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うえおか康彦活動日誌

山口県議会議員上岡康彦の活動日誌

平成 18年11月定例会 

平成 18年11月定例会 - 12月04日-02号
△日程第三議案第一号から第十九号まで
◆(上岡康彦君) おはようございます。公明党の上岡康彦でございます。
 去る十一月十九日、太田新代表を迎えて、我が公明党山口県本部としても、新たな出発を期したところであります。決意も新たに、県勢発展のため、これからも頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 では、通告に従い、公明党県議団を代表して質問をさせていただきます。
 最初に、平成十九年度当初予算編成における行政改革の取り組みについてお尋ねいたします。
 現在の地方財政は、近年の税収不足等から生じた多額の財源不足を、交付税特別会計借入金や特例的な地方債の増発等によって補てんしてきた結果、債務残高が二百四兆円と累積し、厳しい状況が続いております。
 本県財政も同様に、県債残高の増嵩が進み、公債費が今後も高い水準で推移すると見込まれるなど、財政体質の硬直化が進んでおり、年末の地方財政対策の決着次第では、状況は厳しさを増すものと懸念されます。
 こうした状況の中で、平成十九年度当初予算編成方針が示されたわけですが、「財政改革への徹底した取り組み」を基本方針の一つとし、中期的な財政改革の指針や行政改革推進プランに沿って、歳出構造や経費支出の徹底した見直し、歳入のきめ細かな洗い直しを進め、「県政集中改革期」の最終年度として、将来に向けた財政健全化の取り組みを確かなものにするとされています。
 特に、歳出の見直しについては、「役割分担の明確化」を重視し、県が本来果たすべき役割と責任を、いま一度、ゼロベースで見直すとのことです。これは、私ども公明党が行政改革を進めるに際し、行政がやるべき仕事は何で、公務員がやるべきなのか、民間でも可能なのか、そもそもやる必要があるのか、と主張してきた「事業仕分け」の考え方に沿うものであると評価しております。
 私は、地方財政の健全化を進めるためには、国においては、国と地方の役割分担を積極的に見直すほか、地方における財政負担の軽減や、地方への関与、義務づけの廃止・縮小等の見直しを行うべきであり、地方公共団体みずからも、住民本位の行政体制を確立し、あらゆる創意工夫を集中的に講じ、住民の目に見える形で成果が上がるよう、徹底した行政改革を行い、特に、総人件費抑制のためにも、定員管理目標の着実な達成が必要だと考えます。
 その取り組み成果は、少子・高齢化への対応や地域活力の創出などの直面する課題に対応する行政サービスの充実や、現世代で対処するべき特例的な地方債等、地方の債務残高の縮減に通じ、ひいては、地域住民に還元されるものと考えます。
 そこで、お尋ねいたしますが、平成十九年度当初予算において、行政改革推進プランの取り組みをどのように推進されるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、雇用対策についてお尋ねいたします。
 生産年齢人口の減少や労働者の年齢構成の変化、また、IT技術の進展などに伴う職場環境の大きな変化の中で、働く個人が高い意欲を持って、心身とも充実した状態で働けて、自己の能力を存分に発揮でき、仕事の成果を十分社会に還元していくためには、「仕事と家庭」「仕事と地域活動」「仕事と趣味」の両立など、みずからのライフスタイルを安心・納得して、選択・実現できる環境の整備が重要な課題であると思います。
 一方、企業側では、優秀な人材を引きつけ、働く人の意欲・能力を最大限に引き出し、生産性を向上させるためには、人材の確保とともに、こうした仕事と余暇のバランスがとれる勤務形態へのシフトが不可欠であると、発想を転換する必要があります。
 このような職場が本県でふえていけば、仕事と仕事以外の活動のバランス、すなわち、「ワークライフバランス」がうまくとれた生活が送れる県民が増加し、経済社会の繁栄ももちろん、家庭生活が豊かでゆとりあるものになり、知事が公約された「住み良さ日本一の元気県山口」実現への近道となるのではないかと考えております。
 しかしながら、最近の県内景気は、回復基調を保ちながら、雇用面での改善の動きも見られますが、パートや派遣労働者の比率が高まるなど、就業形態の多様化が進み、常用雇用を求める求職者のニーズとは必ずしも一致しない雇用のミスマッチや、年長フリーターの増加といった問題も生じています。また、二○○七年問題に対応した、団塊の世代の退職に伴う技能・技術の継承支援も、喫緊の課題であります。
 こうした中で、家庭サービスなど、仕事以外の活動の充実を図るためには、仕事面での充実、所得の確保・向上が必要であります。そのためには、各世代ごとに対応した職業能力開発基盤の整備・充実や、雇用のミスマッチ解消などに向けた雇用対策を進めるとともに、若者の雇用対策や女性の就職対策、障害者への就労訓練、非正規労働者対策の充実など、さまざまな課題に対応した施策が必要ですが、最近の雇用環境や社会経済情勢を見るとき、私は、今後、産業界のニーズに的確に対応した人材の育成・確保など、産業政策と連携した取り組みと、安倍総理が特に重点的に取り組まれている、新卒時に正規雇用につけなかった若者や子育てを終えた女性などの再チャレンジの支援のための取り組み、この二つの施策の強化・充実が特段重要と考えます。
 そこで、お尋ねいたしますが、今後の人口減少社会における本県産業の持続的発展とともに、仕事と生活のバランスがとれた県民生活が送れる社会の実現を図るためには、産業人材の育成・確保を図るとともに、再チャレンジを支援することが重要であると考えますが、最近の雇用環境等の変化に対応し、今後、県はどのような方針で雇用対策に取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、観光振興についてお尋ねいたします。
 現代社会においては、交通通信手段の飛躍的な進歩により、世界規模での交流が進み、まさに大交流時代を迎えています。その中で、観光は、旅行、宿泊、輸送、飲食などの幅広い産業の振興や雇用の拡大など、地域経済に大きな影響を及ぼすと同時に、交流人口の拡大により地域経済の活性化につながる柱の一つとして、その振興が大いに期待されているところであります。
 近年では、余暇時間の拡大や価値観やライフスタイルの多様化等により、従来の画一化した団体旅行・通過型旅行から、個人や家族をベースにし、農業体験や自然学習等の体験・交流を楽しむ時間消費型・体験型の旅行に移行しており、また、新幹線や航空機等の高速交通網の整備が進み、短時間で全国各地への移動が可能になるなど、活動範囲が拡大し、一層地域間での誘客競争が激化しております。
 このような状況下にあって、本県への一層の観光客誘致を図るためには、多様化するニーズに対応すると同時に、地域の自然的、社会的、人的資源を十分に活用し、本県の個性・魅力をアピールできる観光地づくりが必要となってきております。
 県におかれましては、観光客数三千万人を目標に、デザイン21第五次実行計画の重点プロジェクトとして「おいでませ山口推進プロジェクト」を掲げ、その中で魅力ある観光地づくりに向けて、観光戦略会議を中心に、新たな観光資源の発掘や観光ボランティアなどの人材育成、高齢者や障害者に優しいバリアフリー化の推進など、ホスピタリティの向上にも積極的に取り組まれていることは、承知をしております。
 例えば、萩における「まちじゅう博物館」や山口の「アートふる山口」などの地域の町並みや史跡を生かした取り組み、また、瀬戸内海沿岸に立地するコンビナート群を活用した産業観光への取り組みなど、県内各地で地域資源を生かした観光地づくりが進んでおりますし、ホスピタリティの向上についても、私の住む周南地域の玄関口であるJR徳山駅の改修においても、バリアフリー化が進められているなど、その成果は着実にあらわれていると思います。
 また、先月、本県で開催された「国民文化祭」には、目標の百万人を超える約百四十五万人の入場者を記録するなど、大成功をおさめましたが、その要因の一つとして、ボランティアを初めとする県民の温かい「おもてなし」が上げられます。こうした国民文化祭で培われた「おもてなし」の心も、今後の観光地づくりに、ぜひとも生かしていく必要があると考えます。
 さきに公表された観光客動態調査によれば、平成十七年の県内観光客は、二千三百八十二万八千人でした。山口きらら博が開催された平成十三年の二千五百五十万人をピークとして、近年は二千三百万人前後で推移しているのが現状です。
 地域間競争が激化する中で、観光客数をふやすことは決して容易なことではないと思いますが、新たな旅行需要が見込まれる団塊の世代の大量退職等を控えるなど、一段と多様化するニーズに迅速に対応するとともに、特色のある観光地間の広域連携を進めるなどにより、本県観光地のさらなるレベルアップを図る必要があると考えます。
 そこで、お尋ねいたしますが、県のこれまでの取り組みの成果等を踏まえ、今後、地域資源を活用した魅力のある観光地づくりにどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
 次に、農業問題についてお尋ねをいたします。
 比較文明論の大家である伊東俊太郎教授の著書「十二世紀のルネサンス」の中で、通常、ルネサンスとは、イタリア・ルネサンスのことで、十四世紀から十六世紀に起きた運動を指しますが、西欧世界の文化基盤が準備された十二世紀にも、ヨーロッパ文化の一大転換期があったというのであります。この転換を可能にした要因が、外的にはイスラム文明との出会い、そして、内的要因の一つは「農村の生産力向上」だったというのであります。
 日本でも、本年、農政に大きな出来事が起こりました。「戦後農政の大転換」と言われる農政改革関連三法が、さきの通常国会で成立し、来年四月から施行されることになりました。
 この改革三法の柱となるのが、いわゆる「担い手経営安定新法」と呼ばれる法律ですが、一方で、この経営安定対策とあわせて、大事な車の両輪をなすのが「農地・水・環境保全向上対策」であります。地域活動への支援策として位置づけられており、まず、農地・農業用水など、環境の保全や向上に取り組む共同活動に対して基礎的な支援を行い、その上に、基礎的支援が行われている地域において、化学肥料や農薬の使用量を減らした環境にやさしい営農活動に対して、さらなる支援を行うというものであります。
 さて、農村には、ゆとりや安らぎなど、人々の心を豊かにしてくれる魅力がたくさんあります。あかね色に染まった夕日の中で、幾段にも重なり合って浮かび上がる棚田の風景などは、美しい名画でも鑑賞しているかのように、だれしもが感動すると思います。こうした農地や農業用水などの、いわゆる農村資源は、農業の営みの中で営々とその機能が維持されてきており、管理にも手が行き届いているからこそ美しいのであります。
 また、農村資源は、国土の保全や水源涵養などの機能もあわせ持っており、例えば、全国の農業用水路の総延長は約四十万キロにも及び、その長さは地球の約十周分にも達し、その資産価値は二十五兆円に上ると言われております。
 しかし、数百年前から、私たちの先祖が努力して築き上げてきた日本のこのような財産は、今や過疎化、高齢化、集落機能の低下等に伴い、限られた農業の担い手だけでは維持することが困難な状況に陥っております。このままだと、農村の美しい風景は失われ、田んぼや水路の持つ洪水防止や水源涵養のみならず、多様な動植物の生息空間などのさまざまな多面的機能までもが破壊されてしまうおそれがあります。
 幸い、近年、我が国でも、国民意識は、「物の豊かさ」よりも「心の豊かさ」を重視する方向に転換し、都市住民のふるさと志向や地方回帰の動きが高まっております。
 国が実施した国民意識調査にも、自然や生態系の保全など、農業・農村が持つ働きを半数以上が理解し、九割がこうした働きの維持活動が必要であると回答、また、二人に一人は、維持管理の活動に参加する意思を持っているとの結果も出ております。にもかかわらず、農業を営む意思を持っていても、環境保全や水源涵養のために整備費用負担が重荷になってしまっては、せっかくのチャンスがまさに水泡に帰してしまいます。
 こうした中、国も、来年度から、農業の持続的発展と多面的機能の発揮を図るため、地域ぐるみで農地や農業用水などを保全する活動に助成する対策を導入予定であり、こうした農村の新しい地域づくりを目指した新施策に大いに期待したいところであります。
 私は、常々、私たちに大きな恩恵を与えてくれている農村の持つ多面的機能は、社会共有の財産だと認識しており、今、農業が置かれている環境は厳しい状況にありますが、私たちの子や孫にいかに引き継いでいくかが、私たちに課せられた使命の一つではないかと考えております。
 そこで、お尋ねいたしますが、本県は、農村の持つ多面的機能の維持に向けて、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、今後の消費者行政の取り組みについてお尋ねいたします。
 消費者施策の推進につきましては、六月の本会議での我が党の質問に対しまして御答弁をいただいているところではありますが、公明党は、これまでも消費者保護を一貫して推進してきたところであり、我が党結党以来の重要な課題でありますことから、改めて御質問をしたいと思います。
 平成十七年度に、山口県消費生活センターに寄せられた相談件数は、一万二千七百九件となっており、前年度に比べ三三%減少しておりますが、六十歳以上の高齢者からの相談件数は、逆に二八%増加し、依然、高齢者をねらった悪質な手口による被害の増加は顕著であります。
 このように、被害の歯どめがかからない中、「悪徳商法と戦う切り札」として期待が高まっているのが、「消費者団体訴訟制度」であります。本年五月、「消費者団体訴訟制度」の導入を盛り込んだ「改正消費者契約法」が成立し、消費者、事業者などに周知徹底した上で、来年の六月に施行されることとされております。
 この「消費者団体訴訟制度」は、悪徳商法の被害者のかわりに、国から認定を受けた「適格消費者団体」が事業者を相手に裁判所に差しとめ請求を行うことにより、被害者が多数となる傾向がある悪徳商法の被害を未然に防ぎ、不特定多数の消費者の利益を守る制度であります。
 我が公明党では、消費者団体訴訟制度の法制化実現をマニフェストに掲げ、党内にプロジェクトチームを設置し、消費者団体と綿密な協議を重ねてきたところであります。その中で、一、差しとめ対象を不当勧誘行為まで拡大すること。二、裁判管轄を本社所在地だけでなく、営業所所在地も加えること。三、適格消費者団体間の情報共有や連携協力を進める体制の確立などを提案し、消費者契約法の改正に懸命に取り組んできたところであります。
 その上で、県においても、県内の消費者団体の育成や消費者の利益擁護を活動目的としているNPO法人の活用など、全県的な取り組みが図られるよう検討する必要があると考えておりますが、そこで、お尋ねをいたします。
 県では、このような団体訴権導入という国の新たな動向も踏まえ、今後、どのように消費者行政に取り組まれようとされているのか、お伺いいたします。
 次に、児童虐待防止対策についてお尋ねいたします。
 最近、秋田県大仙市、京都府長岡京市と立て続けに児童の虐待死が起こりましたが、私も、どちらも行政がもう一歩踏み込んでいたら、という思いがぬぐい切れない一人であります。
 秋田県のケースは、一昨年の夏、児童相談所により、母親と子供が引き離されたものの、翌日には、母親の実家で再び子供と一緒に暮らしており、その後、児童相談所は、二人を引き離すことなく、「虐待はなくなった」として、母子の面談も行っていなかったようであります。
 また、京都府のケースでは、三歳児が餓死しましたが、「おなかがすいた」とよく泣いていたそうです。近所の人が心配し、民生委員を通じて、再三、児童相談所に連絡を入れたにもかかわらず、立ち入り調査もせず、警察との連携もとっていなかったという事件であります。これらは、いずれも虐待問題に対する認識の甘さが、改めて浮き彫りになった事件だと言えます。
 昨年度、全国の児童相談所に寄せられた虐待相談対応件数は、約三万四千四百件にも上り、私が以前、一般質問で取り上げたときの平成十四年度のデータと比べて約五割増し、児童虐待防止法が施行された五年前と比べて約二倍もの相談件数になっております。
 また、児童福祉法の改正により、昨年四月からは、新たに市町村が虐待の相談・通告の窓口となっておりますが、さきに発表された調査結果では、全国の市町村で約三万八千百件の相談を受け付けているとのことでありました。
 これまで、家庭内にとどまっていた児童虐待が、法改正や対策の進展により、地域住民や教育関係者、医療機関などからの相談がふえ、表面化してきたと思われますが、親が子を虐待死させるような悲惨な事件が後を絶たないだけに、周囲は一層の危機感を持って臨む必要があると考えます。
 我が公明党は、児童虐待のない地域を目指すため、児童相談所や児童福祉施設、学校、病院、警察、ボランティア、地域住民等の連携による「児童虐待防止ネットワーク」の全市町村への整備や、虐待のおそれのある家庭の早期発見にも資する「育児支援家庭訪問事業」を、平成二十年度までに全市町村で実施することをマニフェストに掲げ、その実現に努めてきたところであります。
 しかしながら、本県では、まだ児童虐待防止ネットワークが整備されていない町が五町、また、「育児支援家庭訪問事業」の実施は、わずか五市という数字にとどまっており、本気になって早急な体制整備と事業実施が急務であると考えます。
 また、こうした状況下では、来年度概算要求に盛り込まれた、育児不安の解消や虐待の未然防止を図る「こんにちは赤ちゃん事業」の実施も大変懸念されるところであります。
 児童虐待は、まず起こさせない「未然防止」が何よりも重要であり、起こったときには「早期発見・早期対応」が求められます。
 県は、児童福祉法の改正により、専門的な知識と技術を必要とするケースへの対応や、市町の後方支援に重点的に当たるとされておりますが、全県下での児童虐待防止対策の強化を図っていく上で、特に、未然防止や早期発見・早期対応のための市町支援は、不可欠な施策と考えます。
 他県で立て続けに起きた虐待死事件ではありますが、本県でも、同様のことが起こり得ないとは言い切れません。虐待から子供を守る、子供の悲劇を絶対に繰り返さないという強い姿勢に立って、対策を講じていただきたいと念願するものであります。
 そこで、お尋ねいたしますが、児童虐待防止対策について、特に、未然防止から早期発見・早期対応に、県としてどのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、学校におけるいじめの問題についてお尋ねいたします。
 あるNPO団体が実施したいじめに関する調査によると、回答の中で「いじめる方が悪い」という回答は、小学生では六割を超えたものの、残念ながら、中高生では四割台にとどまり、反対に「いじめられる側にも問題がある」とした回答結果も、実際に出ているそうであります。
 また、「いじめは、いつの時代にもある。大騒ぎし過ぎ」とか、「ちょっとぐらいのことで負けるな」という、いじめに対する誤った考えを持っている大人たちも多いのではないでしょうか。むしろ、こうした「大人の鈍感さ」こそ、実はいじめがはびこる「もと」なのではないかと私は考えます。
 「いじめは一○○%、いじめる側が悪い」「いじめは人道上の犯罪、断じて許さない」、そして「恥ずかしいのは、人の痛みに気づかない人たちであり、人が苦しんでいるのに、助けようとしない人たちの方である」という強い考えを、学校や親だけでなく、いかに多くの大人たちにも、心の底から理解してもらえるか、ここに「いじめ根絶」のポイントがあるのではないでしょうか。
 一方で、学校では「いじめはある」という大前提のもとに、いじめをいかに早く発見し、また、発見したら、すぐさま解決に向けて行動を起こさねばなりません。いじめの事実を隠すなど、言語道断、かえって被害者の心の傷を大きくし、むしろ追い込むだけで、何の解決にもなりません。いじめをなくすかぎを握るのは、周りで見ている人であります。「自分は関係ない」とか、「見て見ぬふりをする」のは共犯者という考えと、いじめに対して「やめろ」と言う勇気と尊さを教えていただきたいと思うのであります。
 現在、相談機関の充実やスクールカウンセラーの配置など、さまざまな対策もとられていますが、これまで以上に、いじめ根絶に向けた現場発の解決策が求められております。もうこれ以上、いじめで将来ある命が奪われるような悲劇は断じてなくさなければなりません。
 国では、北海道滝川市の小学生や福岡県筑前町の中学生の「いじめ自殺事件」を受けて、池坊文部科学副大臣を本部長とする「子どもを守り育てるための体制づくり推進本部」が設置され、いじめ問題への緊急な対策が検討されているところです。
 本県においても、昨年、下関市、光市で、いじめに関連した事件が発生しておりますが、今回、全国で頻発しているいじめ自殺問題を受けて、県教委においては、いじめ対策についてどのように取り組まれているのか、お伺いいたします。
 最後に、高齢者の犯罪被害防止対策についてお尋ねいたします。
 現在、山口県の高齢化率は約二五%と、全国でも極めて上位にあり、十四年後の平成三十二年には、三人に一人が高齢者になると予想されています。
 超高齢化社会を迎え、福祉や経済など、さまざまな課題がある中、治安についても例外ではなく、高齢者を犯罪被害から守り、安全・安心な暮らしを確保することが重要な課題であると考えます。
 しかし、依然として悪質訪問販売、悪質住宅リフォームなどの「悪質商法」、おれおれ詐欺を中心とした「振り込め詐欺」などが増加しており、被害者の中には、高齢者が持つ「お金・健康・孤独」の三つの不安を言葉巧みに悪用し、高齢者を食い物にした卑劣な犯罪が増加しているとのことであります。
 こうした被害を抑止するため、県や県警察を初め、自治体などが、チラシやポスター配布など、さまざまな方法で広報・啓発活動に取り組んでおられますが、先般、群馬県警が実施した被害者アンケート結果でもわかるように、「まさか自分が」というように、自分のこととして受けとめにくいからでしょうか、手口も巧妙化しており、被害の減少には結びついていないように思えるのであります。
 例えば、悪質商法については、平成十七年以降増加傾向にあり、県警察が本年上半期に摘発した「高齢者などを対象とする悪質商法」の検挙人員は、昨年一年間の検挙人員にほぼ匹敵する二十一人に上っております。
 また、「おれおれ詐欺」についても、本年十月末現在の認知件数は、前年同期の三倍以上に上る六十九件と急増傾向にあり、九月中旬以降に県内各地で続発した被害の大半は、高齢女性であるなど、高齢者被害の実態が浮き彫りとなっております。
 我が公明党では、こうした実態を重く受けとめ、さきに行われた第六回公明党全国大会においても、犯罪防止・犯罪対策の強化として「振り込め詐欺、リフォーム詐欺などの被害の未然防止」を重点政策の一つとして掲げ、悪質商法の被害者救済に向け、「改正消費者契約法」の成立に強く働きかけるなど、詐欺や悪質商法被害の防止に強力に取り組んでおりますが、今後、社会全体で高齢者を犯罪被害から守るシステムが必要になると思います。
 そこで、警察本部長にお尋ねいたします。高齢化社会の一層の進展が予想される中、高齢者の犯罪被害の防止に向けてどのように取り組まれるのか、お伺いいたしまして、公明党代表質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
◎知事(二井関成君) 上岡議員の御質問にお答えをいたします。
 最初に、平成十九年度当初予算において、行政改革推進プランの取り組みをどのように推進するのかとのお尋ねであります。
 これからの地方分権型社会におきまして、地方が自己決定・自己責任による行政運営を適切に果たしていくためには、将来にわたり安定的な財政構造を確立していくことが必要であります。
 そのためには、まず、県が本来果たすべき役割と責任をいま一度ゼロベースで見直すとともに、県債発行の抑制や、プライマリーバランスの黒字の維持などの財政健全化に向けた取り組みに加え、適正な定員管理や組織体制の整備、民間委託の推進など、行政改革の一層の推進が不可欠であります。
 このため、明年度の予算編成におきましても、「中期的な財政改革の指針」に沿った財政改革への取り組みとともに、本年三月に「分権社会の自立した行政システムづくり」を基本理念に策定をいたしました「山口県行政改革推進プラン」に基づく行政改革への取り組みを、予算編成の基本的視点に加え、その取り組みの成果を予算に反映することにより、行財政基盤の強化と、直面する政策課題への的確な対応を図ることといたしたところであります。
 お示しの行政改革推進プランの取り組みにつきましては、事務事業の見直しや、組織の簡素・効率化などにより、定員の計画的な削減と総人件費の抑制に努めますとともに、新たなアウトソーシング手法の活用、公共工事のコスト縮減、内部経費のさらなる節減などに取り組むことといたしております。
 さらに、今年度の県政集中改革の重点項目として取り組みを進めております、試験研究機関や外郭団体の見直し、市町への権限移譲については、財政健全化の観点からも、今後の予算編成の中で検討を進めてまいります。
 私は、今後とも、財政改革への取り組みとともに、「山口県行政改革推進プラン」に基づく行政改革の取り組みを積極的に推進をし、強固で持続可能な行財政基盤の構築に努め、「住み良さ日本一の元気県づくり」の実現に努めてまいりたいと考えております。
 次に、雇用対策についてのお尋ねであります。
 県内の雇用情勢は、景気の回復が続く中で、厳しさが残るものの、全体としては改善の動きが続いておりますが、非正規雇用の増加が見られますとともに、年長フリーター数が高い水準にとどまるなど、若者を初め、高齢者や女性、障害者等の雇用環境には、引き続き厳しいものがあります。
 一方、少子・高齢化の進展による労働力不足や二○○七年問題に伴う産業人材の質の低下などによる、地域経済や県民生活への影響も懸念をされております。
 こうしたことから、私は、今後、本県経済の発展と豊かな県民生活の実現を図るためには、このような雇用環境や社会経済情勢の変化に的確に対応し、お示しの産業人材の育成・確保や再チャレンジ支援などの新たな視点に立った雇用対策を進めていくことが重要であると考えております。
 このため、平成十四年六月に策定をしました、現行の「山口県雇用促進計画」を見直すことといたしております。現在、「産業人材の育成・確保を通じた本県産業の持続的発展」と「県民がさまざまな就業機会に挑戦し、生きがいを持って働くことができる社会の実現」を基本目標として、その実現に向けた新たな計画の策定を、来年三月を目途に鋭意進めているところであります。
 この計画におきましては、今後、取り組むべき喫緊の課題である「若者の再チャレンジへの支援」や「仕事と家庭の両立支援と女性の再チャレンジ支援」「団塊の世代を初めとする高年齢者の就業機会の確保」「産業界のニーズに応じた人材の育成」などを重点プロジェクトとして位置づけ、若者を初め、女性、高齢者、障害者など、意欲と能力のある県民の方々の就業促進や、技能・技術の円滑な継承等により、本県産業を支える人材の育成・確保を進めますとともに、年長フリーターなど、就職氷河期の影響を受けた若者に対する重点的な支援など、再チャレンジ支援にも積極的に取り組んでいくことにいたしております。
 私としては、今後、この新たな計画に沿って、国の諸施策とも連携をしながら、山口労働局や関係機関等と一体となって、総合的な雇用対策を計画的に推進し、本県産業の持続的な発展と仕事と生活のバランスのとれた県民生活の実現に取り組んでまいります。
 次に、観光の振興についてであります。
 観光の振興は、交流人口の拡大によって、地域の活力を高め、本県経済の活性化を図る上で極めて重要であると考えております。
 このため、県等におきましては、きらら博や国民文化祭を開催し、全国に向けて山口県観光の魅力もPRをするとともに、旅行会社や交通事業者等で構成する観光戦略会議を設置し、既存観光資源の活用や新たな資源の発掘、ホスピタリティの向上等、市町が主体的に行う魅力ある観光地づくりを支援をしてまいりました。
 この結果、市町におきましては、例えば、萩八景遊覧船の運行や長門市油谷の棚田の観光資源としての活用など、より進化した新たな取り組みが始められております。
 また、県内各地で撮影をされました映画「出口のない海」や「長州ファイブ」などにちなんだロケ地めぐりの提唱等により、特色ある観光地間の広域連携の取り組みも行われておりますし、「錦帯橋と岩国の町割」を初め、三件の世界遺産候補への提案を契機に、ワンランク上の観光地を目指した周辺の整備等の取り組みも、地域において芽生えております。
 今後、本県への一層の観光客誘致を図るためには、お示しがありましたとおり、多様化するニーズに対応するとともに、地域資源を十分に活用し、本県の個性・魅力をアピールできる観光地づくりが求められております。
 したがいまして、私は、行政や観光事業者のみならず、地域づくり団体等とも一体となって、地域資源を再発見・再確認をし、地域に根づいた物語の掘り起こしや観光ボランティアの育成、農林漁業と連携したスローツーリズム等の体験交流メニューづくりなど、地域ならではの個性に磨きをかけることにより、観光地の魅力をより高めていくことが重要であると考えております。
 県といたしましては、今後、平成二十年夏に、全国JRグループが本県を対象に、デスティネーションキャンペーンを行っていただくことになっておりますので、このキャンペーンに向けて、各地域において、全国に誇れる魅力ある観光地づくりがさらに進むように、市町を初め、関係団体と協働して取り組み、一層の観光客誘致に努めてまいります。
 次に、農村の持つ多面的機能の維持についてのお尋ねにお答えをいたします。
 県土の約七割を中山間地域が占め、担い手の高齢化・減少が進む本県におきましては、農村地域の有する農産物の安定供給の基本的な役割や、自然環境の保全、水源の涵養などの多面的機能を将来にわたって維持・発揮していくことが極めて重要であります。
 このため、県といたしましては、農村が持つ多面的機能の維持・発揮や県民の理解促進を図るため、これまで「中山間地域等直接支払制度」による農地等の保全や、「やまぐち森林づくり県民税」による荒廃した森林の再生、「田んぼの学校支援事業」による環境保全活動、農業者と県民が協働し、農業・農村を守りはぐくむ「食と緑の県民運動」など、各般の取り組みを積極的に推進をしてきたところです。
 また、本年三月には、多面的機能を有する中山間地域の活性化を図るため、総合的・戦略的な「中山間地域づくりビジョン」を策定し、全庁を挙げてさまざまな活性化対策に取り組んでおります。
 こうした中、お示しの、農業者や自治会等、多様な方々が参画し、農地・農業用施設の保全や質的向上のための共同活動等を支援する「農地・水・環境保全向上対策」が来年度から本格導入されることとなっております。
 県といたしましては、今後、本対策が県農業の持続的発展や農村の多面的機能の健全な発揮に有効な対策でありますことから、より多くの地域で取り組まれるように、積極的に推進をすることといたしております。
 また、農村を愛する心を育てる「地産・地消」の取り組みや、森林の理解醸成を図る「里山文化の創造・発信」、農村と企業が協働する新たな「食と緑の県民運動」の展開など、県民や市町、関係団体・関係機関等との連携・協働活動の充実強化も図ることといたしております。
 県といたしましては、今後とも、県民の共有財産である農村の多面的機能を将来に継承し、「美しいむらづくり」を実現をするために、農地・水・環境保全向上対策を初め、ハード・ソフトの両面から各種施策に積極的に取り組み、「元気で存在感のある農林業・農山村づくり」を進めてまいります。
 次に、今後の消費者行政の取り組みについてであります。
 本年五月に、消費者契約法が改正され、事業者の消費者に対する不当な勧誘行為や、不当な契約条項の使用による消費者被害の発生、拡大を防止するため、新たに、内閣総理大臣の認定を受けた「適格消費者団体」が、こうした行為の差しとめ請求ができる「消費者団体訴訟制度」が、来年六月から施行されることとなりましたことは、お示しのとおりであります。
 私としては、消費者の自立に向けた消費者行政の新たな展開と受けとめております。この制度により、消費者被害の発生や拡大の防止が図られることを期待をいたしております。
 国におきましては、現在、制度の詳細について、関係する内閣府令やガイドラインの整備を進めておりますが、「適格消費者団体」の認定を受けるためには、NPO法人または公益法人であることに加えまして、当該団体に差しとめ請求関係業務を適正に遂行できる体制が整備をされていることや経理的基礎があることなど、さまざまな厳しい要件を充足する必要があり、都市部を中心に、全国で数団体が準備を進めていると聞いております。
 県といたしましては、この制度を通じて認定された「適格消費者団体」を有効に活用していくためには、消費者やNPO法人等、関係団体に制度の周知を図ることが重要でありますことから、国と連携して、来年一月に、消費者団体訴訟制度の説明会を開催するなど、必要な情報の提供や助言に努めてまいりたいと考えております。
 また、県におきましては、昨年、改正した「消費生活の安定及び向上に関する条例」に基づき、「消費者基本計画」を今年度じゅうに策定することといたしておりまして、現在、パブリックコメントを実施しておりますが、こうした国の新たな動向も踏まえながら、具体的な施策の方向性を示すことにいたしております。
 私は、県民の皆様が安心して安全に暮らせる社会の形成が何よりも重要であると考えております。この基本計画に基づき、今後とも、消費者の自立と被害の防止や救済に向けて、施策の強化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、児童虐待防止対策についてであります。
 児童に対する虐待は、子供の人権や命にもかかわる重大な問題であり、昨今の痛ましい事件につきましては、私としても、まことに心が痛む思いであります。
 こうした児童虐待の防止に向けましては、行政はもとより、広く県民の協力を得ながら、地域社会と一体となって取り組んでいかなければならないと考えております。これまでも、市町、学校、警察等の関係機関との緊密な連携のもと、未然防止から早期発見・早期対応、アフターケアに至るまでの対策を総合的に推進をしてまいりました。
 特に、お示しの未然防止や早期発見・早期対応につきましては、地域の関係機関からなるネットワークの整備や、住民参加による「虐待防止地域サポーター」の設置、「関係者の連携マニュアル」の作成など、虐待を見逃さない体制づくりを進めますとともに、児童相談所の機能強化を図るため、夜間・休日にも対応できる相談体制の整備や、岩国児童相談所の新設などに取り組んでまいりました。
 こうした中、全国的に虐待相談件数が増加をし、内容も深刻化してきており、個々の事案に的確かつ迅速に対処できるよう、私は、中核的な機関である児童相談所の対応力をさらに強化するとともに、住民に最も身近な市町の一層の役割発揮を促していくことが重要であると考えております。
 このため、このたびの他県での事件を教訓にいたしまして、児童相談所において、機動的な立ち入り調査や一時保護の実施など、状況に応じた初期対応がとられるように、緊急に児童相談所長会議や各警察署との連絡会議を開催をし、体制の引き締めを図ったところであり、今後は、さらに、キーパーソンとなる児童福祉司による相談体制の充実強化に努めてまいります。
 また、すべての市町におきまして、虐待防止のネットワークの早期設置や、未然防止のための家庭訪問の取り組み等が一層進むように、強く働きかけますとともに、市町職員が児童福祉司資格を取得するための養成研修を新たに実施するなど、市町の体制強化を支援をしてまいります。
 私は、今後とも、市町を初め、関係機関・関係団体等との連携を一層密にし、児童虐待の防止に鋭意取り組んでまいります。
 以上でございます。
◎教育長(藤井俊彦君) 学校におけるいじめ問題についてのお尋ねにお答えいたします。
 「いじめは、絶対に許されない行為である」との強い認識のもとに、「いじめをしない、許さない」心や態度の育成など、まず、未然防止を図りますとともに、いじめがあった場合には、早期に発見して、家庭や地域社会とも緊密に連携しながら、学校全体で組織的に対応することが何よりも重要であります。
 このため、県教委では、昨年、本県で発生いたしました事案・事件を受けまして、本年度、新たに「生徒指導総合対策事業」に取り組み、心の教育の充実につきましては、道徳と体験活動を関連づけた学習プログラムを作成し、また、相談体制の充実につきましては、県内すべての小・中・高等学校で必要に応じてスクールカウンセラーに相談できる体制の整備などを図ったところであります。
 さらに、万一、極めて重大な事件が発生しました場合には、山口県CRTとの緊密な連携のもとで、しっかりと学校をバックアップする「学校メンタルサポート事業」にも、全国に先駆けて取り組んでおります。
 県教委といたしましては、このたびの相次ぐ事件の発生を受けまして、直ちにすべての小・中・高等学校に対しまして、教育相談・生徒指導体制の強化を求めますとともに、いじめに対する理解や的確な対応を図るために、現在、作成中の「対応マニュアル」を案の段階ではありますが配布をし、一層、周知・徹底したところであります。
 また、各市町の教育長や教育委員に対しましては、危機対応についての基本的な姿勢の徹底と、県教委と一体となったサポート体制を要請し、さらに、各市町教委の生徒指導担当者による緊急連絡会議等においては、いじめをより広くとらえた実態調査と、いじめ防止・根絶に向けた各学校での具体的な取り組みなどについて、改めて指示したところであります。
 また、このたびの政府要望におきまして、知事とともに、国に対して、学校と家庭が一体となった取り組みを行うために、家庭版の対応マニュアルの作成や、緊急時における支援策の拡充等について、直接要望も行ったところであります。
 県教委といたしましては、今後とも、お示しのありました、「いじめを見て見ぬふりをしない」などの視点を踏まえまして、学校・家庭・地域社会と一体となって、いじめ問題の未然防止と早期発見・早期対応に全力で取り組んでまいります。
 以上でございます。
◎警察本部長(石田倫敏君) 高齢者の犯罪被害防止対策についての御質問にお答えいたします。
 県内の悪質商法や振り込め詐欺を、本年十月末現在で申し上げますと、悪質商法による被害は減少しているものの、おれおれ詐欺を含む振り込め詐欺は三百十件発生し、前年同期と比べて十件、三%の増加となっております。このうち高齢者の被害は、おれおれ詐欺では全体の五五%、悪質商法では八○%を占めております。
 県警察では、広域性、匿名性の高いこれらの犯罪に対して、他の都道府県警察とも連携して、架空口座を解明するなどの捜査を推進し、振り込め詐欺を三十件、十人、リフォーム詐欺などの悪質商法を十七件、二十九人、検挙しているところであります。
 一方、抑止面では、県警察から市町の高齢者担当課や老人クラブなどに対し、悪質商法等の手口や防犯対策を情報発信して注意を喚起しているほか、金融機関に対して、ATMで多額の振り込みを行おうとしている高齢者に一声かけていただくよう、協力を要請するなど、高齢者が被害に遭わないよう、積極的に取り組んでいるところであります。
 そのほか、高齢者との接点が多い寺院や医療機関、介護施設などでの広報紙の掲出、テレビやラジオ番組での振り込み詐欺の特集や、新聞の折り込み情報紙による広報、警察職員が高齢者とひざを交えて、犯罪の手口や対応方法を指導する出前型の防犯講習、さらに、講習等に出席できない高齢者に対しては、警察官が巡回連絡等を通じて直接指導を行うなどにより、被害の防止に努めております。
 こうした対策の効果もあり、本年は十月末までに、金融機関の窓口において、二十二件、総額約三千八百万円の振り込め詐欺の被害を未然に防止しているところであります。
 今後も、引き続き、警察本部に設置した「振り込め詐欺総合対策本部」において、県内の被害実態を集約、分析し、県警察の組織を挙げて、この種事件の徹底検挙を図るとともに、被害を抑止するための対策を進め、高齢者がこうした犯罪の被害に遭わないよう、努めてまいる所存であります。
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Posted on 2006/12/04 Mon. 13:50 [edit]

category: 2006年議会報告

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