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うえおか康彦活動日誌

山口県議会議員上岡康彦の活動日誌

平成22年9月定例会2 

次に、児童虐待防止対策について県の取り組みを伺います。

 本年七月、猛暑の中、大阪市の三歳と一歳のきょうだいが母親に置き去りにされて、何も食べるものがない部屋で寄り添うように亡くなっていたとか、昨年十二月、横浜市では、母親らによって幼い女の子が木箱に閉じ込められて窒息死するなど、およそ信じがたい児童虐待事件が後を絶ちません。むしろ親による子供への児童虐待は歯どめがかからないばかりか、最近では、虐待がエスカレートし、子供を死亡させる事例もふえているそうで、事態は極めて深刻であります。

 大阪市の虐待死事件では、近隣住民の三回にわたる通知を受け、児童相談所の職員が五回も現場に訪問したものの、室内に入れなかったため、子供たちの安全確認ができなかったことが問題点の一つとして指摘されております。

 二○○八年四月には、改正児童虐待防止法が施行され、児相の家庭への立ち入り調査の権限が強化されています。

 それでは、なぜ今回安全確認ができなかったのでしょうか。改正法では、虐待が疑われる場合、保護者に対する都道府県知事の出頭要求が制度化され、要求に応じなければ立ち入り調査となります。さらに再出頭要求をしても、保護者が応じない場合は、裁判所の許可状を得た上で、強制的に屋内に立ち入って子供を確保する臨検・捜索ができるようになりました。

 ただし、出頭要求する際には、虐待の内容や親子の氏名などを記載した書面を保護者に示すことが厚労省令で定められているのです。

 つまり、今回の事件では、親子の氏名がわからず、この省令自体が大きな障壁になってしまったという、まことに残念な事例であります。

 八月十八日に開かれた衆院青少年に関する特別委員会で、我が党の高木美智代議員が、この問題点に触れ、省令の改正を求めたのに対し、当時の山井厚労大臣政務官は、氏名などがわからなくても出頭要求できるよう改善する考えを示し、同日のうちに、虐待情報の通報を受けた場合、児童相談所の職員が四十八時間以内に子供に実際に会って安否確認をするよう、全国の自治体に通知を出したところであります。

 警察との連携強化も含め、課題だった安全確認の初動対応の強化を目指すもので、大きく一歩を踏み出したと感じております。

 しかし、一方で、児童相談所には、慢性的な人手不足という問題もあります。出頭要求の要件が緩和されることで、安全確認が改善されることは期待したいものの、それによって児童相談所職員に過度の負担がかからないように、十分検討すべきと考えます。

 さらに、もう一つの問題点として、母親の育児不安や孤立化が虐待の温床になっていることも忘れてはなりません。例えば、実母が加害者の場合、望まない妊娠、育児不安、養育能力の低さといった心理的・精神的な問題を抱えている場合が多いことが厚労省の報告で明らかになっております。

 そうした影響を受け、近年の傾向としてネグレクトや心理的虐待の割合が増加しているようです。こうした事例は、身体的虐待を伴わないため、外傷がなく発見が難しい。このため、さきに述べた大阪での事件のように、死に直結するケースがふえているのであります。

 公明党は、母親の育児不安の解消や孤立化を防ぐため、家庭訪問つきの相談支援事業を展開すべきと訴えてまいりました。生後四カ月までの乳児がいる全家庭を訪問するこんにちは赤ちゃん事業は、二○○九年度までの市町村での実施率が八四・一%にまで及んでおりますが、公明党は全市町村での実施を政府に強く要請しております。

 また、先進的な取り組みとして、保護者向けの訓練プログラムを活用をしたコモンセンス・ペアレンティング(CSP)講座を実施し、問題の改善につながったケースも報告されていますが、山口県としても、県内市町の各種事業の充実を後押しすべきだと考えます。

 以上申し上げたようなさまざまな事業を推進していくためには、新たに基金の創設も視野に入れて、緊急的に、児童虐待への取り組み強化に努めるべきだと考えますが、そこでお尋ねいたします。

 子供の安全確認の対応強化及び母親の育児不安解消や孤立化防止対策などが極めて重要と考えられますが、これらを含め、児童虐待防止対策について、県はどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、高齢者の地域における見守りについて県の取り組みを伺います。

 生存していれば百十一歳になる男性の白骨遺体が都内で発見されたことがきっかけとなり、全国に広がった高齢者の所在不明問題ですが、同時に浮かび上がった問題点は、行政の問題点や再発防止への課題だけではなく、家族や地域のつながりの希薄化もクローズアップされました。

 高齢者を初め地域住民の状況把握は、地域福祉の担い手である民生委員に期待されているところが大きい。しかし、民生委員が高齢者への面会を求めても、家族に拒否されるケースが増加していると聞きました。また、オートロックマンションがふえ、家族への接触さえ難しい場合もふえてきているそうであります。

 残念ながら、自治体の中でも、個人情報保護を重視し、民生委員に活動に必要な情報を提供しない地域もあるようです。

 高齢者の所在不明などの問題をなくすためには、まず、縦割り行政の弊害を打破し、担当部署間、自治体間の連携強化を徹底しなければなりません。その上で、地域の見守りサービスを充実させていく必要がありますが、見守りサービスの拡充は、高齢者の虐待防止などの観点からも重要であり、自治体はさまざまな知恵を絞って、そうした取り組みの強化に努めるべきです。

 特に、地域の見守り役、相談役として大事な役割を担っている民生委員に対しては、その活動を強力に支援するとともに、個人情報を含め、活動に必要な情報は適切に提供するなど、民生委員が活動しやすい環境整備に取り組むべきであります。

 民生委員は、高齢化や多忙化から人員確保が難しくなってきており、業務量も本来、期待されている相談・支援に関する業務のほか、行事・会議への参加協力や、研修、資料の作成・配付など、増加・多様化の傾向にあります。

 地域のつながりが希薄化する中で、民生委員の役割はますます重要になってきています。地域での支え合いが重要だといっても、現実的に支えてくださっているその中心こそ民生委員でありますから、今こそ行政が民生委員の活動を今まで以上に積極的に支援していくことが必要だと考えます。

 そこでお尋ねいたします。家族や地域のつながりが希薄化している現在、民生委員の役割がますます重要になっていると思われますが、民生委員の活動の充実を含め、地域の見守りネットワークの整備について、県はどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、今後の山口県の救急医療の充実についてお伺いいたします。

 我々公明党は、福祉の党として、国会議員もさることながら、各県を初め全国で三千人を超える地方議員の私たちも、これまで各地の医療や介護の現場を走り回り、たくさんのお声を伺いながら、さまざまな政策を実現してまいりました。

 山口県においては、我が党が強力に推進してきたドクターヘリの導入について、二井知事の御英断によるいち早い取り組みを、私ども公明党県議団は高く評価しているところであります。

 さて、ジャーナリストで国際医療福祉大学大学院の黒岩祐治教授と元厚生労働大臣の坂口力党副代表、そして、衆議院議員 古屋範子党救急医療対策推進本部事務局長の三人が、救急医療のこれからについて鼎談を行っております。

 その中で一九九一年四月の救急救命士制度の創設について、公明党の歴史の中でも大きな実績の一つであることが紹介されております。

 一方で、資格をとっても働く場がない。つまり消防での採用がないという救急救命士が全国に二万人以上もいるという課題も指摘されております。

 さらに一刻を争う救急搬送の際、速やかな救急搬送と救命率向上を実現するためには、「医師がいない」「空床がない」などの情報の収集と整理が極めて重要であるなど、救急医療情報システムの整備などについても言及しております。

 また、千葉県印西市にある日本医科大学千葉北総病院では、ドクターヘリが飛べない夜間や悪天候でも、医師が現場に出動できる態勢の維持を目的とし、救急車と連携して医師と重症患者を一刻も早くドッキングさせるための医療器具や寝台も積み込まないラピッドカーと呼ばれるドクターカーが運用されています。

 こうした動きの中、地域の救急医療体制は、休日夜間急患センター、在宅当番医制度や病院群輪番制などに取り組むことにより、従前よりも格段に進歩していると確信しておりますが、県全域での救命救急センターの体制充実に向けたさらなる取り組みがなされるべきではないでしょうか。

 そこでお尋ねいたします。今後の本県の救急医療体制のさらなる充実について、二井知事はどのように取り組まれるのか、御所見をお尋ねいたします。

 
最後に、特別支援教育についてお伺いいたします。

 障害のある子供の教育は、平成十八年十二月の教育基本法改正により、教育上必要な支援を講じなければならないと規定されました。

 また、障害のある子供の教育の理解が進み、指導内容や指導方法の改善が繰り返され、それまで十分でなかった学習障害・多動性障害・高機能自閉症等への支援が本格的に始まるとともに、国連で進められていた障害者の権利条約が平成十八年十二月に採択、改正学校教育法が平成十九年四月に施行されるなど、障害のある子供の教育をめぐる動向は著しく変化してきました。

 本県においては、平成十八年三月に特別支援教育の施策推進基本指針である「山口県特別支援教育ビジョン」を策定し、同年十月に、施策を具体的かつ計画的に推進するため、平成十八年度から二十二年度の五年間を期間とする第一期実行計画を作成されました。

 この間、平成二十年度には、全国的にも先進的な取り組みとして、盲・ろう・養護学校を、原則五障害対象の総合支援学校に移行するとともに、総合支援学校に特別支援教育センターを、小中学校にサブセンターを設置するなど、きめ細やかな地域の相談支援体制を整備されてきました。

 第一期の中間年である平成二十一年三月には、見直しを行い、それまでの児童生徒の実態や学校の実情、社会動向等を踏まえ、PDCAのマネジメントサイクルにより、第一期実行計画に示す目標の達成状況を検証し、目標達成に向けたさらなる取り組みを進められてきたところであります。

 本年は、その第一期実行計画の最終年度であり、今まさに、平成二十三年度から二十七年度までの五年間の第二期実行計画の作成作業の真っ最中かと思います。

 一方、国においても、現在、障がい者制度改革推進会議及び中央教育審議会において、障害のある子供と障害のない子供がともに教育を受けるシステムの構築及びそれに関連した就学相談・就学先決定のあり方、必要な制度改革について検討が行われており、協議の行方を注視しているところであります。

 こうした中、子供の数が減っているにもかかわらず、平成十年度から平成二十年度にかけて全国的に、特別支援学校の在籍者数は約三○%増、小中学校の特別支援学級の在籍者数は約八○%ふえています。

 また、障害の重複化や、発達障害を含めた障害種の多様化に伴って、一人一人の教育的ニーズに応じた適切な教育の実施や、学校と医療、福祉、保健、労働などの機関との連携がこれまで以上に求められています。

 さらに、障害のある子供の教育について、幼・小・中学校を含めた教職員の専門性の向上を図るとともに、学校外部からの教育支援者や専門的スタッフを充実することにより、障害のある生徒本人や保護者が、必要な情報を活用して進路先を選択・決定し、社会参加を目指し、共生社会を実現していくことが重要と考えます。

 そこでお尋ねいたします。「山口県特別支援教育ビジョン」、一人ひとりの生きる力を高め、自立・社会参加を支える、心ふれあう教育の実現のため、第一期での取り組みの成果と課題をどのようにとらえ、第二期実行計画を作成するにあたり、いかにして今後の取り組みを推進しようとされておられるのか、お考えをお伺いいたしまして代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)


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Posted on 2010/11/30 Tue. 13:56 [edit]

category: 2010年議会報告

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