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うえおか康彦活動日誌

山口県議会議員上岡康彦の活動日誌

平成 20年 9月定例会 

平成 20年 9月定例会 - 09月30日-03号
△日程第二議案第一号から第二十四号まで
◆(上岡康彦君) 公明党の上岡康彦でございます。通告に従いまして質問させていただきます。
 初めに、防災対策についてお尋ねいたします。
 本日は、九月の最終日三十日ですが、九月は防災月間でございます。まず、防災対策についてお尋ねをいたします。
 先日、行きそびれていた神戸市の人と災害未来センターに行ってまいりました。戦後最大の都市型災害となった阪神・淡路大震災から十三年を迎えました。改めて震災で亡くなった六千四百余人の方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、震災対策の強化に向けた一層の取り組みを誓う防災月間としたいと思います。
 同震災では、政府や行政の対応のおくれが批判される一方で、地震直後から一日平均二万人以上の人が被災者支援のボランティア活動に参加し、防災ボランティアの重要性が広く認識される契機にもなりました。
 もちろん、震災を教訓として、政府や行政、企業などでは、危機対応能力の強化、災害時の連絡体制の確保、災害関連法の整備などが図られています。また、消防のレスキューが得た経験は、消防無線における全国共通波の増波、緊急消防援助隊や、消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー隊)の制度発足と整備につながり、後の二○○四年十月、新潟県中越地震や二○○五年四月、JR福知山線脱線事故でも大きく貢献することとなったのは記憶に新しいところです。
 最近でも、六月十四日に発生した岩手・宮城内陸地震や昨年の能登半島地震、新潟県中越沖地震など、マグニチュード七程度の地震が頻発しております。
 文部科学省は、このほど、地震と火山噴火に関する観測研究を統合した学術的な研究計画である「地震及び火災噴火のための観測研究計画」を来年度から五年間にわたって進めることを決めました。
 こうした方針は、来年三月に策定予定の、政府の防災減災を目指した十年間にわたる戦略的計画である「総合基本施策」にも反映していただき、今後、緊急地震速報や津波警報、地震予測地図などの制度の向上などが期待されております。
 大規模な地震の発生は、県民の生命や財産に深刻な影響を及ぼすだけに、いち早い研究の進展を望みたいと思います。
 さて、もう一方で、最近の特徴的な傾向として、局地的な集中豪雨による事故や災害が都市部で相次いでおります。
 七月二十八日に北陸・近畿地方を襲った豪雨では、神戸市灘区の都賀川が一気に増水し、河川敷で遊んでいた児童ら五人が濁流にのまれ死亡いたしました。この時、現場近くの水位はわずか十分間で一・三メートルも上昇したようであります。
 石川県金沢市では、同日、市街を流れる浅野川が五十五年ぶりにはんらんし、約二千戸が床上・床下浸水いたしました。雨は、同じ市内の西念地域では十九・五ミリ降っただけでやみましたが、わずか十五キロ南東の湯涌温泉付近では、一時間に百三十八ミリを記録いたしました。
 また、八月五日の東京を中心とする集中豪雨の折には、流れ込んだ雨水で下水道管の水位が急激に上昇し、豊島区の下水道工事現場で作業員五人が流されるという痛ましい事故が起きております。最近の豪雨災害は、どこで起きるかわからないゲリラ的豪雨災害であります。
 局地的な豪雨は、日本付近に寒気と湿った暖気が入り込み、大気が不安定になった結果と見られております。また、都市部のヒートアイランド現象が積乱雲の発達を加速している可能性も指摘されております。
 いずれにしても、非常に狭い範囲で短時間に起こる集中豪雨については、時間や場所を予測することには限界はあると思いますが、その中でも、減災あるいは被害を最小限にとどめるためには、情報の素早い伝達が不可欠であります。
 石川県の河川情報システムは、市街地で浸水が発生する前、湯涌温泉近くの浅野川の水位が堤防の高さを超えているデータを収集していました。水位は、ホームページでリアルタイムで見られますが、これを住民に広報するシステムがなかったわけであります。
 また、神戸市では、市内二十二河川に監視カメラを設置しており、携帯電話を通じて河川状況を知ることができますが、緊急情報を住民に伝える仕組みはありませんでした。早急に気象情報と直結した警報システムなどを整備する必要があると思います。
 公明党は、八月六日に行った政府への申し入れの中で、一、観測・広報体制の強化、二、水害からの避難・防護、救助対策の各段階における防災担当部署のスピードアップなどを要望したところであります。
 異常気象等による突発の災害はいつ起きてもおかしくないという認識のもと、本県でもこうした体制の強化を急ぐべきであると考えています。
 本県でも、山口県土木防災情報システムという、気象情報や雨量、河川水位、潮位等の観測情報といった水防情報を県庁で一元管理し、県、市、防災関係機関及び県民へ情報提供する水防活動を支援するシステムがあります。私も実際にアクセスしてみました。
 しかし、このシステムは、リアルタイムの情報提供とは言うものの、県民みずからがアクセスしなければ情報は得られません。住民が欲している情報とは、自分の住んでいる地域が今、どのような危機にさらされ、今どのように対処すればいいのかが知りたいのではないでしょうか。私が常々申し上げております事前の一策とは、こういうことであります。
 そこで、お尋ねいたします。県民の安心・安全を確保する観点から、県民への迅速で確実な水防情報の伝達を図るため、土木防災情報システムのさらなる機能強化が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
 次に、歳入の確保対策についてお伺いいたします。
 政府・与党は、先月末、物価高や景気低迷などに対応する経済対策を含めた安心実現のための総合経済対策を決定しました。この中で、我が公明党が物価高対策として強く実現を迫ったのが定額減税であります。所得税や個人住民税から一定額を差し引くもので、生活現場の窮状を訴える我が党の粘り強い主張により、今年度内の実施に向け、政府・与党合意にこぎつけたものであります。
 今や家計の状況は非常事態であります。賃金が伸びない中、生活必需品の相次ぐ値上げが家計を直撃し、生活費負担は増加。まさに今、消費の下支えと生活防衛が極めて重要な時期だけに、この定額減税が実効性の高い措置となるように一層議論を進め、一日も早い実施に向けて全力で取り組んでまいる所存であります。
 さて、これに関連し、歳入の確保対策、特に個人県民税の徴収対策についてお尋ねいたします。
 いわゆる三位一体の改革により、個人住民税については、税源移譲で平成十九年六月から増額となっており、県においても、今年度当初予算で総額の約二五%となる四百八十四億円を計上するなど、地方自治体にとって大変貴重な自主財源となっておりますことは御案内のとおりであります。
 しかしながら、一方では、県における個人県民税の徴収率は、平成十九年度、九四・二%、滞納額は二十六億五千二百万円、滞納額全体に占める割合は七○・九%となっており、徴収対策の強化が喫緊の課題となっております。また、個人県民税の徴収業務は、個人市町民税とともに、市町が行っており、現場である市町の徴収対策の強化が徴収率アップのポイントになります。
 税源移譲により本来地方の自主財源は拡大するはずでありますが、税は国庫補助金とは異なり、決められた額が一○○%確保できるという保障はありません。そうした意味から、あらゆる手段を講じながら、その額の確保に向けて努力することが求められているわけであります。
 また、私は、以前本会議で取り上げたこともありますが、大多数の方々が本当に厳しい家計状況にもかかわらず、歯を食いしばり、血のにじむような努力をしておられる中、こうした方々の納税努力に報いるためにも、当然、行政として滞納額の圧縮に努め、さらに悪質な滞納者へは厳格な対応が大変重要と考えております。
 このような状況のもと、県では、昨年十月から県職員を市町に派遣し、市町職員とともに滞納整理を行う併任徴収の試行をスタートさせ、今年度からは本格実施しておられます。この取り組みは、個人住民税の増収による県・市・町の自主財源の確保についてはもちろんのことではありますが、税の徴収に係る市町職員のスキルの向上も期待されるものであり、一定の評価をしているところであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、この併任徴収の取り組みを初めとした個人県民税の徴収対策のこれまでの成果と今後の対応についてお伺いいたします。
 次に、観光振興についてお尋ねいたします。
 少子・高齢化で日本経済の活力低下が懸念される中で、地域活性化の切り札として、観光立国の実現に大きな期待が寄せられておりますことは、今さら申すまでもありません。国内外から多くの人を呼び込み、新たな消費を生み出すことができれば、地域の活性化が進み、経済全体にも大きな効果をもたらします。
 国交省によれば、二○○六年度に観光客が宿泊や食事などのために国内で消費した金額は、二十三・五兆円にも上り、これに伴う食品産業や農林水産業などへの恩恵が幾重にも加わることで、その生産波及効果は総額約五十三兆円と、名目GDPの五・六%にも相当する付加価値を生み出しております。
 このほか観光客を誘致するために生み出された商品やサービスなどの付加価値は、二十八・三兆円に達し、雇用効果は四百四十二万人にも上ると言われています。単純に効果が認められる金額の合計だけ見れば、およそ我が国の一般会計に匹敵する規模となります。
 公明党は、これまでも観光振興に向けた政策を強力に推進してまいりましたが、本年四月二十五日には、国の観光政策を担う新たな行政機関「観光庁」の設置を盛り込んだ改正国土交通省設置法が、五月十六日には、長期滞在型の観光を後押しする新法である観光圏整備法を成立させ、一層、観光立国・日本に実現に向けた体制や施策を充実してまいりました。
 いよいよ十月には、国際競争力を備えた魅力ある観光圏づくりへ、国の新たな司令塔として観光庁が新設されます。四季が織りなす美しい自然の変化を楽しめ、列島全土に豊富な温泉を有し、昨今、世界でも評価の高い食文化を誇る日本の高い観光ポテンシャルをいかに引き出していくかが今後の課題であります。
 観光客の来訪や長期滞在を促すには、地域や企業が連携して国際競争力の高い魅力ある観光圏をつくることが必要であります。それには、宿泊施設や交通手段、案内・情報提供の充実、そして新たな観光資源の発掘などが不可欠であると考えています。
 さきに述べました観光圏整備法では、圏域内の自治体や観光、農林、商工業者、NPOなどから構成される協議会が策定する観光圏整備実施計画を国交省が認定すれば、観光圏整備に向けた事業に対して国が財政支援などを行うことが盛り込まれています。私は、本県としてもこれを利用しない手はないと思うのであります。
 ことしの夏に実施した「おいでませ山口デスティネーション・キャンペーン」においても、観光PRのため、京都駅に大々的に張り出されていたポスターを私も八月の上旬、視察途中に立ち寄った際に見かけて、大変感激した一人であります。きっと本県PRの効果はあったと確信をしております。
 そこで、お尋ねいたしますが、本県の観光振興について、年間観光客三千万人構想の実現に向け、多彩な観光資源を活用しつつ、今後の戦略的な観光施策にどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 次に、消費者行政についてお尋ねいたします。
 昨年来、消費者を脅かす事件が立て続けに発覚しております。中国製冷凍ギョーザによる中毒事件、牛一○○%と偽って販売した食肉偽装事件、賞味期限が過ぎた牛乳を使用してつくられた洋菓子が売られたり、有名な和菓子でも消費期限が改ざんされていたという事件がありました。
 また、ここ数年は、石油ファンヒーターやガス湯沸かし器による死亡事故や、シュレッダーなどの身近な製品の事故も相次いで起こりました。さらに、住宅の耐震偽装や英会話教室、エステ、保険などの金融商品をめぐる契約トラブルなど、消費者被害は広範囲に及び、我々消費者の不安は高まるばかりであります。
 一方、県内の相談状況を見ますと、県消費者生活センターや市町の相談窓口に寄せられた相談件数は、架空請求が多発した平成十六年度の三万三千件をピークに減少傾向にはあるものの、複雑、巧妙化する新たな手口の登場などにより、解決に当たり専門的な知識と時間を要する相談がふえている状況にあります。
 このような中、御案内のとおり、本年六月二十七日に、消費者庁創設のための「消費者行政推進基本計画」が閣議決定され、来年度の消費者庁スタートに向け、現在開会中の臨時国会に消費者庁設置法案が提出されたところであります。
 政府・与党が目指す消費者庁構想は、産業の振興・育成を効率的に進めるための組織形態として続いてきた現在の縦割り行政を打破することを目的とし、消費者目線の行政を進めるかじ取り役としての消費者庁を創設することにより、行政自体を消費者重視、国民本位に改めようとする、いわば新たな行政改革への取り組みとも言うべきものであります。
 基本計画によると、消費者庁は、消費者行政担当大臣のもと、内閣府の外局として設置され、消費者の視点から政策全般を監視するため、強力な総合調整権限、勧告権が付与され、既存の法律、新法を問わず、法案の企画立案機能を持ち、各省庁の縦割りを越え、幅広い分野を対象とした横断的な新法等を企画立案することを重要な任務とされております。
 どういうことかと言えば、これは、かつて輸入おもちゃの塗料に基準値を超える鉛が含まれていた事件では、一、情報発信がおくれた、二、食品衛生法上のおもちゃの種類が限定されていた、三、一部の塗料について、食品衛生法上の規格がなかった、四、おもちゃの所管省庁が厚労省や経産省など多岐にわたっていた、五、規制のすき間があったなどの理由で消費者に不安を抱かせてしまったり、死者も出したガス瞬間湯沸かし器事件では、事業者の報告義務や一元的な情報収集が適切に働かなかったという反省をもとに、あらゆる事故情報が一元的に集まり、法に基づいて素早く対処でき、規制のすき間があれば新法を立案し、他省庁への勧告権を持つ、国民を守るためには実効性ある強い消費者庁を構想しているということであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、消費者の暮らしの安心・安全を確保するためには、消費者が身近に相談できる県や市町の消費生活センターの役割は、ますます重要になると考えますが、現在、県として、消費者からの相談にどのように対応されているのか、お伺いいたします。
 また、国においては、消費者庁の設置に向けた動きが進んでいますが、こうした動きに呼応して、今後、県としてどのように相談体制の強化を図られるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、雇用促進住宅の退去困難者への支援についてお尋ねいたします。
 雇用促進住宅は、就職することに伴い住居を移転する方や、転勤等により住居の移転を余儀なくされ、住宅に困窮している方などに対し、住宅の確保を図ることで職業の安定を図るため、国が設置し、現在においては、独立行政法人雇用・能力開発機構が運営している住宅であります。
 この雇用促進住宅は、現在、全国で約十四万一千戸あり、本県においても、三十三カ所、約二千八百戸設置されているところであります。
 この雇用促進住宅については、平成十三年十二月に閣議決定された「特殊法人等整理合理化計画」や平成十九年六月に閣議決定された「規制改革推進のための三カ年計画」等を踏まえ、平成三十三年度までに譲渡・廃止を完了することとし、そのうち二分の一程度を、平成二十三年度までに前倒しして廃止することとされております。
 本年四月以降、新規入居を停止し、十二月以降は契約更新を行わず、順次退去することになっており、本県においても、千八十九戸が対象になっております。
 こうした中、本年四月一日付で廃止決定された六百五十住宅については、既に退去を求める入居者説明会などが全国で開催されており、多くの入居者に混乱が生じています。とりわけ、転居先の見つからない長期入居者などには大きな不安が生じています。長期入居者のうち、特に高齢者、加齢に伴う体の弱りを訴えられる方など、やむを得ない、かつまた、困難な事情を抱えたままで転居先が決まらない入居者からは、悲痛な訴えをお聞きしている状況であります。
 このため、我が公明党においては、去る八月二十一日、厚生労働省に対し、居住者への丁寧な説明と情報提供体制の整備、退去までの準備期間の確保、公営住宅への優先入居の促進など、自治体との連携強化などに関する要請を行ったところであります。
 こうした入居者の退去に関しては、当然、政府に対しても適切な対応を求めるものでありますが、特に先ほど申し上げました高齢者や加齢に伴う体の弱りを訴えられる方など、入居者の方々が安心して住むことのできる環境の確保が重要だと考えております。
 そこで、お尋ねいたしますが、県として、この雇用促進住宅の廃止問題にどのような姿勢で取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。
 最後に、裁判員制度と警察の適正な取り調べについてお尋ねいたします。
 国民の有権者の中から無作為に選ばれた裁判員が、殺人や傷害致死などの重大事件の刑事裁判で、裁判官とともに犯罪を裁く裁判員制度が、明年五月二十一日から実施されます。
 同制度では、法律の専門家ではない国民が裁判に参加し、国民の視点・感覚が裁判の手続・内容に反映されるようになること、そして、それによって、国民の司法に対する理解と支持が深まることが期待されています。また、そのほかにも、裁判がより迅速に行われるようになることや、裁判の手続や判決の内容がよりわかりやすくなることも期待されております。
 ただ、実際の裁判では、供述調書の任意性や信用性などが争われることも多く、一たび裁判員となった場合には、そうしたことに対する判断も求められることは必然で、法律家でない国民にとっては非常に判断に苦しむ場面に立たされてしまうことも十分に考えられます。
 しかし、憲法で定められた被疑者の人権擁護の立場から、密室での長時間の取り調べが容認されていいはずはありません。さらに、国民の有権者の中から無作為に選ばれ、義務として裁判員となった人たちに、自白の任意性について延々と審理させることがあってはなりません。
 こうした中で、裁判の短期化を目標の一つにする裁判員制度導入にとって、取り調べの可視化は検討すべき取り組みの一つと考えます。取り調べの可視化とは、捜査の結果、犯罪を行ったと疑われる被疑者に対して、警察や検察が行う取り調べの全過程を録音・録画することで可視化が実現すると、冤罪の原因となる密室での違法・不当な取り調べによる自白の強要が防止できるとともに、供述調書に書かれた自白の任意性や信用性が争われた場合には、取り調べの録音・録画テープが証拠となります。
 自白の任意性、信用性を迅速・的確に判断するための方策として、また、冤罪事件を防ぐための有効な手段であることは、二○○六年から取り調べの一部録音・録画の試行を続けている検察から、自白の任意性の立証に有効などとする中間報告が本年三月に出されたほか、四月からは裁判員制度が行われる全地検と地検支部でも、取り調べの一部録音・録画の本格的な試行を実施しており、捜査の最前線を担う警察も、九月から警視庁等一部で取り調べの一部録音・録画を試行しております。
 しかし、当初から警察、検察ともに、取り調べの可視化について反対の姿勢を示しておりました。その背景には、日本の刑事手法では、欧米では認められているおとり捜査や潜入捜査、さらには通信や会話の傍受といった多彩な捜査手法が認められていないため、被疑者逮捕の時点で十分な証拠収集が可能で、あえて自白させる必要のない刑事手法制度を持つ欧米諸国とは異なり、裁判に持ち込めるだけの証拠を得るためには、どうしても被疑者の自白に頼らざるを得ず、取り調べの中で信頼関係を築き上げて自白に追い込む必要があると説明されてきました。
 ところが、富山県の氷見事件や鹿児島県議選での志布志事件のように、一部では、自白を得ようとする余り、被疑者に対する違法・不当な取り調べが行われ、虚偽の自白に追い込まれたものもあり、取り調べの可視化について、国民的な関心を呼びました。
 そこで、我が公明党の「これからの捜査の在り方検討会」は、二○○四年に衆参両院の法務委員会がそれぞれ全会一致で採択した附帯決議を踏まえ、「あるべき取り調べの適正化についての提言」をまとめました。刑事手続全体を見渡し、当面求める施策、今後検討すべき施策と段階を踏んだ慎重な検討を可能にする配慮など、具体的なプロセスを示したところであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、明年から裁判員制度がスタートいたしますが、山口県警察では、警察捜査における取り調べの信頼性や透明性の確保にどのように取り組まれているのか、お伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
◎知事(二井関成君) 私からは、観光振興についてのお尋ねにお答えいたします。
 観光の振興は、交流人口の拡大を通じて本県経済の活性化に資するものであります。「住み良さ日本一の元気県づくり」を進める上でも、極めて重要であると考えております。
 このため、現在策定中の「加速化プラン」におきましては、「年間観光客三千万人構想の実現」を重点事業として位置づけ、戦略的な観光施策を推進していくことにいたしておりますが、私は、今後の観光戦略を進めるに当たっては、この七月からの期間中、好調に推移をいたしておりますデスティネーション・キャンペーンの成果を生かし、これを発展させていくことが重要であると考えております。
 今回のキャンペーンでは、各地域において、市町及び観光団体が連携して、新たな観光素材の創出に取り組みますとともに、「山口どこでも紙芝居」等のおもてなしプログラムに積極的に住民が参加するなど、地域力や県民力は大きく育っているとこであります。
 今後、こうした地域一体となった受け入れ体制をさらに強化をし、多彩な観光資源のブラッシュアップを進めることによりまして、全国に誇れる魅力ある観光地づくりを進めることにいたしております。
 また、PR媒体の効果的な活用や旅行会社とのタイアップにより、本県観光の露出度を高めることができました。そのことから、このノウハウやネットワークを活用して、ターゲットに的確に応じた情報発信や旅行商品の企画をさらに促進をすることによりまして、旅行形態の変化や市場の動向を踏まえた戦略的な観光PRを実施することにいたしております。
 さらに、お示しがありました観光圏整備を初めとする広域的な地域連携の取り組みは、国際観光も視野に入れた魅力ある観光地の形成を促進するものでありますから、これまで以上に積極的に取り組んでいく必要があります。
 私としては、今回のキャンペーンをはずみにして、今後、有識者や観光関係者で構成する県観光戦略会議における検討や提言、また観光関係団体や市町の意見も踏まえまして、「年間観光客三千万人構想」を具体化するためのアクションプランを策定することにいたしております。これを着実かつ計画的に推進をして、「観光交流県やまぐち」の実現に取り組んでまいります。
 そのほかの御質問につきましては、関係参与員よりお答えいたします。
◎土木建築部長(柳橋則夫君) 土木防災情報システムのさらなる機能強化についてのお尋ねです。
 現在の土木防災情報システムは、水防活動を支援するため、平成十二年から県・市町等の水防関係者を対象に、雨量や河川水位等の情報を配信してきました。
 また、平成十四年からは、広く県民の皆様へも同様の情報を提供するため、県のホームページにも公開しています。
 お示しのとおり、県としましても、県民の皆様への迅速で正確な情報提供は重要であると考えており、携帯電話等へのメール自動配信サービスを平成二十二年度から開始できるよう、現在、システムの改良を行っているところです。
 具体的には、注意報・警報の発令時に、携帯電話等へのメールを通じて、このサービスを希望する県民の方々に必要な情報を提供できるようになります。あわせて、利用者がより使いやすいように、見やすい画面や操作手順の簡略化を行ってまいります。
 県としましては、こうした機能強化を図るとともに、より多くの県民の皆様に土木防災情報システムを利用していただけるよう、市町とも協力し、出前講座や防災学習等あらゆる機会を通じ、普及・啓発に努めてまいります。
◎総務部長(三好猛君) 歳入の確保対策に関連して、個人県民税の徴収対策についてのお尋ねであります。
 個人県民税につきましては、お示しのように、昨年度実施された税源移譲により、調定額がほぼ倍増となる一方で、滞納繰越額は増加しております。
 個人県民税は、市や町に賦課徴収権があり、原則として県が直接に徴収することができないため、従来より、市町との共同催告や共同訪問、市町税務職員の研修など、側面的な支援を行ってきたところです。
 さらに、平成十七年度からは、徴収が困難な滞納事案を市町から引き継ぎ、県が直接滞納整理を行う、いわゆる直接徴収を実施してきました。
 こうした中で、一部の市町から、滞納整理のノウハウを直接指導してほしいという要望があり、県としても、市町みずからの徴収能力の向上が不可欠との判断のもと、昨年度からは県職員を市町に派遣し、市町職員とともに滞納整理を行う併任徴収を導入したところであります。
 昨年度は、特に強い要望があった一市二町に延べ四人を派遣し、具体的な成果として、納付、納税誓約、財産差し押さえ等により約一億九千万円の滞納に解消のめどをつけました。
 本年度は、個人住民税市町徴収支援チームを新設し、五市五町に延べ十三人の職員を派遣しております。
 一方、個人県民税の滞納繰越額の四分の三は、人口十万人以上の六市で抱えており、この中には一般的な徴収技術では対応が困難な大口かつ悪質な滞納が多数見受けられることから、滞納繰越額の圧縮を図るためには、これらの事案への対応が大きな課題となっております。
 したがいまして、今後の対応につきましては、これまでの市町職員の徴収技術のレベルアップに主眼を置くものとは異なり、極めて徴収困難な滞納事案に的を絞って、市職員とともに、自宅や事務所などに立ち入り、財産調査を行う捜索を中心とした、新しい形の併任徴収制度について検討を進めているところであります。
 県としましては、今後とも、併任徴収等の実施を通じて、市や町との連携をこれまで以上に密にしながら、移譲された税収の確保に努めてまいりたいと考えております。
◎環境生活部長(伊藤通雄君) 消費者行政についての二点のお尋ねにお答えします。
 まず、消費者相談への対応についてです。
 現在、県の消費生活センターでは、悪質商法や多重債務等に関する相談の受け付けから問題解決に至るまで、きめ細かな対応を行っております。
 昨年度は七千八百五十一件の相談があり、その多くは専門相談員による助言や情報提供により解決しておりますが、消費者による解決が困難な事案については、弁護士等の専門家と連携したあっせんや調停により三百五十一件の解決が図られたところです。
 また、特に悪質な事業者に対しては、業務停止命令や不当な取引に対する是正勧告を行うなど、警察や保健所等の関係機関とも連携を図りながら、厳正に対処しております。
 なお、被害の未然防止を図ることが何よりも重要でありますことから、昨年十二月に構築した市町や消費者団体等百三十四の関係機関で構成する「くらしの安心ネット」を活用し、随時、食品偽装や架空請求等に対する注意喚起を行うなど、県民の暮らしの安心・安全の確保に努めているところであります。
 次に、国の消費者庁設置に呼応した今後の相談体制の強化についてです。
 県では、国の動きも踏まえ、現在、庁内関係課で構成する検討会において、今後の相談業務のあり方を初め、国等関係機関との連携や弁護士等の専門家の活用など、センターを窓口とした相談体制の強化方策等について、検討を進めております。
 とりわけ、消費者からの相談に迅速に対応するためには、身近に相談できる市町センターの充実強化と、国・県・市町の情報の一元化・共有化を図ることが大変重要であります。
 このため、市町に対し、国において検討されている新たな支援制度を活用したセンターの新設や組織体制の強化について働きかけるとともに、相談員の資質向上に向けた研修についても充実していく考えであります。
 また、今後、整備が予定されている全国の相談情報を一元化するネットワークシステムを活用し、情報の迅速な収集・提供や共有化等を進めていきたいと考えております。
 県としましては、今後とも、国・市町・関係機関等と連携を密にし、県民の視点に立った消費者行政の推進に積極的に取り組んでまいります。
◎商工労働部長(佐本敏朗君) 雇用促進住宅の廃止問題への県の取り組みについてのお尋ねであります。
 お示しのように、雇用促進住宅は、国が設置し、独立行政法人雇用・能力開発機構が運営する施設でありますことから、入居者の円滑な移転や退去困難者への配慮など、住宅の廃止に伴う問題につきましては、まずは、国及び機構が責任を持って取り組まれるべきものと考えており、県といたしましては、国及び機構において適切な対応が図られるよう働きかけてまいります。
 しかしながら、お示しのように、入居者の方々が安心して住むことのできる環境の確保は重要な問題でありますことから、県といたしましては、国や機構からの要請に基づき、県営住宅の募集情報や高齢者等の優先入居の取り扱い制度に関する適切な情報提供に努めるとともに、入居者の方からの住宅関係の各種相談へきめ細かに対応するなど、関係部局の連携のもと、入居者の移転先の確保が円滑に進むよう協力してまいります。
◎警察本部長(御手洗伸太郎君) 取り調べの信頼性や透明性の確保に向けた取り組みについてお答えを申し上げます。
 警察による被疑者の取り調べにつきましては、そのあり方を問われる無罪判決等が相次ぎ、国民から厳しい指弾を受けたことから、取り調べに対する信頼性を確保するため、全国警察を挙げて、取り調べの一層の適正化に向けた取り組みを推進しているとこであります。
 本県警察における具体的取り組みとしては、警察本部内に「被疑者取調監督推進室」を設置するとともに、本年九月一日の全国一斉の試行に先駆け、本年六月から捜査部門以外の部門において、取り調べ室の外部から取り調べの状況を視認するなど、取り調べに対する監督を強化しております。
 また、深夜または長時間の取り調べを行うに際して、本部長あるいは警察署長の承認を受けさせるなど、取り調べ管理の徹底を図っております。
 さらに、取り調べの適正化に関する規定や各種施策の趣旨、具体的内容等につきましては、警察署長会議等の各種会議やセミナーの開催、全警察署に対する巡回指導を実施し、警察職員一人一人まで確実に浸透させるよう、指導・教養を徹底し、意識の向上に努めているとこであります。
 なお、取り調べの一部録音・録画につきましては、本年九月一日から警視庁等五都府県において試行されており、今後、警察庁において、この試行結果の検証等が行われるものと承知しております。
 いずれにいたしましても、本県警察におきましては、警察捜査に対する県民の信頼をより確かなものとするため、来るべき裁判員制度への適合性をも念頭に置きつつ、引き続き、取り調べの一層の適正化について全力を挙げて取り組んでまいります。
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Posted on 2008/09/30 Tue. 13:45 [edit]

category: 2008年議会報告

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