用集積を図っていかなければ、山口県の農業は、今後徐々に廃れていってしまうだけではないかと大変不安に感じております。
 そこで、お尋ねいたしますが、政権は交代しても、今回の農地法等の改正を契機に、本県においては、担い手への農地の利用集積をさらに加速化する必要があると考えますが、今後、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 次に、学力向上対策についてお尋ねいたします。
 文部科学省は、八月二十七日、小学六年生と中学校三年生を対象として、四月に実施した平成二十一年度全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストの結果を公表いたしました。あわせて、その結果については、過去二回と同様、知識の活用力に課題があるとの分析結果も発表しております。
 この全国学力テストについては、全員対象がよいのか、本当に実効性はあるのか、かかる経費も含めて、賛否両論さまざまな意見がありますが、どうやら十一年度からは調査対象を一部の学校に絞る、抽出方式へと大幅に縮小される見通しです。
 ただ、この調査で一番大切なことは、調査対象の多寡ではありません。その調査の目的として明確に記載されているように、児童生徒の学力や学習状況をきめ細かく把握・分析することにより、教育及び教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることなどにあるのです。
 ですから、児童生徒の学力向上という結果には、必ず教育力の向上という裏づけがあるのです。さらに、教育力向上へのエネルギーは、聖職に仕える方の熱い情熱であると私は考えております。
 先般、県教委から平成二十一年度の学力・学習状況調査の結果について、概要が公表されました。教科に関する結果分析、生活習慣や学習環境に関する分析など、児童生徒に対する分析については、よくまとまっているなと感じました。しかし、反対に残念だと感じたのは、学校や県・市町教育委員会側の今後の対応について、さらに踏み込んだ記述がなかったことであります。
 私は、何のための調査なのかという目的意識が、教える立場の側にはっきりと自覚され、また、その自覚のもとで課題が検証され、具体的な改善策を打つことが重要であると考えております。そうすれば、調査の実効性を疑うようなへんぱな疑問を投げかけられるようなことはないと私は思うのであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、今回の全国学力・学習状況調査の結果をどのように受けとめられ、今後、どのように児童生徒の学力向上に取り組まれるのか、お伺いいたします。
 最後に、交通死亡事故抑止対策についてお尋ねいたします。
 県民の安全・安心に関して、最も身近に感ずるものの一つとして、交通事故の問題があります。交通事故をめぐりましては、古くには「交通戦争」という言葉もありましたし、「輪禍」という言葉もあります。中でも、最も悲惨であるのが、交通事故により人がお亡くなりになることではないかと私は考えています。
 昨年一年間の山口県内における交通事故による死者の数は九十一人と、一昨年の百十五人から二十四人減少し、昭和二十六年以来の最小の数を記録したところであります。
 こうした結果を受け、県警察では、交通死亡事故のさらなる減少のため、昨年の交通死亡事故の原因を多角的に分析し、高齢者が被害者となる事故や、高齢ドライバーによる事故などが多発したことなどをとらえ、本年の交通死亡事故の抑止に向けた諸対策に、日夜取り組んでおられるところであります。
 現在のところ、こうした取り組みが功を奏し、県内の交通事故件数、負傷者数、ともに昨年に比べ減少しているとのことであります。ところが、交通事故死者数に目を向けてみますと、全国的には減少傾向にある中、昨年の同時期と比べて、九月二十八日現在で七人の増加という結果になっております。
 もちろん、私は、交通事故というものは、偶然、必然、その他さまざまな要因が複雑に絡み合って発生するものであり、単純に数字の増減のみをもって、必要以上に一喜一憂するべきでないと考えておりますが、やはり県民の安全・安心に直結する重要な部分でありますし、人の命に関することでありますので、でき得る限りの対策は打つ必要がある、また、打たねばならないものであると考えております。
 そうした意味から、微増とはいえ、増加傾向にある交通事故による死者数を減らし、昭和二十六年以来の最低を記録した昨年の数を一人でも下回るよう、交通死亡事故の発生を抑止していただきたいと思うのであります。
 そこで、警察本部長にお尋ねいたします。
 今月二十一日からは、高齢者の交通事故防止を中心とした「平成二十一年秋の全国交通安全運動」に、まさに県民全体で取り組んでいるさなかでございます。
 今後、まだまだ日没時間も早まってまいりますし、秋の行楽時期や年末を迎えるに当たり、悲惨な交通死亡事故の発生を防ぐため、いかなる方針で臨まれるのか、お伺いいたしまして、代表質問を終わります。
 御静聴ありがとうございました。(拍手)
◎知事(二井関成君) 上岡議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、新政権における県政運営についてのお尋ねであります。
 さきの総選挙に際し、民主党が示されたマニフェストでは、今後の地方行政に大きな影響を与える政策も多数盛り込まれておりますことから、私は、こうした政策の実行に際しては、国民生活や地方の立場に立った議論を尽くしていくことが必要であると考えております。
 具体的には、「子ども手当」の支給や公立高校の実質無償化、農家への戸別補償や後期高齢者医療制度の廃止等、地方に関係の深い施策につきましては、その実施手法や財源措置によっては、地方に新たな負担や大きな混乱等が生ずることが懸念されます。このため、具体的な制度設計等に向けては、地方の意見をしっかりと反映をしていくことが必要であります。
 また、たとえマニフェストに掲げられた政策でありましても、例えば、地球温暖化対策としてのCO2二五%削減や高速道路の無料化、また、ダムの建設中止など、国民的なコンセンサスが必要なものについては、これに固執することなく、さまざまな角度から議論を行い、国民の理解を求めていくことが必要と考えております。
 したがいまして、そのためにも、新政権におかれては、マニフェストの内容に至った検討経緯等について、個別具体的に明らかにしていただきたいと思いますし、私は、そのことがこれらの問題を議論する出発点でなければならないと考えております。
 また、新政権では、マニフェストの政策を実施するために、明年度予算に係る概算要求基準を白紙に戻し、これにかわる新たな基本方針を策定することとされております。したがいまして、県といたしましては、国の政策との整合を図る観点から、関連する全事業について、ゼロベースで見直す必要があると考えております。
 いずれにいたしましても、民主党のマニフェストでは、地域主権を確立し、地方への大幅な権限移譲や地方財政の拡充等を進めるとされておりますので、新政権においては、その方向で個別の政策を検討していただくよう、強く願っているところであります。
 また、明年度の予算編成が差し迫った時期でありますので、地方に大きな影響を及ぼす政策の具体的内容や財源を明確にする地方財政対策を早期に示されるよう、早急に求めてまいる考えであります。
 次に、災害対策に関し、避難勧告等発令判断マニュアル等の整備についてであります。
 私は、防災の基本は、みずからの安全はみずから守ることにありますことから、今回の災害を踏まえ、住民の被害を最小限に食いとめるためには、早期の避難が何よりも重要であり、その早期避難を促す、的確な避難勧告等の発令と避難情報の伝達や、災害時要援護者を初めとする住民の避難体制の整備が不可欠なものであると考えております。
 このため、県におきましては、平成十八年二月に策定した「避難勧告等発令・伝達体制の整備に係る基本指針」等に基づき、市町に対して、例えば地域において危険度を示す、時間雨量や河川水位、海岸潮位等の客観的な判断基準の具体例もお示しをした上で、県議会での御質問・御要望も受けながら、避難勧告等発令判断マニュアル等の早期策定を要請してまいりました。
 しかしながら、現在、各市町のマニュアル策定状況は、避難勧告等発令判断マニュアルについて、過半の市町が未策定であります。策定済みのマニュアルにも、基準内容に具体性を欠くものが見られるなど、その取り組みは不十分な状況にあります。
 こうした中で、県といたしましては、今回の災害を受けて、避難勧告等発令判断マニュアルにつきましては、改めて、未策定の市町に対し、早期に策定するように求めたところであります。
 また、策定済みの市町に対しましても、マニュアルの実効性を確保する観点から、気象情報や雨量・水位等の客観的基準を盛り込んだものとするなど、現在の判断基準の再点検の実施を強く要請したところであります。
 今後、その策定の進捗状況を把握しながら、市町とも個別協議を行い、また先進事例の紹介を行うなど、各市町の状況に応じた、きめ細かな指導・助言を行っていくことにいたしております。
 さらに、市町におけるマニュアル策定の取り組みが不十分な要因として、防災担当部局の組織に課題があるとも考えられますことから、現在、「消防・防災連携推進検討委員会」において、今後の市町の防災対応力の向上を図るため、消防との連携など、その組織体制の強化について検討を進めております。
 私としては、こうした取り組みを通じ、市町において、実効性ある各種マニュアルの早期策定や、的確な避難勧告等の発令、住民の避難支援体制の整備が確実に実施されるように、市町との緊密な連携のもと、本県の防災体制の一層の充実強化に全力で取り組んでまいります。
 次に、新型インフルエンザ対策についてのお尋ねにお答えいたします。
 新型インフルエンザの感染のさらなる拡大に伴いまして、罹患によるリスクが高いとされている慢性の呼吸器疾患、腎機能障害などの基礎疾患を有する方や妊婦、さらには小児に対して、適切な医療を提供するとともに、増加が見込まれる重症患者に対して、入院医療体制を確保することが大きな課題となっております。
 まず、基礎疾患を有する方等に対する医療体制につきましては、早期からの抗ウイルス薬の投与や、重症化するおそれがある場合の早期入院の実施などの従前からの対応に加え、対策の一層の充実強化が必要であると考えております。
 具体的には、このたび新たに設置した、医療関係者等からなる「新型インフルエンザ対策協議会」において、透析患者や妊婦、小児について、院内での感染を防止し、適切な医療を提供するため、それぞれの特性に応じた、外来受診から入院治療に至るルールを確立したところであります。今後、市町や関係団体と連携しながら、さまざまな機会を通じて、県民や医療関係者に対し、その徹底を図ってまいります。
 また、十月以降に予定されているワクチンの接種につきましても、こうした重症化のリスクが高い方々へ円滑な実施ができるよう、ワクチンの流通量の確保や広報の実施など、適切に対応してまいります。
 次に、重症患者の増加に対応できる病床についてでありますが、このたび、国が公表した「流行のシナリオ」に基づき試算した、本県における流行ピーク時の入院患者の見込み数に対して、入院可能病床や人工呼吸器は、県全体としては、おおむね確保されております。
 しかしながら、重症肺炎や脳症等の患者に対しましては、その症状に応じて、高度な入院医療の提供が必要でありますことから、人工呼吸器による呼吸管理や集中治療など、適切な医療が提供できるよう、各保健医療圏ごとの対策を進めております。
 また、救急搬送につきましても、医療機関や消防機関などの関係者で、医療機関に係る情報を共有するなど連携を図ることにより、重症患者を適切かつ迅速に搬送できるよう努めてまいります。
 私は、県民の安心・安全を確保するため、医師会、医療機関等との協力を得ながら、新型インフルエンザ対策に全力で取り組んでまいります。
 次に、観光振興についてであります。
 人口減少が進む中、観光振興は、交流人口の拡大により、山口県の元気を創出していく上での重要な戦略であります。
 このため、県では、現在策定中の年間観光客三千万人を目指したアクションプランにおいて、昨年実施したデスティネーションキャンペーンの成果や課題を踏まえながら、本県独自の観点からの観光施策の構築を進めております。
 まず、昨年のデスティネーションキャンペーンでは、産業観光ツアーやエコツアーなど、本県の魅力ある観光資源の付加価値を高め、地域発の旅行商品づくりを進める「地旅づくり」の取り組みが進みました。
 こうした取り組みを、地域住民の創意と工夫により、競争力のある、山口ならではの旅づくりに生かしていくため、地旅やスロー・ツーリズムなどの関係者と連携して、参加体験メニューの開発やストーリー性の付与等により素材の付加価値をさらに高め、地域と一体となった観光地づくりを進めてまいります。
 また、「山口どこでも紙芝居」など、県民の積極的なおもてなしの取り組みが進みました一方で、県民の参加意識がおもてなしの面にとどまり、さらに幅広い観光への参加が求められております。
 このため、本年度から開始した「ぐるるん!山口」県内周遊観光キャンペーンを通じて、県民の皆様に対して、県内観光地のしゅんの情報や民間事業者等による優待サービスを提供し、県民の皆様に県内観光地に出かけていただくことにより、その魅力を再認識いただきますとともに、県民による本県のPRを促進していくなど、県民総参加の観光振興を進めてまいります。
 さらに、平成二十二年の伝統的工芸品全国大会、また、平成二十三年の山口国体、二十四年の全国植樹祭は、全国に本県の魅力を発信する絶好の機会でありますので、これらの開催にあわせて、観光施設の割引等の特典が受けられる「ワンスモア山口チケット」を発行するなど、リピーターの増加を図る仕組みづくりを進め、その後の日本ジャンボリーや世界スカウトジャンボリーに生かしてまいります。
 私は、魅力ある観光資源を生かした「やまぐちの地旅づくり」など、本県独自の観点に立った取り組みを初め、アクションプランに基づく諸施策を、着実かつ計画的に実施をし、年間観光客三千万人を目指してまいりたいと考えております。
 次に、農地の利用集積の加速化についてであります。
 私は、中山間地域が多く、水田農業が中心の本県農業の持続的発展を図るためには、農地を効率的に利用する集落営農を基本に農政を進めることが重要であると考えております。したがいまして、これまで集落営農法人等の担い手を積極的に育成するとともに、やまぐち農林振興公社を中心に、農地保有合理化事業等により、担い手への農地の利用集積を進めてまいりました。
 こうした取り組みにより、現在、県下各地で、全国的にも上位となる、百五十四の特定農業法人等が設立をされ、農地の利用集積による効率的な農業経営が展開をされております。
 その一方で、今後、昭和一けた世代の引退等により、農業者の急激な減少が見込まれ、担い手を中心とした農業構造を早急に確立する必要がありますことから、加速化プランにおいて、平成二十四年度までに六割以上の農地を担い手へ集積することを目標に、お示しの所有から利用への転換を基本とする農地制度の見直しの趣旨も踏まえながら、その取り組みを一層加速化することといたしております。
 具体的には、まず、今回の農業経営基盤強化促進法の改正により、新たに、農地所有者の委任に基づき、分散した農地を取りまとめて担い手に再配分する「農地利用集積円滑化団体」を、すべての市町に創設することとされましたことから、現在、その早期立ち上げを、各市町に対して指導しているところであります。
 また、この組織において、国の関連事業も活用して、農地情報の地図化を行いますとともに、地域の実情に精通したコーディネーターを配置し、不在地主を含む多数の農地所有者と、担い手とを適切に結びつけるなど、効率的な農地の集積を進めることにいたしております。
 あわせて、これまで進めてきた農地の受け手となる集落営農法人等の設立と規模拡大を一層加速化するため、重点的な技術・経営指導や機械・施設等の整備、雇用による新たな人材の確保など、引き続き、組織の発展段階に応じたきめ細かな支援に努めてまいります。
 私は、新政権下におきましても、本県農業・農村の実情に即した農地の利用集積が円滑に進むよう、必要な措置を適時適切に国に要望いたしますとともに、市町・農業団体と緊密に連携をしながら、本県食料自給率の向上につながる、担い手を中心とした農地の有効利用に向けて、全力で取り組んでまいります。
 以上でございます。
◎教育長(藤井俊彦君) 学力向上対策についてのお尋ねにお答えいたします。
 このたびの全国学力・学習状況調査の結果につきましては、平均正答率を全国と比べてみますと、小中学校ともに、過去三年間で最も高い結果でありました。児童生徒の努力や各学校の取り組み、家庭との連携など、これまでの成果があらわれ始めたものと受けとめております。
 しかし、県全体としては、中学校は全国平均を上回っておりますが、小学校は平均に近づいているものの、依然下回っている状況であります。
 こうした中、三年間の調査結果の分析や、市町教委からのヒアリング等の結果、課題としては、割合の計算などの基礎・基本の定着、生活場面での活用、自分の考えを表現する力などの育成、学習意欲の向上、さらには、子供の状況に応じた学習指導などが見られますことから、引き続き、学力向上対策を強化していかなければならないと考えております。
 このため、県教委といたしましては、まず、各学校が市町教委と一体となって、それぞれの課題と改善策を明らかにし、学校全体で目標に向かって組織的・計画的に進める取り組みを支援いたしますとともに、引き続き、全国平均を下回るなどの課題のある学校につきましては、市町教委と連携して、重点的に指導をしてまいります。
 また、授業改善につきましては、基礎・基本の定着、活用する力の育成、学習意欲の向上など、それぞれの課題に応じて学習内容の一層の充実を図りますとともに、繰り返し学習、補充学習、習熟度に応じた少人数指導等の指導方法の工夫改善にも、これまで以上の取り組みを図ってまいります。
 さらに、三十五人学級化の一層の推進、学力向上等支援員、理科支援員等の効果的な配置などにより、きめ細かな指導体制の充実や、活用する力の育成を図るための「やまぐち学習支援プログラム」の拡充、また、効果的な実践事例の情報提供などを、積極的に進めてまいります。
 また、家庭との連携につきましては、各学校ごとに、課題などを家庭と共有いたしますとともに、指針を作成して、生活リズムや計画的な家庭学習の確立など、一体となって取り組みを進めてまいります。
 県教委といたしましては、今後とも、市町教委や学校・家庭・地域社会と一層連携を密にして、子供たちのさらなる学力向上に向け、全力で取り組んでまいります。
 以上でございます。
◎警察本部長(御手洗伸太郎君) 交通死亡事故抑止対策についてお答えを申し上げます。
 議員お示しのとおり、本県におきましては、現在、交通事故全体は減少傾向にありますものの、死者数のみが前年比増加するとともに、例年秋口以降、高齢者の重大事故が多発する傾向にございます。
 また、本年、これまでの事故を分析いたしますと、全死者数の約五四%を高齢者が占めていること、自転車利用者及び歩行者の死亡事故の大半を高齢者が占めていることなどの特徴が見られるところでございます。
 こうした情勢を踏まえ、今後、県警察といたしましては、高齢者対策を中心として、各種交通事故防止対策に鋭意取り組んでまいる方針であります。
 具体的には、例えば、高齢者の安全意識の高揚を図るため、一部地域において実施している、老人クラブを母体とする地域リーダー等による戸別訪問活動に加え、この十月からは、全県下において、高齢者交通安全サポーター四十名による啓発活動を実施することとしております。
 また、高齢者に正しい自転車のルールやマナーを身につけていただくために、毎月各地に、警察官を派遣して出前型の啓発活動を強化するとともに、夜間の物の見え方や反射材の効果を体験していただくため、各小学校区単位による参加・体験型のセーフティーナイトスクールを開催して、安全意識を高めていただくこととしております。
 このほか、本年六月、七十五歳以上の高齢ドライバーを対象とした講習予備検査が施行されましたが、改正法の円滑な運用にあわせ、安全運転に問題の認められるドライバーに対し、特別講習の充実にも配慮しつつ、高齢ドライバーの事故防止に当たってまいります。
 あわせて、このたび法改正で行政処分の基礎点数が厳しくなったものの、依然後を絶たない飲酒運転を撲滅するため、取り締まりの強化及び飲酒運転をさせない環境づくりに、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
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Posted on 2009/09/28 Mon. 13:42 [edit]

category: 2009年議会報告

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